ルール説明~開始


「諸君らの首には今、首輪が巻き付いている…私に逆らえば、その時点でその首輪が爆発することをまず教えておこう」

ユーゼスの言葉に、全員がびくりと身をすくませて首をまさぐる。
銀髪の少年…クォヴレー=ゴートンも静かに自らの首に手を伸ばし…冷たい金属の感触を確認した。
(なるほどな、こいつがある限り、ヤツには逆らえないか)

「諸君らには残り一人になるまで殺し合いをしてもらう。
 それ以外に生き延びる道はない。
 諸君らにはこれから隣の部屋で必要最低限の荷物と“武器”を渡す。
 その後、このヘルモーズより戦いの舞台へと投下する」

そこで言葉を句切り、ユーゼスは辺りを見回した。
誰も何も言わないのを確認して、言葉を続ける。

「後は好きにすればよい。殺すも殺されるも自由だ。
 ただし、日没時、日の出時に発表される“禁止エリア”に足を踏み入れた場合、
 戦場から逃げ出そうとした場合、先ほども言ったが私に逆らおうとした場合、首輪は爆発する。
 また、24時間の間、誰も死ななければ全員の首輪が爆発する。デッド・エンドだ」

誰かがごくりと息をのむ。誰かが静かにすすり泣く。
クォヴレーは、ただ静かにユーゼスを睨め付ける。

「最後の生き残りは、私が責任を持って元の場所に送り届けよう。
 さあ、ゲーム開始だ」

ユーゼスばぱちん、と指を鳴らした。
そのとたん、彼の背後の壁がぐにゃりと歪み、唐突に扉が現れる。
扉からは銃を持った男達が数人現れ、扉の横に並んだ。

「行け。武器はそちらで渡そう」
ユーゼスの言葉に、一人がゆっくりと立ち上がった。
そのままふらふらと扉の方へと向かう。
一人、そしてまた一人。整然と一列に並んで。逆らえないから、少なくとも今は逆らわない。
ある者は絶望に打ちひしがれた顔で、ある者はユーゼスを怒りに燃える目で睨み付けて。
ある者は笑いながら、ある者は何かを決意した顔で。

今はユーゼスに逆らえない。だが、だから……。
様々な思いを胸に、参加者達は扉をくぐっていく。
クォヴレーが扉の前に立ったとき、ユーゼスが彼に声をかけた。

「生き延びられると良いな、イングラム」
「俺はクォヴレー=ゴートンだ。ユーゼス=ゴッツォ」

そしてクォヴレーも、扉をくぐった。



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第1話「導入 時系列順 第3話「アムロの決断

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ユーゼス・ゴッツォ 第30話「ベトレイヤー

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最終更新:2008年06月02日 20:56