空が見える一日(朝)
朝、閉ざされたカーテンの隙間から射し込む陽光が蘭堂の顔を照らす。
眩しげに1回、2回寝返りを打った後、目を覚ます。
「あー、眩しい。あれ?なんか暖かいな。日光・・か?」
キョロキョロと室内と自分の体を見返す。
うん、トイレと風呂と安さが自慢の安アパートの一室に頭にはターバン。
ここは間違い無くナニワアームズだ。
・・・?なんで地下に日光が??
と寝ぼけた頭で首を傾げていると携帯電話が鳴り響く。
「はいはい。こちら蘭堂 風光ですよ。」
『あ、蘭堂さん?守上だけど』
「お、守上摂政か。おはよう。珍しいね、どうしたん?」
『衝撃の事実!ちょっと、外を見てみて』
「外を見れば良いの?」と話ながら窓に近づく
カーテンと窓に手を伸ばし、開いたその先には・・
いつもの見慣れたナニワの天井と
そこにぽっかり穿たれた大穴と
透き通るような青空が
眼前一杯に広がっているのであった。
あんぐりと口を開けて呆けたように空を眺める蘭堂。
砂漠特有のひんやりとした澄んだ風が頬を撫でてゆく・・。
『蛇神様が天井ぶち抜いて降りて・・・・』
『・・・盆踊り大会・・・・』
『・・暮里が・・をやっつけ・・・』
『もしもーし。聞いてますかあ?』
トイレと風呂と破格の安さが自慢の我が安アパートの一室は、
一夜にして絶景のビューポイントにクラスチェンジしていたのであった。
流石アイドレス。想定外だ!!
最終更新:2009年05月15日 22:29