文族の春 (提出予定 準備中)


未使用SS集   1500738:真輝@ナニワアームズ商藩国


希望号防御

雪が降っていた。
雪と一緒に、弾丸やミサイルも降りそそいでいる。
冬の青森は戦場になった。
そして、ナニワが持てる技術を結集して作り上げた希望、RB希望号1号機もその戦場に居た。

現在にただ一機しか存在しえぬ、希望其の物たる機体は敵の激しい攻撃にさらされていた。
放たれる弾丸が、飛び来たるミサイルが、希望の化身を打ち砕こうと襲い掛かる。

だが、希望は簡単に砕けない。
パイロットはすでに絶対物理防壁を展開、未来予測と直感に従い回避を始めた。

(イラストイメージ/再利用イラスト:没絵買いますで使用)
(絵:イズナ)

ミサイルを剣鈴で切り払い、敵の射線から外れるように弾丸を回避し、回避しきれない分を防壁で防御する。
その様は、まるで舞踏のごとく軽やかで、その希望が潰える様を誰も想像出来なかった。

希望号はその名の通りに、皆の希望を背負う。

希望号は進撃を始める、夜明けを呼ぶ舞を踊りながら。
降りそそぐ死の象徴を振り払って。
その希望を呼び込むために、皆に夜明けを見せるために。


希望号攻撃

希望号が行く。
人々の希望を守るために。
その存在は守るための盾であり、切り裂くための剣だった。

ナニワが持てる技術を結集して作り上げた希望、RB希望号1号機。
あらゆる人々の希望を背負い、絶望を払うその機体の力を発揮する時が来たのだ。

「絶対物理防壁展開、未来予測開始。」

強化新型ホープの鍛えられた直感と、より精度を増した未来予測をもって攻撃を開始する。
敵の行動の先を読み、水中用から換装された魚雷、つまりミサイルがばら撒かれる。
同時に両手にホールドされた「I=Dサイベリアン用のアサルトライフル」が弾丸を吐き出し始めた。
地上、空中戦用の装備を碌に保有してない希望号は、強化された新型ホープのスキルに加え、その努力と根性をもって一回は大きいサイベリアンのアサルトライフルを使いこなしていた。

希望号からばら撒かれたミサイルは敵の行動を制限し追い込んでゆく。
放たれた弾丸は、その未来予測にしたがって敵を打ち砕く。

そして希望号は進撃する。
守るための盾こそが、その最大の攻撃力でもあるがゆえに。

希望号に乗るホープ(希望)。
二重の希望が夜明けを呼ぶ。

(文:真輝)


最終更新:2007年11月12日 01:20