イベント90 未使用SS&イラスト


お宝探し
E90 マジックアイテム探し…。
既に、先行した各国は様々なマジックアイテムをgetして来ていた。
少し出遅れた感がある中、また1つの国の部隊がお宝探しに挑もうとしていた。

「冒険、冒険♪」
「探検、探検♪」
「お宝、お宝♪」
鼻歌を歌いながら地下遺跡をすすむ一行がいる。
不精髭にメガネの男、くろがね=サイボーグ偵察歩兵。
無表情にメガネの男、けけ=サイボーグ偵察歩兵。
金髪に染めた髪にバンダナ巻いてる男、sakaki=サイボーグ偵察歩兵吏族。
赤いマフラーも鮮やかに、猫耳ぴくぴくの男、じんべえ=名パイロット猫妖精。
青色のツナギを制服に煙草を燻らせる男、うさぎ=名整備士吏族。
そして…
カボチャの被り物で怪しさ大爆発の女、シュウマイ=サイボーグ偵察歩兵法官。
ナニワアームズ商藩国からの冒険部隊である。

くろがね「今回はI=Dなしでの偵察だ。俺たち偵・察・兵・の出番だゼ!」
くろがね、出番が回って嬉しそう。ちょー嬉しそう。
シュウマイ「藩王さまばかりに良いカッコはさせませんからねぇ。」
sakaki「あの人の偵察能力は異常だよ…。」
ナニワアームズ商藩国の王、サターンは出る戦場、出る戦場で敵と遭遇する事で有名であった。
おかげで何度も死にかけて、国民を冷や冷やさせている。
けけ「………。(ぼへぇ~)」
眠たげな目で前を見ていたけけ。ふと立ち止まる。
うさぎ「うん?どうした?」
けけが口の前に指を立てる。しーっと言ってるようだ。
指をさす。

遠く、暗がりに浮かび上がる怪しげな影、影、影…。
けけ「…敵かな?」
いつも通り無表情なままけけが呟く。しかし、瞳だけが力強く警戒している。
シュウマイ「(猫の直感ー、敵意は?)」
小声でぼそぼそと喋る。敵に気づかれないようには偵察兵としての最低条件である。
その為の訓練は欠かしていない。
じんべえ「(これがゲームなら専用BGM流れだしてるね。)」
くろがね「(ま、ここは俺たちに任せな。偵察、行くぞ。)」
偵察メットの遠距離偵察用スコープで距離を測りつつ、ゴーグルで赤外線を感知開始。
くろがねを筆頭に偵察が開始される。

(文:猫屋敷 兄猫)



登降・懸垂下降
「深いな……」
 詩歌藩国ダンジョン。慣れない極寒の地でありながらもお隣さんである愛鳴藩国チームを救出にやってきたナニワアームズ商藩国ダンジョン踏破部隊は地下数百メートルにもおよぶ縦穴に挑戦しようとしていた。
「暗視モードにて地下100mまで確認。さらに深く続いている。こりゃ相当深いな」
「なに、うちの藩国より深いってことはないと思うよ」
 指揮官として抜擢された自称あんまり働いてない摂政のくろがねの言葉に縦穴降下作戦に抜擢足されたサイボーグ部隊の面々が笑みを浮かべる。
 普段地下4000mくらいのところで軍事演習やら怪獣退治やらを日常的にやっている彼らにとって、数百メートル程度地下に降りるくらいは大したことはなかった。

「じゃ、降下準備完了次第降下開始。先頭は……シュウマイさんよろしく」
「了解でーす」
 部隊の紅一点、シュウマイがフルフェイスのカボチャメットに仕込まれたライトをちかちか点滅させながら明るく答えた。

(絵:シュウマイ)


「ふははー、逆さカボチャの恐怖。ライトちかちかー」
「いや、なんで逆さ吊りになってるの?」
「個性的だから!」
「冗談はいいから。早く体勢元に戻す」
「うん。カボチャが重くて起き上がれません。助けて」

 なんとか全員で協力してシュウマイを引き上げた時にはすでに15分が経過していた……。

「うう、すいません……」
「……とりあえず今度はちゃんとザイルで体固定してから降りるように」


「えーと、装備再確認……。ザイル、ちゃんとつないだー、切れないようにダブルロープで。斜め張りできそうなら60度で張る、と。他のものは……グローブよーし。ひじ当て膝あても問題なし……危なくなったらサイボーグパワーで突っ張ってー、それでもダメならパラシュート使う」
「救助用装備は?」
「持ってまーす。簡単な医療道具と携帯食と水。その他もろもろも準備OK!」
「ならばよし! 降下開始してー」
「はーい」

 縦穴の壁に足をつけてゆっくりとロープ伝いに下りていくシュウマイ。
危なっかしかった先ほどと違い、その動きは訓練されたもののそれである。やっとサイボーグ脳が動作のロード始めたのか、と降りてゆくパンプキンヘッドを見つめながらくろがねは思った。
「よし、こちらも続いて降下開始だ。新人に遅れをとるなよ!」
「というか、シュウマイさん根性あるよねー。暗い中の垂直降下って結構つらいのに」
「……シュウマイさんは藩国のシャフトを降下したことがない」

 宝を探して地下4000mのシャフトを降ったことのある面々はそっと涙を流した。

(文:サターン)

(絵:乃亜Ⅰ型)



戦闘
敵の発見と同時に白兵戦が開始される。
超接近しての殴り合いである。

シュウマイ「いくぞー、先手必勝ー!」
掛け声も勇ましく、白兵用の武器を装着するシュウマイ。
チュィン、チュィィィィィィン!
ナニワと言えばドリル。ドリルと言えばナニワ。
藩国の特産品でもあり、nice武器のドリルが唸りを上げる。
パンプキン・メットを被りドリルの音を響かせてシュウマイが突撃する。
どっちが悪魔だかわかんないくらいホラーな光景が繰り広げられる。

くろがね「乃亜は…いないんだったか。よし、今回の相棒はお前だ。いくぜ!」
こくりと頷くけけ。合図と共に駆け出す。
くろがね、バックステップで距離をとった後、
錐揉み回転しながらの飛び蹴り、ドリルキックで突っ込んで注意を集める。
陽動である。
そのすきに急接近したけけ。
腰溜めに溜めた腕からバーニアを噴かせパンチ!
加速した拳がヒット!
サイボーグの身体ゆえ可能な機械の推進力を利用した拳撃である。
吹き飛ばされていく相手を見つめるけけの瞳が妖しく揺れた。

猫の身のこなしか? 天性の身軽さか?
壁を蹴り、飛びかかる猫妖精で名パイロットのじんべえ。
腕の腹と腹を交差させると服の袖から長い鉤爪が飛び出す。
腕に装置した手甲が作動したのだ。
そのまま×の字を描くように腕を振るう。

ザザシュゥゥゥッ!!

鋭い爪が相手を切り裂く。何本もの傷跡を相手の身体に刻み込む。
着地するじんべえ。
振り向き、鋼鉄の爪を相手に突きつけ睨み付ける。
大きく見開かれた瞳が、まさに猫のように暗闇で輝いた。

sakaki「やっぱ、使い慣れたコイツで行くかぁ?」
元名整備士のsakaki、背負っていた巨大なスパナを取り出す。
(絵:イズナ)

sakaki「解体されたくねぇ奴は近づいてくんじゃねぇぞー!」
力技でブンブカ振り回す。
ゴシャァッ!とかメメタァッ!とか鈍い音が響き渡る…。

それを少し離れた所から見ている男。戦闘行動が不能の名整備士、うさぎである。
ふ~っと煙草を吹かしながら生暖かい視線を向けている。
うさぎ「やだねぇ…元相方が野蛮になってく様を見るってのは。」
その割には口元がほころんでいる。ニヤニヤしながら傍観を決め込んでいる。

(文:猫屋敷 兄猫)



回避
偵察兵にあるまじき失態。敵に発見されてしまった。

けけ『…捕捉された…。』
いつもはぼ~っとしてるけけが眉を寄せて呟く。
くろがね『ちぃ…戦いの主導権を握られたか?』
けけ『…やばいね…。』
敵は一直線にこちらに近づいてきている。
脳内でWARNING・WARNING…と警報が鳴っている気がする。
距離が縮まり、そして…敵からの攻撃が開始された。

空を裂いて敵の攻撃が襲い掛かる。
間一髪。
すぐ脇を通り過ぎる攻撃に背筋が凍る思いのする部隊員。当たっていれば当然、ただでは済まない。
じんべえ『………!(ブチッ)』
敵からの攻撃に逃げ回っていた猫妖精、じんべえがキレた。
振り向いて反撃に行こうと足を止める。ジャキッ!と腕につけた手甲から鉄の爪を構える。
sakaki『危ないっ!』
ドンッ!と仲間に突き飛ばされたじんべえ。直後に起こる爆発音。
さっきまでじんべえが立っていた所に敵の攻撃が着弾したのだ。


うさぎ『やっべぇ、あぶねぇ、洒落にならねぇ!!』
その様を見て、整備士の青いツナギ服のように真っ青な顔になりながら逃げ回るうさぎ。
シュウマイ『…うっとぉしいな~、ああ、もう!』
敵からの攻撃に隣を走っていた偵察歩兵、シュウマイがキレた。
振り向いて反撃しようと足を止め…ようとした所をうさぎ、シュウマイをカボチャメットごと小脇に抱えて走り出す。
整備士にあるまじき力…火事場のくそ力かも知れない。
うさぎ『お・め・ぇ・は…さっきの見てねぇのかよぉぉぉ!』
怒鳴りつけるが見捨てはしない。
仲間と共に歯を食いしばって駆ける。
(絵:シュウマイ)

くろがね『足を止めるな!動け、動けーっ!』
自らも駆け回りながら、敵からの攻撃の射線を外す。避けて避けて避けまくる。
けけ『…隠れる…。』
けけ、遮蔽物になりそうな所を探し出し、飛び込む。
くろがね『皆、姿を隠せーっ!』
指示を出してけけの元に飛び込む。
全員が敵から見えなくなったのか?敵からの攻撃がやんだ。
壁を回り、登り、こっそりと敵の姿を、位置を確認する。
さぁ、今度こそ、偵察兵の力を見せるのだ。奇襲による反撃…その機会を窺うのである。

(文:猫屋敷 兄猫)



鍵開け
マジックアイテムgetへの最後の難関が現れる。
一同「「「「ついに、お宝や~♪」」」」
目をキラキラさせて目の前の、もうすぐそこのお宝を見つめる一同。
うさぎ「さて、ここで俺の出番かな?」
名整備士であるうさぎが名乗りをあげる。
戦闘では出番がなくても、名整備士の売りはその「器用さ」だ。
指をぽきぽき鳴らして準備運動。整備服のポケットから万能工具を取り出す。
キュルルルルッと回転させる様が無駄にカッコよい。
(絵:守上藤丸)

-数分経過-

くろがね「おおっと、テレポーター!てのはナシだゼ?」
けけ「…石の中…。」
シュウマイ「キャ、キャンプはらなきゃ!」
まだ見ぬお宝を前に、好き勝手言ってるギャラリーの皆さん。
なんだかんだ言って、全員期待の眼差しである。
うさぎ「…テメェら…。(青筋ぴくぴく)」
慎重に慎重にトラップ解除に集中していると言うのに…
ギリィッ!と食いしばる歯の音が聞こえてきそうだ。

うさぎ「…なぁ、コレ解体してもいいか?」
暗い表情で呟くうさぎ。どす黒いオーラが出てるかも知れない。
腰のベルトに挿したハンマーに手が伸びる。大きく振りかぶってぇ…
一同「「「ちょちょ、ちょと待ったー!」」」
皆、大慌てでうさぎを取り押さえる。
うさぎ「冗談だよ。冗談。(チッ…)」
皆、じと目でうさぎを見つめる…と言うか監視している。
カチリッ…
うさぎ「ありゃ?開いた。」
遂にやって来た。待ちに待った瞬間が!
一同「「「「「お宝や~!」」」」」

(文:猫屋敷 兄猫)



未使用イラスト
(絵:イズナ)
(絵:シュウマイ)



番外編:パンプキン6
敵からの攻撃が一同を襲う。
うさぎ「うぉわぁっ!?」
シュウマイ「やばいーっ!」
sakaki「え~い、避けろ避けろ!」
必死で回避している一同の周りに爆炎と爆風が舞う。
くろがね「…あ、マジやば…。」

チュドーーーーーン!!!

ひときわ大きな爆発が巻き起こる。
もうもうと舞う粉塵、土煙。

風が…吹いた。

塵を、煙を、吹き払うように。

薄れゆく煙の向こうより現れたるは…異形の姿。
カボチャの被り物を被った6人の戦士たち。

くろがね「こんな事もあろうかとーーーっ!」
シュウマイ「ナニワの技術の結晶、パンプキンメット。」
じんべえ「簡単装着!」
sakaki「軽くて丈夫な装甲仕立て。」
けけ「…破片防御つき…。」
うさぎ「やれやれ、俺も言わなきゃダメか?アレ。」

説明しよう。

パンプキン・メットとはナニワの最新鋭機器の詰まったヘルメットである。
暗視用のライト装備のフルフェイスメット。
普段は潰した紙風船みたいにコンパクトに収納してあるが、広げて被ればあら不思議。
その流線型のラインは攻撃を受け流し、装甲の厚さもそれなりにある。
戦士シュウマイが好んで使う事でも有名なのであ~る。

6体のカボチャの悪魔、互いにアイコンタクト。
皆、グッと親指を立ててポーズを取る。

一同「「「「「「パンプキ~ン、6(シックス)!!」」」」」」
(絵:イズナ)

チュドドーーーーン!!!

再度、巻き起こる爆発。
敵からの攻撃である。当然だ。こんな時にカッコつけてる方が悪い。

一同「「「のわぁ~!?」」」
ほうほうの体で逃げ回るカボチャの悪魔×6。
しかし、頭を守るのは大事である。
下手すれば即死であるからだ。
ふざけた外見の割に仕事はちゃんとこなしているのであった。

(文:猫屋敷 兄猫)
最終更新:2007年06月30日 21:35