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暑い日のお料理教室

小笠原の抜けるような青い空、綺麗な海辺…。
ではなく、暑い日差しを避けて小笠原校の家庭科室で男女6人が集まって料理を作ろうとしていた。

まず始めに本編の登場人物について紹介しておこう。
エプロンが上手く結ぶ事ができずに悪戦苦闘している女の子が今回の主人公の高渡である。
大きな瞳と猫耳、あと笑顔が似合う晋太郎が大好きな一人の乙女でもある。悪戦苦闘している高渡のエプロンをにこにこと笑って結ってくれたのが彼女の想い人である晋太郎である。高渡が少し驚いて、そして嬉しそうに『ありがとうございます』とお礼を告げると晋太郎は『はい』とにこにこと笑って返事をしてくれた。
その横には高渡の友人である川原雅がすでにエプロンをちゃんとつけて待っていた。その側には千葉昇が料理は苦手だなぁといった顔で立っており、晋太郎と何か言い争っていた。と言うよりも晋太郎が昇を弄って楽しんでいるようだった。真性のシスコンは弄りやすいようだった。途中で昇が『帰る』と言って教室を出ようとすると、高渡、川原、晋太郎の説得(?)で話を妹の為に料理の作り方を聞くという事で落ち着いた。みんなにこにこしながら昇が残る事を喜んだ。これ以上シスコンを弄るとほんとに帰ってしまうだろうと簡単に予想できたのでそれ以降は誰も言わなくなった。
残りの二人は晋太郎の弟の光太郎と凄くやる気を見せている小夜が高渡と熱い友情の握手をしていた。そして、その光景を見てにこにこしながら晋太郎は今日のメニューを発表した。

『今日は、ごまだれ冷やしパスタを教えるね』

一瞬、周囲がざわっと騒いだ。
どうも弟の光太郎がごまだれとパスタの組み合わせがイメージできなかったようだった。その不安を吹き飛ばすかのように高渡は『晋太郎さんが教えてくれるのです。おいしいに決まっています。』と何の根拠もない事を真顔で言った。まあ、この事が後の悲劇を引き起こす事になろうとは誰も予測する事はできなかっただろう…。
晋太郎は皆に材料を渡して料理に取り掛かった。
晋太郎が中心となって話を進めていった。『今回使うのは、サラダ用の1.2mmから1.3mmのパスタです』と言うと皆が準備を開始し始め、『サラダ用、っていうぐらいだから、最初から冷えても大丈夫なやつなんだよ』昇も横で当然だなって顔で頷いていた。『具は、トマト、キュウリ、セロリは好きかな、焼き豚は市販品でもいいよ、あと、大事な長ねぎ』熱心に晋太郎の話を聞いていた高渡は一瞬ぎょっとして血の気が引いていった。
そう、高渡にとって数少ない弱点の一つに『ねぎ』というものがあった。勿論今でも苦手である。『ねぎなんかこの世からなくなってしまえばいいんだ!』と力説した事があるとかないとか言われるぐらい嫌いな食べ物である『ねぎ』が晋太郎さんの口から発せられたのだった。一途な高渡の答えは『そ、そうですよね!ネギおいしいですよね!!私大好き(ああ晋太郎さんに嘘をついてしまった)』と言ってしまっても仕方がなかった。
晋太郎はにこにことしながら料理のてほどきをして回っていた。
『トマトは輪切り、キュウリ、焼き豚は太目の千切りだよ。ゆっくりね。あせらないで』
『昇くん、指を畳んで、切る。そう』
『セロリは薄くね。塩茹でしないとだめだよ。ゆでた後は冷水にさらす』
と手際よく皆にアドバイスしていく。その傍らきゅうりを切っていた川原が気を利かせて『ねぎ』を高渡の分をどけてくれたのだが晋太郎はすぐに気がついて『こら、意地悪したらダメだよ』と軽く怒って『ねぎ大好き』といった高渡の前に大盛りの『ねぎ』を渡しました。
高渡はいきなり現れた大量のねぎをみて包丁でおもわず指を切ってしまった。それを見た晋太郎は『手を貸して』と高渡の手をとり、指を軽く舐めたら傷口がふさがりました。一瞬の行動に高渡は目をぐるぐるさせ、晋太郎に『…す、すみません。有難う』というのが精一杯だった。そんな高渡に晋太郎は『ううん。注意してね。』と優しく答えた。
そして、晋太郎は終始にこにこしたまま料理とその説明をしていった。
『ネギは縦半分に割って、中心は取り除いておこうね。外側を斜めにうす切りして水にさらしておこうね』
『しばらくしたら、セロリもネギも水切りしていい』
『ごまだれは、市販品のでいいからめんつゆと、白の練りゴマ、酢、砂糖、豆板醤、オリーブオイルをあえて作ります』
『オリーブオイルは多すぎると、風味を損なうから、そこそこで』
といいながら手際よく混ぜてボールを冷蔵庫に入れた。次は大鍋を準備してたっぷりの水とたっぷりの塩を準備して茹で始めた。
『茹で時間は、少し長めにね。アルデンテ禁止』
高渡と話をしながら料理を手際よく進めていく。
『うどんとかと違って、流れる水でしめたりしないようにね』
『さめたら、皿にもりつけてね。オリーブオイルをまず、少量かけて混ぜる』
『オリーブオイルをまぜるのは、麺がくっつかないようにするのと、麺に輝きを与えるためだよ』
晋太郎が高渡の茹でた麺を味見して一言『上出来』というと高渡は嬉しそうに『えへへ。やった』と笑っていた。
晋太郎は高渡の答えをにこにこしながら言葉を続けた。
『さ、具を載せていこう。冷やし中華みたいでいいよ。真ん中にネギを置いてね』
『食べる直前にごまだれをまわすようにしてかけます』
『これで出来ました』
『500kcalくらいだから、ダイエットにもいいし、ゴマだれは栄養満点だから、夏ばてにもききます』
皆が完成を喜んでいるなか一人だけ絶望的な表情を浮かべていた。

そして、出来上がったごまだれ冷やしパスタを食べるべく皆はテーブルに座っていた。
一人椅子の上に正座をしてガチガチに緊張している高渡は別として和やかに料理の感想なんかと話をしていた。晋太郎が手を合わせて『いただきます』というと皆もそれに倣って『いただきます』といってごまだれ冷やしパスタを食べ始めた。その中で一人だけ料理に手を付けない人がいました。皿の真ん中にふてぶてしく盛り付けされている『ねぎ』と脳内戦争を繰り広げていた高渡だった。晋太郎は心配そうに『どうしたの?』と聞かれて高渡は決心して『ねぎ』と対峙して
『な、なんでも!!!』
『わあーい!いただきまーす!』
と『ねぎ』が大量に添えられてあるごまだれ冷やしパスタを完食した高渡は『ごちそうさま』といってそのまま倒れた。晋太郎がびっくりして駆け寄ってきてくれた所だけうっすらと見えたところで意識を失った。



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