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**黒崎克耶@海法よけ藩国さんからのご依頼品 彼…雌雄がわからないため、便宜上「彼」としておこう…は 森の様子がいつもと違うことを感じていた。 とてもステキなお話の予感。 お話は、彼らが大好きなものだけど、その中でもとびっきりのものがあるような気がする。 彼は、お話の気配の方向に向かっていった。 最近よく出かけるあの家へ。 /*/ 彼らは、一度はこの森からいなくなっていった。 森が森でなくなってしまっていたとき。 悲しみのあまり、彼らはこの地から隠れてしまっていた。 でも、そんな中でも。 この家の人達は、必死で彼らに手を差し伸べようとした。 一度は、怖がってる彼の仲間に触れようとして失敗していたけど。 ただただ、汚れをふきたい、癒したいという言葉は、彼には伝わっていた。 怯えている彼の仲間には、その思いはまだ辛かっただけで。 そして、いま一度彼の近くに現れたとき。 多くの人達が2人と共に現れて、森のすべてを戻してくれた。 もう一度やりなおしたいとの思いが物語となって、森を埋め尽くしたのが見えた。 /*/ 森が戻って、彼らは少しずつ戻ってきていた。 この家の人達は気づいてなかったけれど。 そっと、そっと、様子をうかがいながら。 新しい森に新しいお話が生まれるのを見守るように。 そんなある夜。 この家の人達が2人で「にゃんにゃんちゅー」と言いながら、森に呼びかけてきた。 内1人は呼びかけがいろんな言葉だったけど。 ……行ってみてもいいかな? 仲間たちはまだ尻込みしていたけど、彼はそっと、2人の前に現れてみた。 そっと挨拶して、でもそのまま逃げてしまった。 人の前にでるのはまだためらわれたし、それ以上に恥ずかしかったし。 少しずつ、少しずつ。 やり直していける、そんな予感。 /*/ そして今日。 いつもの2人より、ちょっと多い数の人間がいる。 みんな、ちょっとどきどきわくわくの様子。 いつもの2人が、少し緊張している。 知り合いらしいのに、あらたまった挨拶をしあっていたり。 プレゼントかなこれは? あとお菓子や飲み物がテーブルに広げられていく。 ……うん、間違いない。 これはとびっきりのお話の前兆だ。 /*/ 「では、これよりソウイチロー・黒崎、黒崎克耶の結婚式を行います」 気がつけば、周囲には彼の仲間がいっぱいになっていた。 皆もお話の気配につられてきたらしい。 木々を揺らしてしまい、ばれたかな?とあわてたけど、誰も見えてないのが幸いした。 ……見えてそうな人が一人いるかも。 その人は、風からレース布を取り出してきた。 「おめでとう」 の言葉と共にレースを鳩に変えて…とってもきれい…… ずるり(ぼてっ) 彼はうっかり、枝から落っこちてしまった。 「だいじょうぶー?」 心配そうな声。 大丈夫だと言いたいんだけど、彼の言葉はたぶん通じない。 どうしよう。 どうすればいいんだろう? いつもの2人が、こちらに頭を下げるのが見えた。 その様子を見て安心したのか、彼の仲間が次々と枝から、木々の間から、草むらの中から顔をのぞかせる。 「ほわー…」 今のうちに。 彼はあわてて、先ほどまでの枝の上に戻った。 /*/ 歌が聞こえる。力強い、でもとても優しい歌。 鳩は雲になり、そして流れだす。 今度は落ちないようにしっかりと枝につかまって、でもまた見とれてしまう。 見てるだけでおなかいっぱいになりそうな、それは数多の物語。 思いを歌に変化させて、歌は雲を動かしていく。 長かったような、一瞬のような歌が終わり、雲が普通に戻る頃には 隠れていたはずの彼の仲間も、みんな姿を現していた。 そして、2人が話し始める。 「あー。俺はあまりしゃべるのは得意じゃない」 彼らを見るときはあまりない笑顔。 「でもまあ、見知った顔にあえて嬉しい」 場にいる人もネコリスもみんな見渡して。 「いつかはもっといろんなやつを呼んでやり直してみたい。それまで無事であることを願う」 笑顔、笑顔。 「汝、ソウイチロー・黒崎、黒崎克耶を妻とし、共に生きて共に幸せとなることを誓いますか?」 「はい」 「汝、黒崎克耶、ソウイチロー・黒崎を夫とし、共に生きて共に幸せとなることを誓いますか?」 「はい!」 2人が、これまでにないほどかしこまった姿で返事をする。 「それでは、ここに、よけ藩国藩王の名と、一同の祝福の元に、二人の婚姻を認めます。  どうか拍手をもって祝福を」 人々が拍手をはじめる。 今こそこのお話のいちばん大切なとき。 彼らも一斉に、前足を叩きはじめた。 「ありがとうーありがとうーネコリスさんー」 人もネコリスも雲も森も、すべてが祝福する中で、誓いは行われるのだった。 /*/ 幸せなお話で、みんな心を満腹にした次は。 「では会食にうつりましょう。皆さん、どうか、おくつろぎください」 ケーキにお茶、これからはお腹を満腹にする番。 なにかいい匂いがする、と思っていたら 今にも倒れそうな様子で、彼らのごはんを大量に持ってきている人がいた。 「もう、ばたんきゅー」 あわてて彼は支えに走る、もちろんみんなといっしょに。 「ありがとう」 人間たちがあわてて駆けつけて、抱き上げてくれた。 「絶対たくさんくると思ってたんで」 汗だくになって目をまわしながら、それでも彼らのために重い荷物を運んでくれた人。 彼は仲間たちとうなづきあって、汗をふいてあげることにした。 その間、ごはんの準備をする、紅茶をいれる、看病する… いつしか人もネコリスもいっしょに動いていた。 落ち着いた後は、みんなでお茶を。 とびっきりの笑顔をお茶うけにしながら。 「ほんと、おめでとうございますー」 祝福の言葉が飛び交い。 「おつかれさま」 がんばった人を労り。 「ケーキ食べれるかしら??」 彼らにもケーキのおすそわけがあったり。 「わあ、ゆかりさん、座っていてください!」 「まあ、たぶん、今頃遠くで、倒れて寝てると思う」 がんばりすぎた人は休んで-。 「がく」 再び倒れた人を支えながら。 彼も、仲間達も、人間たちも。 みんなで、しあわせのひとときを、すごすのです。 ---- **作品への一言コメント 感想などをお寄せ下さい。(名前の入力は無しでも可能です) #comment(,disableurl) ---- ご発注元:黒崎克耶@海法よけ藩国様 http://cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/cbbs_om/cbbs.cgi?mode=one&namber=1185&type=1178&space=15&no= 製作:日向美弥@紅葉国 http://cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/ssc-board38/c-board.cgi?cmd=one;no=1533;id=UP_ita 引渡し日:2008/10/09 ---- |counter:|&counter()| |yesterday:|&counter(yesterday)|
**黒崎克耶@海法よけ藩国さんからのご依頼品 彼…雌雄がわからないため、便宜上「彼」としておこう…は 森の様子がいつもと違うことを感じていた。 とてもステキなお話の予感。 お話は、彼らが大好きなものだけど、その中でもとびっきりのものがあるような気がする。 彼は、お話の気配の方向に向かっていった。 最近よく出かけるあの家へ。 /*/ 彼らは、一度はこの森からいなくなっていった。 森が森でなくなってしまっていたとき。 悲しみのあまり、彼らはこの地から隠れてしまっていた。 でも、そんな中でも。 この家の人達は、必死で彼らに手を差し伸べようとした。 一度は、怖がってる彼の仲間に触れようとして失敗していたけど。 ただただ、汚れをふきたい、癒したいという言葉は、彼には伝わっていた。 怯えている彼の仲間には、その思いはまだ辛かっただけで。 そして、いま一度彼の近くに現れたとき。 多くの人達が2人と共に現れて、森のすべてを戻してくれた。 もう一度やりなおしたいとの思いが物語となって、森を埋め尽くしたのが見えた。 /*/ 森が戻って、彼らは少しずつ戻ってきていた。 この家の人達は気づいてなかったけれど。 そっと、そっと、様子をうかがいながら。 新しい森に新しいお話が生まれるのを見守るように。 そんなある夜。 この家の人達が2人で「にゃんにゃんちゅー」と言いながら、森に呼びかけてきた。 内1人は呼びかけがいろんな言葉だったけど。 ……行ってみてもいいかな? 仲間たちはまだ尻込みしていたけど、彼はそっと、2人の前に現れてみた。 そっと挨拶して、でもそのまま逃げてしまった。 人の前にでるのはまだためらわれたし、それ以上に恥ずかしかったし。 少しずつ、少しずつ。 やり直していける、そんな予感。 /*/ そして今日。 いつもの2人より、ちょっと多い数の人間がいる。 みんな、ちょっとどきどきわくわくの様子。 いつもの2人が、少し緊張している。 知り合いらしいのに、あらたまった挨拶をしあっていたり。 プレゼントかなこれは? あとお菓子や飲み物がテーブルに広げられていく。 ……うん、間違いない。 これはとびっきりのお話の前兆だ。 /*/ 「では、これよりソウイチロー・黒崎、黒崎克耶の結婚式を行います」 気がつけば、周囲には彼の仲間がいっぱいになっていた。 皆もお話の気配につられてきたらしい。 木々を揺らしてしまい、ばれたかな?とあわてたけど、誰も見えてないのが幸いした。 ……見えてそうな人が一人いるかも。 その人は、風からレース布を取り出してきた。 「おめでとう」 の言葉と共にレースを鳩に変えて…とってもきれい…… ずるり(ぼてっ) 彼はうっかり、枝から落っこちてしまった。 「だいじょうぶー?」 心配そうな声。 大丈夫だと言いたいんだけど、彼の言葉はたぶん通じない。 どうしよう。 どうすればいいんだろう? いつもの2人が、こちらに頭を下げるのが見えた。 その様子を見て安心したのか、彼の仲間が次々と枝から、木々の間から、草むらの中から顔をのぞかせる。 「ほわー…」 今のうちに。 彼はあわてて、先ほどまでの枝の上に戻った。 /*/ 歌が聞こえる。力強い、でもとても優しい歌。 鳩は雲になり、そして流れだす。 今度は落ちないようにしっかりと枝につかまって、でもまた見とれてしまう。 見てるだけでおなかいっぱいになりそうな、それは数多の物語。 思いを歌に変化させて、歌は雲を動かしていく。 長かったような、一瞬のような歌が終わり、雲が普通に戻る頃には 隠れていたはずの彼の仲間も、みんな姿を現していた。 そして、2人が話し始める。 「あー。俺はあまりしゃべるのは得意じゃない」 彼らを見るときはあまりない笑顔。 「でもまあ、見知った顔にあえて嬉しい」 場にいる人もネコリスもみんな見渡して。 「いつかはもっといろんなやつを呼んでやり直してみたい。それまで無事であることを願う」 笑顔、笑顔。 「汝、ソウイチロー・黒崎、黒崎克耶を妻とし、共に生きて共に幸せとなることを誓いますか?」 「はい」 「汝、黒崎克耶、ソウイチロー・黒崎を夫とし、共に生きて共に幸せとなることを誓いますか?」 「はい!」 2人が、これまでにないほどかしこまった姿で返事をする。 「それでは、ここに、よけ藩国藩王の名と、一同の祝福の元に、二人の婚姻を認めます。  どうか拍手をもって祝福を」 人々が拍手をはじめる。 今こそこのお話のいちばん大切なとき。 彼らも一斉に、前足を叩きはじめた。 「ありがとうーありがとうーネコリスさんー」 人もネコリスも雲も森も、すべてが祝福する中で、誓いは行われるのだった。 /*/ 幸せなお話で、みんな心を満腹にした次は。 「では会食にうつりましょう。皆さん、どうか、おくつろぎください」 ケーキにお茶、これからはお腹を満腹にする番。 なにかいい匂いがする、と思っていたら 今にも倒れそうな様子で、彼らのごはんを大量に持ってきている人がいた。 「もう、ばたんきゅー」 あわてて彼は支えに走る、もちろんみんなといっしょに。 「ありがとう」 人間たちがあわてて駆けつけて、抱き上げてくれた。 「絶対たくさんくると思ってたんで」 汗だくになって目をまわしながら、それでも彼らのために重い荷物を運んでくれた人。 彼は仲間たちとうなづきあって、汗をふいてあげることにした。 その間、ごはんの準備をする、紅茶をいれる、看病する… いつしか人もネコリスもいっしょに動いていた。 落ち着いた後は、みんなでお茶を。 とびっきりの笑顔をお茶うけにしながら。 「ほんと、おめでとうございますー」 祝福の言葉が飛び交い。 「おつかれさま」 がんばった人を労り。 「ケーキ食べれるかしら??」 彼らにもケーキのおすそわけがあったり。 「わあ、ゆかりさん、座っていてください!」 「まあ、たぶん、今頃遠くで、倒れて寝てると思う」 がんばりすぎた人は休んで-。 「がく」 再び倒れた人を支えながら。 彼も、仲間達も、人間たちも。 みんなで、しあわせのひとときを、すごすのです。 ---- **作品への一言コメント 感想などをお寄せ下さい。(名前の入力は無しでも可能です) - うふふふふ(*ノ∀ノ)ありがとうございましたーネコリス萌えー!!もきゃー! -- 黒崎克耶@海法よけ藩国 (2008-10-30 04:55:08) #comment(,disableurl) ---- ご発注元:黒崎克耶@海法よけ藩国様 http://cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/cbbs_om/cbbs.cgi?mode=one&namber=1185&type=1178&space=15&no= 製作:日向美弥@紅葉国 http://cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/ssc-board38/c-board.cgi?cmd=one;no=1533;id=UP_ita 引渡し日:2008/10/09 ---- |counter:|&counter()| |yesterday:|&counter(yesterday)|

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