橘@akiharu国様からのご依頼品



とあるかれんちゃん'sの一日

作:1100230:玄霧弦耶


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現在時刻午前9時。とある場所、とある所でかれんちゃんが行動を開始した。

かれん:『本日の予定を確認』

別のかれんちゃんが答える。

かれん:『確認。本日の予定は○件。優先順位上位からリストアップ』

かれんちゃん'sでデータリンク開始。完了。

かれん:『優先順位上位にミスター・橘よりの招待を確認』
かれん:『ミスター・橘の嗜好を確認。夜間装備と頂いた衣類を装備』
かれん:『了解。1番から5番まではミスター・橘の元へ』
かれん's:『了解』

こうして、かれんちゃん'sの一日は始まった。


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所は変わって宰相府藩国の屋外スケート場。
かれんちゃんは招待された相手を待っていた。

かれん1:『遠方に人影確認』
かれん4:『照合完了、ミスター・橘を確認』
かれん1:『了解、このまま待機』

かれんちゃんが5人並ぶともうそれだけで壮観である。

かれんs:「こんばんは」

吐血の後、泣き出す橘。勿論うれし泣きである。
かれんちゃんの言う夜間装備とは眼鏡のことであり、この人物は大層眼鏡を好いていた。

かれん2:『ミスター・橘に涙を確認』
かれん3:『ミスターの発言より、感涙と想定』
かれん1:『ミスターの要望をクリアしたと判断します』

かれんちゃん'sがそのようなやり取りをしている間、橘は感動に咽び泣き、ソレよりも眼鏡着用を喜んだ。
筆者的にはソレもどうよ。と思うが、人の嗜好にケチをつけるのは無粋の極み故ここは気にしないことにする。

かれんs:「いえ。お好きだという要望でしたので」
橘の反応を見てかれんちゃんが答える。
同時に揃って微笑むかれんちゃん。橘はその行動に感動し、言葉が出なくなる。

かれん5:『ミスター・橘の返答なし』
かれん2:『言語機能には異常なし。表現問題の可能性あり』
かれん1:『了解。質問し、答えを反映します』

かれんs:「もう少し優しい口調のほうがよろしいですか?」

実際は単純に可愛さに見とれているだけであり、何の問題も無いため橘は「自然な口調で良い」と答える。

かれん3:『返答を確認』
かれん5:『自然な口調、を現在の口調と定義します』
かれん1:『定義完了。続いて本日の目的を質問します』

かれんs:「はい。今日は何を」

その言葉を聞くと、橘はスケートリンクに足を踏み出した。
そして盛大にこけた。リンクを尻で滑る橘。

かれん4:『ミスター・橘の行動を記録』
かれん2:『本日の目的をミスター・橘の行動と判断します』
かれん1:『了解、各自データをマージ。行動に移ります』

そして、かれんちゃん'sはまったく同じ方法でリンクに足を踏み出し、橘と同じ格好で滑っていった。
橘、受け止めようとする。流される。そしてこける。かれんちゃんが真似をする。

所謂、大惨事であった。


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数分後。
橘は空中に浮かんだかれんちゃんに引っ張り上げられていた。

かれん5:『優先順位変更。ミスター・橘の安全を優先』
かれん3:『了解。次の行動の質問を提案』
かれん1:『提案を了承。質問します』

かれん1:「なにをすればいいのですか?」

橘はスケートの練習を提案し、かれんちゃんにスケートに関する知識を尋ねる。

かれん1:「2番、3番、スケートについて調査開始」

かれん2:『了解。調査開始します』
かれん3:『4番、5番もサポートを』
かれん4:『了解。中継地点へ向かいます』
かれん5:『衣服と夜戦装備を考え、速度を押さえます』

かれん1:「ネットワーク接続開始。中継準備、4番、5番高度1万mで待機」

かれん4:『予定位置に到着。中継始めます』
かれん2:『【スケート】について検索。検索結果○件』
かれん3:『検索結果の絞込み開始。現在の状況に合った情報で絞り込みます』
かれん2:『確認。【スケート】とは氷上を優雅に滑るスポーツ、と認識』
かれん3:『滑走データを検索。ヒットせず』
かれん5:『ミスター・橘との相互補完を提案』
かれん4:『提案に賛成。検索終了のため帰還します』
かれん1:『了解。サポートのため、距離10mで待機』

かれん1:「データを入手しました」

この間大よそ2分である。
橘は驚くばかりである。そもそもかれんちゃんが5人いる時点で冷静さを保てないわけだが。

かれん1:「代表として私が貴方のお相手をします。ゲーム終了後にデータはマージします」

そういいつつ、橘を氷上に下ろすかれんちゃん。
かれんちゃんは浮かんだままである。

かれん1:「バックアップします。どうぞ」

バックアップの意味が判らない橘であったが、恐る恐る二本足で滑り始める。
倒れそうになる。かれんが瞬時に抱きかかえる。
バックアップの意味を理解し、橘が赤面する。

かれん1:「体勢を立て直しましょう」

抱えられて立ち上がる橘。
平静を装う為、かれんちゃんが滑れるか確認する。

かれん1:「いえ。さすがに滑走データはありませんでした」
かれん1:「貴方が滑れる用になったら教えてください」
かれん1:「相互補完すれば、それが一番早いはずです」

己の責任重大を感じ、張り切る橘。
バランスを崩さないように滑る。パイロットをしているだけあって、平衡感覚は良いので、少しずつ滑れるようになる。

かれん3:『ミスター・橘の行動を記録開始』
かれん4:『了解。4方向よりの記録で重心移動などを計算』
かれん2:『転倒の可能性現在27%、23%、16%・・・』
かれん1:『方向転換時の危険性を計算』
かれん5:『重心移動に失敗しない限り危険性は低いと考慮します』

かれんちゃん1番のサポートを受けつつ滑る橘を記録する2番から5番。
データは即座に補完され、滑走データとして記録される。
橘の滑走は上手とはいえなかったが、徐々に上達していった。


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さらにそこから数分後。
遂にかれんちゃんのスケートデビューである。
空中に浮かんだ状態から表情に着地する。直ぐにこけそうになるが、橘が支えた。
滑走データの更新をしつつ、橘のアドバイスを受けるかれんちゃん。

かれん1:「了解しました」

そういうと、かれんちゃんはゆっくり滑り出す。
手を握られている橘はもうどきどきしっぱなしである。はたから見れば恋人同士にも見える。
自分に対して落ち着け落ち着けと繰り返しつつ、かれんちゃんを褒める橘。

かれん1:「ありがとうございます」
かれん1:「貴方のすべりを、ずっと記録していました」

恥ずかしがりつつも、橘はあることを思いついた。
「5人姉妹で情報補完して滑るとどうなるか」である。
思い立ったことは聞いてみる。橘は提案してみた。

かれん4:『ミスター・橘よりの提案を確認』
かれん5:『有効な方法と判断』
かれん2:『実地実験は重要と判断し、賛成します』
かれん3:『賛成。そちらへ集合します』
かれん1:『了解。現在の最新情報を共有します』

5人で滑り出すかれんちゃん's。
その動きには少しのブレも無く、完璧にシンクロしている。
個人個人の個性が無いのを少し悲しみつつ、編隊とか組めそうだね、と言う橘。
その言葉を受け、かれんちゃんが編隊を見てみるか提案する。
橘が答え、スケッチブックに記録しようとしたとき、ソレは起こった。

かれん1:『ミスター・橘の希望により、6番以降も集合開始』
かれん6:『了解。そちらに向かいます』
かれん7:『夜間装備と頂いた衣類を確認。そちらに急行します』

氷上を舞うかれんちゃんの構図を考え、スケッチブックに目を落とす。
次に顔を挙げると、10人になっていた。気付かずに再度スケッチブックに目を落とす橘。
20、30、と増えていく。

かれん25:『安全性を考慮し、50番までを限界と設定』
かれん14:『了解。滑走プログラムを集団モードに変更』
かれん09:『変更完了。各自の距離は1mに固定』

見る見るうちに増えるかれんちゃん's。スケートリンクは独占状態となった。
橘は自分の目を疑いながら続きを描いたが、流石に多すぎるために諦めた。
心の中に記憶していれば良いと考えたらしい。そのまま混ざりに行った。

かれん48:『ミスター・橘の接近を目視』
かれん31:『プログラム中止。その場で待機』
かれん29:『ミスター・橘接近。道を開けます』

一斉に道を開けるかれんちゃん's。
モーゼの十戒のような光景に驚く橘。かれん01が橘の前に出てくる。
流石にこの人数に驚いたか、どこにいたのか質問する橘。

かれん01:「我々はどこにでもいます」

どこにでもいる、といわれ少し考える橘。
しかし、即座に『いつでも会えるのは良いことだ』と思い、かれんちゃんに伝える。

かれん01:「はい。我々はどこでも、貴方を助けます」

微笑みながら答えるかれん01。
ソレを受けて橘も答える。キミたちに何か困ったことがあれば俺や俺たちが助けに行く、と。
50人でも500人でも問題は無い、と。

かれん01:「期待しています。ミスター」

さらに微笑みつつ、返答するかれんちゃん。
その返答に返すため、力いっぱい答えつつ、ずっこける橘。助け起こすかれんちゃん。
どうにもしまらない終わりだったが、かれんちゃん'sには満足のいくものだったらしい。


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かれんちゃん'sが帰還する。
次に会う予定を決めた帰りであった。

かれん23:『本日のミスターの発言の期待値は26%と判断されます』
かれん03:『期待値の訂正を申請。根拠として本日のデータリンクを希望します』

かれんちゃん'sも世間話のようなものはする。
帰還途中の内容は橘の最後の発言であった。

かれん37:『データをマージしました。訂正に賛成します』
かれん42:『訂正に賛成』
かれん39:『賛成します』
かれん23:『確かに。期待値は・・・』

コレがどうなるかは、今後のゲーム次第。
筆者としては、是非ともかれんちゃん'sが幸せになるように行って欲しいものである。





いや、本当は3000文字程度で納めるつもりだったんですが色々見返している間にちょっと増えてしまいました(苦笑)
ともあれ、かれんちゃんには苦労しましたが喜んでいただけると幸いです。


作品への一言コメント

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  • ギャア!(吐血 ありがとうございます!かれんちゃんs同士がどんなやり取りをするのかってーのすごく気になってましたんでニヤニヤしてしまいました!いや、眼鏡の似合う君が好き、というこー(以外延々 -- 橘@akiharu国 (2008-02-16 11:52:41)
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最終更新:2008年02月16日 11:52