ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

使い魔は手に入れたい-2

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匿名ユーザー

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ルイズ(だと思われる誰か)は私に抱きつきながら一頻り泣いた後そのまま眠ってしまった。
ルイズ(かもしれない誰か)を引き剥がし顔を見る。泣き腫らした目、そして目の下に物凄い隈をもつ少女の顔があった。
その少女の顔はルイズの顔だった。顔を引っ張ってみたが顔は取れなかった。つまり本物のルイズということだ。
……あのルイズが私に抱きついて泣く?しかもそのまま眠る?どうなってんだ?もしかしてこりゃ夢か?
夢じゃなけりゃありえないよな。ルイズが泣きついてくるなんて。
でもこれは間違いなく現実だ。頬を抓るだとかそんな馬鹿なことをしなくても現実かそうじゃないかぐらいわかる。
だが、現実のルイズがこんなことをするはず無いんだ。今までの観察上間違いない。
つじつまが合わないッ!これは現実ではないッ!……というか私はこんなキャラじゃないだろう!
そんな混乱している最中ドアが開かれる。そちらに目を向ける。入ってきたのはキュルケだった。
「あ、起きたのダーリン!よかった。心配したのよ」
そういって駆け寄ってくる。その後ろにはタバサもいた。
駆け寄ってきたキュルケがベッドに寄りかかり寝ているルイズを見つける。
「あら、ようやく寝たのね」
「ようやく?」
そういえばたしかに隈があったな。
「この子アルビオンから帰ってきてから全く眠ってないのよ。授業も全部休んでダーリンの傍にいたのよ」
「アルビオンから帰ってきてってどういうことだ?ここは何処だ?」
「え?ああ、ここは学院よ。トリステインのね。アルビオンから帰ってきてっていうのは文字通りアルビオンからトリステインに帰ってきたってことよ」
「どうやって?」
たしかアルビオンは空に浮いているだぞ?それにもうすぐ明日にでも城に敵が攻め込んでくるって時にどうやって帰れたんだ?
「タバサのシルフィードでアルビオンまで迎えにいったのよ。でもそのときは驚いたわ。ダーリンは死に掛けだしルイズはダーリン抱えたまま泣きじゃくってるし」
あのルイズが?
「しかもあたしたちの姿を見たらさらに泣き出しちゃって、本当にどうしちゃったのか驚いたわ」
その後どうにかルイズを宥めシルフィード(思い出した、ドラゴンだ)に乗せトリステインに帰れたらしい。
ふ~ん……
「で、私はどれくらい寝ていたんだ?」
「三日ね。だからルイズは三日間寝てなかったことになるわね。でも何時死んでもおかしくなかったしずっと目を覚まさない可能性もあったらしいから三日で目が覚めたのは奇跡なんじゃないかしら?」
「そういえば体が動くな」
あの時はデルフを持たなきゃまともに動かなかったのに。
「治癒の呪文と秘薬使って治療したしね。効き目が出る前に死んだら元も子も無かったけど。秘薬とかの代金は皆ルイズがだしたらしいわよ」
「ふ~ん」
その辺は感謝してもいいな。
「ま、ダーリンが起きたのも確認したし、この子部屋に連れて行くわね」
そう言うとキュルケは杖を取り出し振るう。するとルイズの体が浮かんだ。
そしてキュルケはそのまま顔を近づけてくる。
「何だ?」
「キスは?」
「は?」
「ラ・ロシェールで言ったじゃない。帰ってきたらキスしてって」
ああ~、そんなこと言ってたような気もするな。
キュルケは唇を突き出し迫ってくる。別に断る理由もないしな。そう思い唇を重ねる。
するとキュルケが驚いたように目を見開き離れる。その顔は真っ赤だ。なんだ?
「え、いやまさかしてくれるなんて思わなくて驚いたわけじゃないわよ本当に」
キュルケは焦ったように早口で捲くし立てる。
しかしそれもすぐにもとに戻る。
「まあダーリンもその気なら遠慮は要らないわよね」
そう言いながらまた近寄ってくる。しかしそれを押しとどめる。
「はやくルイズを連れて行ってくれないか?こっちももう少し寝たいんだ」
そう言うとキュルケは渋々といった感じで引き下がる。
「ダーリンがそう言うなら仕方ないわね」
そう言ってルイズを魔法で浮かしたまま移動させる。
「また明日ね」
そう言いながら出て行こうとする。しかし何かがおかしい。
気が付く。そうか、足を庇うように歩いてるんだ。
「足怪我してるんだったら気をつけろよ」
「ええ」
キュルケは一瞬驚いた顔をしたがすぐに笑顔で返してきた。そしてタバサを伴い部屋から出て行った。
っていうかタバサは何しに来たんだ?
しかし、眼のことといい、泣くことといい、ルイズらしくなさ過ぎる。どうなってるんだ?
そう思いながらデルフがないか探してみるとルイズがいた場所に転がっていた。拾い上げ抜く。
「久しぶりだな」
「また会えて嬉しいぜ相棒。それにしても相棒、俺のこと相棒って言ってくれたよなあ壁壊す前。めちゃくちゃうれしかったぜ」
……………しまった!ついノリで!
「『ああ行くぞ相棒』だっけか。やっぱ俺のことちゃんと認め……ベホマッ!?」
顔が赤くなるのを感じながらデルフを思いっきり壁に叩きつけた。


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