本体ver.20の大きな特徴、NPCイベントの解説です。
「戦闘の監獄」には存在した迷宮内でのアイテムの売却や寺院や宿屋、#5のようなNPCとの個別取引など
様々な要素を実現できるようになりました。
複数の内容のイベントを1マスに収める事ができるというのも便利な特徴です。

なお、NPCの設定をしていると、メッセージを大量に設定しないといけなくなってきます。
「戦闘システムメイン設定」に、「英語メッセージを使用しない時、日本語のメッセージを倍に増やす」という項目があるので、これでカバーしましょう。


設定の手順

NPCの設定はなかなか複雑です。
「システム→NPCの設定」で内容を設定し、



「追加イベント(6)」に「NPC」のイベントがあるので、他のイベントと同じように迷宮に配置していきましょう。



NPCは0番から14番まで、15種類の人物を設定できます。



NPCの内容

NPCの設定画面を開くと、これだけの項目が出てきます。
右上の「宿屋の主人」などのボタンを押すと、簡単な設定が最初にできてくれます。


登場と退場

NPCが登場する時の設定です。様々な条件付けやメッセージの指定ができます。


  • 出会う時の演出
    • 出会いのメッセージあり
      登場する時に、普通のイベントのようにメッセージを表示します。
      これを使わなければ、モンスターが現れた時のように「何者かが現れた!」と表示されます。

  • 出会うための条件付けについて
    • 特になし
      NPC登場に特別な条件はなく、いつでも会う事ができます。
    • アイテムN番を持っていたら
      特定のアイテムを所持しているときにNPCが登場します。
      「取引許可証を持っていたら交易をしてやろう」という人物を作る時、「アイテムドア」などを併用してイベントを二つにする必要はありません。
    • フラグN番がOFFだったら
      フラグがOFFの時にNPCが登場します。
      主に、「NPCと戦闘をする→NPCが死亡する→フラグをON→NPCが登場しなくなる」という処理のためでしょう。
    • フラグN番がONだったら
      フラグがONの時にNPCが登場します。
      フロアのボスを倒したりして、フラグをONにすると現れるキャラなどを設定できます。
    • 出会いで条件が合わないとき
      NPCが登場しない場合のメッセージを設定します。「このマスで何かがあるらしい」というメッセージがあると、プレイしやすいでしょう。
      また、使わなければ何も起きないマスになります。
      • NPCが後に登場する場合に「この部屋は誰かが利用しているようだ」
      • NPCを戦闘で殺してしまった場合「この部屋にいた者は、もういないようだ」
      • アイテムが必要な時「召喚の杖があれば、この魔法陣から悪魔を呼び出して話ができるらしいが……」

  • 立ち去る時
    • 立ち去る時のメッセージ
      NPCと分かれる時のメッセージです。設定しなければメッセージ無しで迷宮に戻ります。
      雰囲気作りのためにはあるといいのですが、宿屋や商店などで機能性を高める場合に
      「ほんのわずかでも不要なメッセージを読む時間を短縮したい」という事もあります。
      無言で突然ウィンドウが閉じられると、それはそれで唐突に感じたりもするのですが……。

基本設定

NPCに何をさせるのか、またグラフィックやBGMの設定です。

  • 会話
  • 戦闘
  • 宿泊
  • 取引
  • 助ける(寺院)
  • お金を渡す
  • アイテムを渡す
これらは、ひとつずつ詳しく説明していきます。
残念ながら「NPCの所持品を盗む」「機嫌を損ねたNPCにカツをかけて交渉再開」という事はできません。だったらカツをやめてマニフォにした方がいいと思うんですが

  • 出会い後のサウンド
通常イベント、宿屋、寺院、商店、酒場のBGMから選べます。

  • イベントグラフィック、モンスターグラフィック
NPCの絵を選択します。

会話

NPCとの会話の内容を設定できます。

  • フラグN番がONだったら
フラグのON/OFFで会話の内容を変える事ができます。
切り替える予定が無い場合は「条件に合う時のメッセージ」「合わない時のメッセージ」を同じものにしておくといいでしょう。
また、「出会い」の時のフラグと組み合わせて、「フラグ1がOFFならメッセージ1を表示、ONならNPCイベント開始。フラグ2がONなら会話の内容を変化」と
二段構成の会話が可能です。

  • アイテムN番を持っていたら
わかりにくいですが、右上の「N番」の数字を変えて設定します。
アイテムを持っている時に台詞が変わります。
重要なアイテムを持っている時にヒントをくれる人や、後述する「アイテムを渡す」の時に使いましょう。

戦闘

  • モンスター
    どのモンスターと戦うかを設定します。
    必ずしもNPC本人と戦うと決まっているわけではなく、NPCが魔物使いで「グレーターデーモンと戦わせてくれる」というイベントにしたり、
    普段経験値稼ぎに利用している先生に迷宮の真相を聞いて真のボスである狂王に挑むというストーリーも……。
  • 戦闘後のフラグON
    登場時の条件付けと合わせて「NPCを殺してしまうと二度と登場しなくなる」とか、
    会話の条件付けと合わせて「魔物使いのモンスターを倒すと情報をくれる」ということができます。
  • 戦闘前のメッセージ、戦闘後のメッセージ
    会話を指定できます。チェックを入れなければ無言で戦闘が行われます。

宿泊

地上の宿屋と同じように回復ができます。
  • 馬小屋・簡易寝台・エコノミールーム・スイートルーム・ロイヤルスイート・スペシャルルームそれぞれの有無
  • それぞれの料金
  • 迷宮内宿屋でのレベルアップの許可
と、なかなか細かい設定ができます。

迷宮内で一週間単位の宿泊なんてしないだろう → 馬小屋とスペシャルルームのみ
迷宮内にまともに寝られるような部屋があるはずがない → 馬小屋と簡易寝台のみ
強大な力を持っている魔王や吸血鬼の城で、相手が提供してくれるという設定なので豪華にしたい → 馬小屋と簡易寝台とエコノミールームを除外
迷宮内でレベルアップはさすがにまずいだろう → 許可しない
だがレベルアップできないんだったら、MP回復の泉と変わらないのでは…… → 許可する
迷宮内の施設なんだから多少はぼったくり価格に → 個別に価格設定

……などなど、想像できる様々な事態に対応可能。
むしろ城内の宿屋の設定ができない事が不満に感じるほどです。

取引

NPCと売買ができます。
アイテム購入、売却、呪いを解く、識別の有無、
アイテムの在庫管理を地上と共通にするかどうか、
在庫が独立している場合NPCが売っているアイテムの種類、
NPC商店のアイテムコンプリートができたらフラグをONにするかアイテムをもらえるイベント、
など様々な設定ができます。

いろいろと個別の事例を考えてみます。
  • 「買う」だけで「売る」が無い
    当然ながら、アイテム売却所として稼ぎポイントに使えません。
  • 「売る」だけで「買う」が無い
    こちらは純粋に稼ぎ場所の近くでアイテムコンプリートを目指してアイテム稼ぎを使う時に便利です。
  • 在庫管理は地上商店と同じ(買う)
    アイテムコンプリート狙いの稼ぎの最中、どのアイテムが売られているかその場でチェックできたり、
    毒消しなどの回復アイテムを買う事ができます。
  • 在庫管理は地上商店と同じ(売る)
    地上商店のコンプリートのために役立ちます。
    しかし、商店コンプリートイベントは設定できません。
  • 在庫管理は地上商店と同じ(売る)にチェックを入れず、「売った後、在庫に売り切れがなくなったら」のイベントをチェック
    10種類だけとはいえ商店コンプリートイベントが実装できるようになりました。
    イベントを起こした後で買い戻してもう一度売ってもイベントは起きません。
    不正を防ぐためにはいいのですが、手に入れたアイテムを失ったら二度と入手できなくなるので注意。
    クリアに必須のキーアイテムを手に入れて、そのパーティーが全滅してキャラがロストしたらシナリオ自体クリア不可能になります。

NPC商店には、町の商店には並ばない「購入価格0G」のアイテムを設定することもできます。
プレイヤーに存在を秘匿しておきたい裏ダンジョン用の隠しアイテムなどに活用できるでしょう。

助ける(寺院)

「助ける」だと何の事だか分かりませんが、寺院イベントです。
毒、麻痺、石化、死亡、灰の治療の有無と価格を設定できます。

地上よりも高額の寄付を求めてくるスーパーボッタクリ寺院や、
死亡からの蘇生に失敗したら灰からは蘇生できないというものを作れます。

なお、HPとMPの回復はできません。
できたら「宿屋と兼業」ではなく寺院で一括にできたのに。

お金を渡す


お金を渡して情報を聞きます。金額、問いかけ時のメッセージ、足りない/拒否時のメッセージを指定します。
金額の最大値は驚異の99999999ゴールド。「お金を払って移動」はたったの60000までしか設定できないのに……。

なお、「金を払う意思はあったが所持金が足りなかった」と「金を払う事を拒否した」でメッセージが共通になります。
どちらも矛盾がないように文章を考えないと、どちらか片方で不自然な会話ができてしまいます。


アイテムを渡す

NPCにアイテムを渡して、求めているアイテムだった場合にメッセージを聞いたり、他のアイテムと交換したりします。



一見難しい事は無さそうなのですが、2006年版では、このイベントを使っていると、
正解ではないあらゆるアイテムを「ありがとう!」の一言で没収するブラックホールが出来上がります。
レアアイテムだろうとシナリオクリアに必須のアイテムだろうと、下手をすれば手元から無くなったら生きて帰れなくなる品まで容赦なく没収。
その時の台詞が「ありがとう!」から変更できないのもまずいところで、威厳ある大悪魔が突然フレンドリーになったりします。
渡す前に「そのアイテムが正解アイテムなのかどうか」は基本的にノーヒントなので、事前の会話でヒントや正解を示したり、
「会話」の「アイテムN番を持っていたら」で対応を変化させたりしてアイテムを渡す前に正解かどうかを確認する術が必要でしょう。
無かったらリセット必須になります。

Steam版では、正解のアイテムでなければ「興味がありません」と受け取らないようになり、とりあえず所持しているアイテムを片っ端から試しても良くなりました。
台詞が「興味がありません」から変更できないので、荒っぽい口調や傲慢な口調の人物が相手の時にちょっとおかしくなります。


最終更新:2022年11月10日 03:46