文族の春 (提出予定 準備中)


未使用SS集   1500299:猫屋敷兄猫@ナニワアームズ商藩国



○第5話○

 兄猫:「はぁ、はぁ、はぁ…。」
息を切らしながら路地を駆ける男。全速DASH中である。
ちろりっと後ろを振り返る。その目に異様な光景が映る。
空を飛ぶ4人の美女の姿。
彼女たちの背中には巨大な蝙蝠の翼が生えていた。
その内の1人がなにか叫んでいる。遠目に見ても怒っているのがわかる。
 壁|;@Д@)))ガクガクブルブル
路地の壁に身を隠し震える。
 兄猫:「やばいやばいやばばばば…どうすんべぇ?」

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藩国クライシス戦記ナニ――∑(@曲@;)――ワ
第5話 『悪いことはやっちゃいけません!天誅っ!天誅っ!』
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~少~し時間は戻る~

路地をぶ~らぶらと歩いている男…ナニワの強化新型ホープ、猫屋敷兄猫である。
 兄猫:「(つ~ぎは誰に飲んで貰おっかなぁ~?)」
げっげっげwと思わず邪な笑いが漏れてきそうになるのを堪えながらキョロキョロと辺りを見回す。
 兄猫:「ん?あれは…ジンジャーさんかな?あ、4美女勢ぞろいとはw」
兄猫の視線の先には4人の美女の姿が。

(イラストイメージ/イベント番外編 ボツ絵・ボツ文、買いますより再利用)
(絵:イズナ)

 ・特徴的なバイザー付きヘルメットを被った名パイロットのジンジャー。
 ・頭にバンダナ巻いて煙草を吹かす名整備士の葵。
 ・髪を後ろで1つに束ねた整備士の桜花。
 ・エキゾチックな衣装の観光ガイド、ダーリア。
どうやら4人はウィンドウショッピング中のようである。
 ( ̄ー ̄)。o(決~めた♪あの子達にしよう)
邪な笑いを浮かべて4美女へと兄猫が近づいて行く。

 兄猫:「やぅやぅ、そこのキレイなお姉さん。」
爽やか?に女性に声をかける兄猫。
 葵:「…ナンパならお断りだよ。」
見た目通りcoolに拒絶するバンダナ娘の葵。
 (; ̄∀ ̄)
笑顔が引き攣る兄猫。まぁ、どう見てもナンパでした。本当にありがとうござい(略
 ジンジャー:「…あれ?もしかして兄猫さん?」
おお、知っててくれた。にぱーっとまた笑顔が輝き始める。
 桜花:「アラ?この人、お知り合いですか?」
 ジンジャー:「うん。パイロット仲間には有名だよぅ、”変人”だって。」
 ダーリア:「えぇーっ!?”変態”さんで有名なんですかーっ?」
 |||orz ガクーッ
文字通り両手を地について沈み込む…。持ち上げて落とすなんて…それなんてコント?
 葵:「で?その有名な”変態”さんがなんの御用だぃ?」
………
……

 プツ――(# ̄皿 ̄)~――ン♪

○我はこれよりM*より始まるゲームの目的を記述する…
 M*おんにゃの子に例の薬を飲ませる。難易度5。提出条件は交渉に関するもの。

<成功要素>
 【顔・外見:   】1
 【言葉遣い:   】1
 【体格:   】1
 【能力・技能:   】1
 【持ち物:   】1

○ブランクを埋めて成功要素を提出せよ。

 前提変換
~兄猫の着用アイドレスは…『西国人+名パイロット+ホープ+強化新型ホープ』である。
~兄猫はジンジャーさんと同じ名パイロットである。ジンジャーさんは兄猫の戦時の活躍?とか姿を知っている。
~以前までのお話より、怪しいお薬はいろんな物に混ぜて携行してます。どんなシチュエーションにも対応。
 成功要素提出
~【顔・外見:営業スマイル】作り笑顔は得意です。爽やか?な笑顔~
~【言葉遣い:小心者】初見の女の子には丁寧に扱いますです、はい。
~【体格:170cm弱の背】威圧感や見下し感は与えない身長です。
~【能力・技能:不屈ノ闘志】凹んでたら交渉できません
~【持ち物:グミにした怪しいお薬】最近は美容にも良いグミがあるらしいので
 一時的成功要素
~さっきの会話でジンジャーさんは兄猫の事を知っていた。

 ( ̄Д ̄) ………。
思わず脳内で現実逃避しそうになる兄猫。
とりあえず気を持ち直して、再度交渉を開始する。
 兄猫:「いやいやあのデスね、”食べる美容液”ってご存知?」
ごそごそとカバンから瓶を取り出す。クリスタルピラー風の瓶には丸っこいのが入っている。
 ダーリア:「食べる美容液~?」
 兄猫:「うんうん。Gスライムと美容液をグミ風味にしまして~いろんな味を付けてみたとデスよ♪」
 葵:「へぇ~。なかなか器用だね、アンタ。」
コラーゲンたっぷりであります、良かったらどぞ~♪と1つずつ渡す兄猫。
 ジンジャー:「おはっ。なんかプニプニしてるw」
指でつまんで遊んでいたジンジャー。パクッと口に放り込む。
 ジンジャー:「う~んと…りんご味?」
 桜花:「こちらはぶどう味ですか?」
 ( ̄∀ ̄)。o(うんうん、いろんなの用意してて良かったデスねぃ。備えあれば何とやら~)
 兄猫:「商品化したらまたヨロシク~でありますよ。んでは~。」
ミッションコンプリート!と内心で (>∀<)b グッと親指を立てつつ4美女から離れる。

そして、少し離れた路地の影から4美女を見る兄猫。
さ~てどうなるかな~?げっげっげwと邪な笑いが漏れそうになった次の瞬間…
 ピキ――~(@"@)~――ン
突然、危機察知能力が発動!イカナシチューで感覚12の能力値が危険を告げている。
数秒先を未来予測
…逃げる自分…追ってくる何か…空を飛ぶ影…暗転…赤い何か…
なんだコレ?と思っている兄猫の見ている前で女の子達が震え出した。
そして………翼が生えた。
 兄猫:「いぃぃぃぃいいいっ!?」
驚愕に目を見開く兄猫の耳に4美女の悲鳴が聞こえた。

~時間は最初に戻る~

 ダーリア:「はやや?」
 桜花:「…は、羽が生えちゃいました!!」
 ジンジャー:「アタシ達、空、飛んでる~?」
 葵:「………。(こめかみを抑えている)」
4美女はバッサバッサと宙に浮き何事か話し込んでいる。
なんでこんな事に~?とか、服の背中に穴あいちゃいましたの~とかキャイキャイと言い合っている中…
 葵:「…あの男の仕業だ。」
低く呟く葵。どう見ても怒っている。
 葵:「探すぞっ!この落とし前、つけさせてやる!!」
あまりの迫力にジンジャー他の美女達、ピシッと背筋を伸ばし返礼する。

 壁|;@Д@))))ガタガタブルブル
路地の壁からこそ~りと覗き見ていた兄猫。
ヤヴァイ…葵さん、かなり怒ってる?なんか殺意の波動とか出てませんか?アレ。
すったかたー!と路地を駆け、逃げ出す兄猫。

○蝙蝠っぽい翼・・・効果=地形効果無視で移動・飛行能力付与・敏捷能力上昇

逃げ切ったかに見えた兄猫、その頭上から声が響く…
 ジンジャー:「兄猫さん、見~つけた。みんなこっちこっち~。」
 ヽ(@A@;三;@Д@)ノ そ、そっこう見つかった!?
流石は偵察の国の名パイロット。あっと言う間に発見されてしまった。

縄でぐるぐるに縛られた兄猫、路上に正座の図である。
ソレを4美女がとり囲むように見下ろしている。
 葵:「とりあえず聞いておいてやる…辞世の句は?」
怒り心頭の葵、腕を組んで虫を見るように見下ろしている。
 ダーリア:「や~ん。葵ちゃん、こわ~い。」
 ジンジャー:「こわ~いw(笑)」
ダーリアとジンジャーは楽しそうに笑っている。
 桜花:「あの~、元に戻す方法は無いんですか?」
桜花が覗き込むように聞いてきた。
 兄猫:「…あ、あははは…元に戻す方法…知らない…。」
ヒョォォォォォッ…。
路地に一陣の風が吹いた。
葵、吹かしていたタバコを指で弾いて捨てた。
ニッコリ笑った。
 兄猫:「…え?」
 (///ω///) ポッv
兄猫、不覚にも一瞬見惚れる。今までのピリピリした雰囲気を忘れる。
    メコッ!!!
 兄猫に…拳がめり込んだ。
 兄猫の…眼鏡が吹っ飛んだ。
 兄猫は…鼻血を噴いた。
彼は意識が飛ぶ瞬間、暗転する視界に映る自分の鼻血を見て、やっとさっきの未来予測を理解した。
 ダーリア:「わぁ~…フルボッコタ~イム?」
 桜花:「ああ、タバコのポイ捨てはダメですよ。葵さ~ん。」

*****************

葵による鉄拳制裁フルボッコの刑を受けた猫屋敷 兄猫…。
彼が次に目を覚ましたのはナニワ刑務所の中だったと言う。
自  業  自  得  である。
そして、怪しい薬の効果は時間の経過で消えた。
やっとナニワアームズ商藩国に平和が戻ったのである。

~一方その頃~

 ???:「ツイニ…ツイニ手ニ入レマシタゾ!」
ナニワの闇市に歓喜に震える声が木霊した。
 ???:「コレコソ最高ノ”ぷろてぃん”…筋肉ノ霊薬!!」
薬の入った瓶を天にかざし、恭しく掲げる。
 ???:「コノ秘薬ノ効果、ドナタカニ…見 セ タ イ ☆」

今、新たな藩国クライシスが生まれようとしていた…。


○番外編○

にゃんにゃん共和国は西国、ナニワアームズ商藩国には地上にも市街地がある。
空港やオアシスを結ぶ中継地であり、休憩所を兼ねた場所である。
その市街地を足早に移動する1人の女性の姿。
 女性:「ちょっと遅くなっちゃったな・・・。」
土産物屋で働いていた彼女は、後片付けと次の日の仕込みで帰宅が遅くなってしまったのである。
空には月が煌々と輝いていた。
 アオーーーーーン・・・
砂オオカミの遠吠えが遠くに聞こえる。
 女性:「ひっ!?だ、大丈夫・・・よね?」
高い壁に囲まれ、門もサイボーグ衛兵に守られていると言ってもやはり怖いものは怖い。
家まであと少し、駆け出そうとしたその時・・・
 ???:「ア~、チョットソコノオ嬢サン?」
ふいに呼び止められ、振り返った彼女の表情が凍りつく。
そして次の瞬間、
 女性:「ぴぎゃぁぁぁあああああっ!!」
月夜の市街地に悲鳴が木霊した・・・。

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藩国クライシス戦記ナニ――∑(@曲@;)――ワ
番外編 『夜道の1人歩きは危険がいっぱい!?』
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~3日後~

藩国に、ある噂が広まっていた。
夜の交易路に怪人が現れる…というものだ。
被害者の数は3日間で10人以上。
被害の状況は男女問わず。
 被害者A:「うーん、うーん、テカテカがぁ…テカテカがぁ…」
 被害者B:「…ぴぎゃぁぁぁ!近づかないでっ!近づかないでぇぇぇっ!!」
皆が皆、うわ言を繰り返すだけである。よほどの恐怖体験をしたのであろう。

 じんべえ:「ふぅ~、な~んでオレらがこんな役に当たるかなぁ~?」
 出月:「まぁまぁ、愚痴らないで行きましょうよ。」
藩王の命で巡回警備をしているのは、じんべえと出月の2人である。
共に猫妖精のアイドレス着用者、夜戦能力を活かして夜の見回りを命じられたのである。
 出月:「さて、今夜も現れるのか?怪人は。」
出月がそう呟き眼鏡に手をかけた時…

 ???:「ひぃぃぃええええええっ!?」

闇夜を切り裂いて悲鳴が響き渡った。
   ∑(◇ω◇)∑(@ω@)ぴくぴくーん!
猫妖精の耳が俊敏に反応。
 じんべえ:「声の方向は………あっちか?」
 出月:「ショートカットしましょうか、…よっと。」
軽くジャンプして壁に登る2人。屋根を伝って一直線に声の元へと向かう。

 じんべえ:「………見つけた。」
倒れた人のそばに怪しい人影発見。猫の瞳が獲物を狙うかのようにすぼまる。
 出月:「もう逃げられはしないぞ、怪人。」
着地と同時に眼鏡をキラリッと光らせる出月。
 ???:「オ~、ドウシマシタカ?オ2人サ~ン。」
   ∑(◇A◇)∑(@A@)
怪人と接触した2人の目が点になる。
暗い路地から聞こえる声は知った仲間、藩国の名整備士ホードーだったからだ。
 出月:「え?なんでホードーさんがこんな所…に?」
暗い路地に月の光が射した。
月光に照らされたホードーの姿を見た2人は息を飲んだ。
そして…

 じんべえ・出月:「「どっしぇぇぇぇぇぇぇっ!!」」

夜の街にさらなる悲鳴が響いた。

 出月:「ななな、なんて格好してるんですか!?」
 じんべえ:「…犯罪だな…そりゃ。」
歴戦の勇者である2人はすんでの所で意識がもってかれるのを踏みとどまった。
目の前にいるホードーの姿は、

○装備品:ビキニパンツ
以上

である。

(イラストイメージ/すぺしゃるイベント 突然ですが、お見合いですより再利用)
(絵:乃亜Ⅰ型)

さらに身体中にオイルを塗っているらしく月明かりでテカテカ光っている。
想像してみてください。
夜の暗がりに背後から突然
 ホードー:「ワタシノ筋肉、見テクダサ~~~イッ!!」
なんて言われてテカテカの筋肉ダルマに迫られたら…誰だって恐怖を覚えるでしょう?

 じんべえ:「一体、なんでこんな事したんだよ?」
ため息まじりに問うじんべえ。出月も呆れかえった表情である。
 ホードー:「筋肉ノ素晴ラシサヲ皆サンニ伝エル為デ~ス。」
どうやら、黒オーマとのお見合いで筋肉談義がしたかったらしい。
しかし、選抜に敗れ参加できなかったため、藩国内で筋肉談義を始めたようである。
ただ問題は、”無差別”かつ”一方的”な筋肉談義であったことである。
 出月:「はぁ~、とりあえず確保…でいいんですかね?」
 じんべえ:「ま、詳しくはケーサツに行ってから聞こうか。」

~翌朝~

”ケーサツ”から夜通しこってりとお説教を受けたホードー。
日が昇り始める頃になってやっと解放された彼は疲れた顔で街を歩いていた。
 ホードー:「フム~ン、ドウシテ皆ワカッテクレナイノデショウ?」
筋肉…筋肉…呟く彼が突然顔を上げた。
 ホードー:「ソウデ~ス。1人ダカラ駄目ナノデ~ス。」
どうやら”数は力だ、アイドレス!”の言葉を思い出したらしい。
 ホードー:「筋肉仲間ガ見ツカラナケレバ…作レバ良イノデ~ス。」

なにか思いついた彼が、後日また災厄を起こす事になるのだが…それはまた別のお話。


○最終話○

今日も素晴らしい夜明けの朝が来た。
太陽とはあまり縁のない地下に位置するナニワアームズ商藩国。
その政治を司る庁舎に騒々しい足音が響く。
 ドタドタドタドタッ…バタンッ!
勢いよく扉が開き、藩王の執務室に男が転がり込んできた。
 サターン:「ん~?おや守上摂政、どないしたん?」
 守上藤丸:「…あ(ぜぇぜぇ)…兄…(ぜひぃぜひぃ)…。」
あまりに急いで来たせいか、守上の息は荒い。肩を上下している。
 サターン:「まぁまぁ、ちと落ち着きなさいな。」
すぅ~っと深呼吸を一呼吸、二呼吸させて落ち着くまで待つ藩王。
次の瞬間、彼は我が耳を疑う事になる。
 守上藤丸:「あ、兄猫さんが………脱獄しましたぁ!!」
 サターン:「な、なんだってーーーっ!?」

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藩国クライシス戦記ナニ――∑(@曲@;)――ワ
最終話 「THE 犯罪者 ~逃亡の果てに…~」
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~時間は少し戻る~

藩国地上部、国境付近を歩く1人と1匹の姿がある。
 兄猫:「そ~ろそろ、起床の時間デスねぇ。気づかれる頃かな?かな?」
 (^∀^)にっこにこwと微笑みながら歩くこの男。
いつもは底意地の悪い悪戯っ子な表情 →( ̄ー ̄) が、今日は随分やわらかい。
 シャムール:「まったく、脱走ニャんて…いい根性してるニャ。」
やれやれとため息をつくこの猫士はシャムールと言う。
猫屋敷兄猫と最も仲の良い猫士で、阿吽の呼吸と言うか…ツーカーの仲と言うか…まぁそんな関係である。
 兄猫:「いやいや、助かりましたよシャムール君。さすがは猫妖精さんw」
 シャムール:「面会に呼ばれたと思ったら…脱獄の協力させられるとは思わニャかったニャ。」
先日の”ドラッグ・パニック事件”の罪で暫く反省の投獄生活を送っていた兄猫。
面会にシャムール君を呼んだ時に2人だけにわかる暗号手話で会話していたのであった。
 ”夜 ・ エスケープ ・ お願い ・ 大事な用”
…たったこれだけの手話だったが、さすがツーカーの仲。ちゃんと理解してくれてた。
 兄猫:「いや~なかなか助けに来てくれないからやっぱ無理かな~?と不安だったなんて秘密デスよ。」
秘密だったら喋るなよ…と思いながらシャムールが答える。
 シャムール:「そりゃ脱獄の共犯者にニャるんだから悩むニャ。」
恨みがましげに”じと~っ”と上目使いで睨んでくるシャムール君。
 シャムール:「で、脱獄してまでしたい事ってニャんニャの?こんニャ山の中で。」
 兄猫:「うんうんそうだねぇ…見れば驚きますよぃ。そろそろ着くし~。」

ガサガサと藪を掻き分け、山の中を歩く1人と1匹。
しばらくすると、怪しい洞窟に着いた。
 兄猫:「この中デスよ~。」
洞窟の中に入り、しばらく歩くと広い空間に出る。
天井は吹き抜けで光も射してきてる。
 シャムール:「ここ…は…∑(;゚Д゚)ニャんだ、あれ!?」
広い空間の中には巨大な機械の塊があった。地面に置かれた照光機がソレを照らしている。
 兄猫:「やぁやぁ、所長(しょっちょ)さん。お疲れ様デ~スw」
兄猫が声を掛けると、機械の後ろから若い男が出てきた。
 ???:「やっと来たであるか…3日の遅刻であるぞ。」
 兄猫:「スイマセンねぇ、ちょっとゴタゴタしておりまして…。」
へこへこと頭を下げる兄猫。振り向くと機械を見て固まってるシャムールを呼んだ。
 兄猫:「所長さん、こちらシャムール君。シャムール君、こちらナスビ研究所の所長さん。」
 ナスビ所長:「挨拶はいい…で、すぐ行くのであるか?」
 兄猫:「そうですねぇ…出来れば急いだ方が良いかな?かな?」
 ナスビ所長:「よっし、わかったであ~る。ふっふっふ…見~て~ろぉ、カボチャめぇ~…。」
 兄猫:「ナスビさんの実力を見せていただきますよ~。」
あっはっはっはっはwと高笑いする2人。
その姿にシャムール君、遂にキレた。
 シャムール:「だ・か・ら…コレはニャんニャんだって聞いてるだろニャ!!」
兄猫の頭を猫手でわしっと掴み、強引に自分の方へ向かせ説明を求める。
 兄猫:「ん?転移装置(テレポーター)でありますよw」
  ( ◇ω◇) ………。
 ∑(;  Д)    ◇◇ スポーン
シャムール君の目が文字通り飛び出した。

 ???:「あ、あのあの…ちょっといいですか?(おどおど)」
機械の後ろから顔だけ出してこっちを見てた人が声をかけてきた。
キュウリ研究所のキューリ所長である。
いつも弱気…と言うか、おどおどびくびくしてる感じの子だが優秀な頭脳の人なのである。

 *ナニワアームズ「裏」設定*
 ナニワアームズ商藩国には、NPCが多く存在してはります。
 ダーリアや桜花、ジンジャー、葵と言った4大美女。
 ニガリ警部にビンワーン弁護士。
 藩王さまのご親戚の紫藤 晶佳さま。
 謎のコワデレ秘書、ペルシカ…。
 そして、”カボチャ・ナスビ・キュウリ”の3大研究所の所長ズ(外見=10代の若さ)が居てはります。

 兄猫:「ん?どしたの、キューリさん。」
 キューリ所長:「あ、あのあの…この山にお2人以外の来訪者の反応が…。(びくびく)」
監視カメラのモニターを見ると、山の登山口に軍用のトラックが停まっている。
 ナスビ所長:「うむん?あれは軍用のトラックではないか?」
 キューリ所長:「サ、サイボーグ歩兵が山に入ってます。(あわあわ)」
なにやったんであるか?お前。と言った感じに聞くナスビ所長に
 シャムール:「………脱獄。」
ため息まじりにシャムールが答える。
  ( @Д@)  ( '・Д・`) ………。
 ∑(;@Д@) ∑(;'・Д・`)
絶句する所長ズ。
 兄猫:「ありゃ~?思ったより早く気づかれましたねぇ?」
でもなんでこの場所が…( ̄へ ̄)ムムーッと唸る兄猫。
 シャムール:「あっ…。」
何かに気づいたシャムール君。
 シャムール:「僕の首輪…迷子対策用の発信機ついてるんだったニャ。」
 ( ̄_ ̄)(@_@)('・_・`) ………。
さらに兄猫も絶句する。
 ナスビ所長:「…い、急いで準備であるーっ!!実験の邪魔されてたまるかー!!」

~一方そのころ~

庁舎の直通のエレベーターを使い地上に現れたサターン藩王と守上摂政。
 サターン:「あ~こんな事なら”魔改造”さっさとしとくんだった~!!」
頭を抱えて悔しがる藩王さま。心の底から悔しそうである。
 守上藤丸:「え~と…あ、そうだ。藩王さまに手紙が残ってたんだ!」
執務室まで走ってきてる間に握り締めてくしゃくしゃになった紙を見せる。
 サターン:「そう言うのは早く見せてくれって…どれどれ?」

Dear サターン藩王さま
 (前略)
  伝説の眼鏡っ娘を探しに行きます。
                  猫屋敷 兄猫

サターン藩王、手紙を読んだ瞬間くしゃくしゃにしてポイッした。
URYYYYYHHHHH!!!と雄叫びをあげる仮面の機械化男爵サターン藩王。
 サターン:「フッハッハァw…ドリルを付けるのは基本として、下半身を戦車に…いや、むしろ全身ドリルもありか!?」
捕まえた後の事について物騒な事を考えてる藩王。声に漏れている。
守上藤丸、隣であははは…と引き攣った笑いを浮かべながら心の中で祈りを捧げた。
 守上藤丸:「ま、まぁ…向かった場所は特定。歩兵部隊も向かわせましたんですぐに確保出来ると思いますが…。」
わんわんの”犬妖精”や”追跡者”のアイドレスが必要にならなくて良かったと思う守上摂政。
その時、遠く件の山の方角から空へ向かって光の柱が伸びた。
 サターン:「うお!?なんだあれ?」
 守上藤丸:「まさか…リンクゲート?」

~場面もどって洞窟内~

洞窟に設置された機械から天井の穴を抜けて天空へと光の柱が伸びている。
 兄猫:「おお~♪実験成功でありますね~。」
 ナスビ所長:「いんや、まだである!」
 キューリ所長:「あ、あのあの…転送先に繋げないと。(あせあせ)」
2人の所長が恐ろしい勢いで端末を操作していく。指が残像を残す勢いである。
天空へと伸びていた光の柱が上空で幾つもに別れ地上へと降りていく。
 ナスビ所長:「これで接続完了…のはずである。」
 シャムール:「…はずって…ニャんだそれ?」
 兄猫:「今から実験の本番なんデスね。」
そう言って、転移装置の前に立つ兄猫。
 兄猫:「で~わ、お願いしますよっと。」
 ナスビ所長:「ん、任せるである。」
転移装置の転移室に入った兄猫を光が包み込む。
 キューリ所長:「え、えとえと…出力調整がこんな感じだから(ぐるぐる)」
兄猫の体が情報分解を始める。半透明になり青い光の玉になった。
青く輝く光の玉が高度を上げていく。
上げて…
上げて…
上げて…
(バツンッ!!と何か大きな音がした。)
光の玉がふっと消えた。光の柱もである。機械も止まった。

 シャムール:「…へっ?」
 (@Д@)('・Д・`)(◇Д◇)
口をぽかーんと開けたまま固まる2人の所長ズと猫士。
 シャムール:「えっと?どうニャったのかニャ?」
とてつもなく嫌な予感がする。妙に冷たい汗が出てきた。
転移装置を照らす照光機からも光が消え、洞窟内を重苦しい沈黙と薄暗い闇が包み込む。
 ナスビ所長:「………ブレーカーが落ちったっぽい?」
………
……

 ∑(◇A◇;三;◇皿◇)
 シャムール:「え?え?え?って事は兄猫の旦那は?」
 ナスビ所長:「消~えちまったであるな。はっはっはっはっはw」
ヤケになったかの如く高笑いするナスビ所長。
見るとキューリ所長はショック&パニックでぶっ倒れている。
 ナスビ所長:「もしかしたら国外へ飛んだかもであるなぁ。」
 シャムール:「えええええええええっ!?」
洞窟内に大絶叫が響き渡った。

はたして兄猫は何処へ消えたのか?
この転移装置は独自兵器に使えるのか?

謎と伏線を貼ったまま、一先ずお話はここまでなのであ~る。

(文:猫屋敷 兄猫)


最終更新:2007年12月07日 20:27
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