灰色猫の爪騎士団





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「えらいっ! えらいぞ! フェイアカッツ!」

盛大に抱きつかれながら がしがしと毛並みをかき混ぜられて、
体長2mの巨大灰色猫は、目つきの悪い金色の瞳でゆっくりと瞬きしながら
不本意そうに(あるいは眠たげに) ぶみーと鳴く。

巨大猫のもさもさした襟首に頬ずりしながら、乃亜・C・Oは上機嫌だった。

「やはり誰が見てもお前は可愛らしいのだなっ。それもNW屈指の可愛らしさだぞ!」

   (側で聞いていた数名が微妙な顔をして虚空に目を彷徨わせた気がしたが、たぶん気のせいだろう)

「・・・しかし、すると、あまりの可愛さに連れて行かれたりしたらどうしよう・・」

   (ないない、ありえない、とやはり数名が首を振った気がしたが、これもたぶん気のせいだろう)

「今度、迷子にならない用の首輪を作って贈るからな。 あまり嫌がらずにつけるのだぞ?」

   (あれは自分用だったんかー!とか突っ込まれた気もするが、きっと気のせい)

心配そうに言われた言葉が判っているのかいないのか、
抱きつかれた巨大灰色猫の方は、それは礼ではなく罰ゲームだとでも云いたげに、はふ、と小さな溜め息をつく。


「お。そろそろ程好く冷める頃合か・・?
 よし、名誉副団長。みんなにご飯だと呼んでくるのだー。 (猫用)とうきびポテッジュを多めに盛るぞ」

一頻り耳の後ろを撫でられながら、それはどの辺が名誉なんだ?と、もふもふした尻尾を一振りする。

「お前たちの何より一番重要なお仕事は、誰かの側でのんびりごろごろお昼寝する事だと、早くNWもそんな風になれば良いのだがな」

だったら今すぐにでも、この猫使いの荒さを考え直した方が良い、と
神妙な顔つきで一声、ぶなーごと鳴いてみたが。

王猫さまをお護りし、この地(※ナニワ)を昼寝の楽土とするためには、不躾にこの地を踏み荒らす乱がわしい不届き者とは戦わねばなるまい。
だと云うのに、この者ときたらてんで弱いのだ。
自分がいなければ餌も獲れぬのではないかと、まったく嘆かわしく思う。


 ・・・まあ、

鼻先を掠める、ふんわりとしたチーズとコーンの香りを嗅ぎながら思い直す。

ほんのり温くくて甘い、とろりとした黄色いスープはそう悪くない。
もう少しこの者が景気良く鶏か魚の肉を入れるなら、なお良いのだが。



仕方あるまい。
昼寝の楽土を現実のものとするため、爪は磨いておいてやるかと、大きな猫はのそりと起き上がった。























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最終更新:2014年04月20日 22:47