イベント番外編


未使用SS集   1500299:猫屋敷兄猫@ナニワアームズ商藩国


イベントEX ロジャー奪還:回避
「ロジャーに会うまでは…死、ね、な、い~ん、だからぁ!」
結城由羅藩王、右に左にとステップを刻みながら跳ねる、跳ねる、跳ねる。
世界忍者の敏捷さと身軽さを活かした回避術である。
「とうっ!」
こちらはソーニャさん。壁を蹴ってムーンサルト。
惚れ惚れしそうな綺麗な軌跡を描いて着地する。
この緊急時にエミリオ、ちゃんと見てたかな?とか思ってるのは流石である。
「お~れだって、負けるかぁっ!」
氷野凍矢、気合をかけて吼えるとジャンプ!
壁を蹴って三角飛び。さらに天井を蹴って三角飛び。も1つ壁を蹴って三角飛び。
立体的なジグザグジャンプで敵に的を絞らせない動き。
足にかかる負担は凄まじいが、そこはそれ。
世界忍者として日頃から訓練しているのである。

「壁、壁、柱、柱。」
医師で整備士でテストパイロットの面々は必死の形相で逃げる。
上手く世界忍者のアイドレス着用者が囮になって引き付けてはいるが、狙われたら堪らない。
壁を盾に、柱を盾に、白衣をはためかせながら駆け抜ける。
ビリィッ!
壁にあった釘だか何だか突起物に引っかかって白衣が破けた。
「ノォウッ!わたしの白衣が!!」
「いいから、とにかく、とっとと、逃げろぉ!!」
半泣きになりながらも回避を続ける。逃げ続ける。
医師がケガして、誰がケガを治すのだ?それがわかっている。

「なんとか、みんな、隠れられた、かな~?」
川流鐘音が遠ざかる整備士をちらりと見てつぶやく。
「いつまで、こうやっ、おっと、避けてるん、ですか~?」
久堂尋軌が近づいてきた。
2人並んで回避する様は、まるで分身の術でもしているかのようだ。
まるでダンスを踊っているかのように体を入れ替え、回避を続ける。

反撃のチャンスはきっとある。
その為にも、無傷で生き延びねばならない。

(文:猫屋敷 兄猫)


  • 解説
 回避するような事態に、陥らずにすみました。



イベントEX ロジャー奪還:戦闘前
「あれが…ロジャーをここに閉じ込めてるヤツ?」
アラダ特有の禍々しい気配を感じ、猫妖精の毛が逆立つ。

アラダの存在…ある程度、予測は出来ていた。
復活作戦に成功したのにロジャーが帰ってこない。
摂政の氷野凍矢は成功即復活だったのに…だ。
帰ってこないのか?
帰って“これない”のか?

「あれは…なんです?妙なプレッシャーを感じますね。」
エミリオが1人前に出て対峙しようとする。
貴族の誇りか?民を守るかのように。
「多分、アラダの誰かでしょう。」
結城由羅、苦笑してエミリオの横に立った。
エミリオが子供扱いされるのを嫌うかも?との配慮で前に立つのはやめた。
「ようするに、我々の目的の障害である…と?」
面白くなさそうに相手を見据えるエミリオ。視線は敵に固定したままだ。
「ここまで来たんです。ちゃちゃっと返して貰いましょう。」
環月怜夜が皆を元気づけようと発言する。
敵アラダ、薄く笑った。瞳に“力”が宿り始める。
アラダの能力“致死の視線”だ!

しかし、ここにいるのは皆、歴戦の勇士たちである。
いくつもの、いくつもの戦いを越えてきた…。
伊達に根源力を鍛えて来たわけではない。

「………。」
エミリオが無言で剣を抜いた。どうやら怒っているようだ。
「エミリオの為ならワタシはどれだけだって強くなる。」
自称、美少年補正の効いたソーニャがエミリオの背後に控える。
「では、藩王さまのために!」
「おう、世界忍者国のために!」
川流鐘音と久堂尋軌たち世界忍者も武器も構える。
「ケガはしないで。でも、しちゃったら、ちゃんと治しますから!」
戦闘能力のない医師が応援を、激励を送る。
皆、それぞれの方法で戦おうとしているのだ。

「ロジャー…もう少しで貴方に会える…。」
万感の思いを胸に、敵への突撃が開始された。

(文:猫屋敷 兄猫)


  • 解説
 戦闘も免れました。



イベント94 ノワールの戦い:戦闘
羅幻王国、郊外に終結する人、人、人。
侵攻して来た黒のオーマの部隊と、それを迎え撃つニューワールドの部隊である。
敵はアラダを含む戦士の一団。黒く塗られた鎧に、剣、盾を装備した戦士達。
そこに居るだけで空気が震えるような、向かい合うだけで気が遠くなるような、
そんな強力なプレッシャーを感じる。

「猫、前進!」
号令を合図に歩兵部隊が進軍を開始する。
敵戦力は非常識な事に白兵攻撃以外を無効化するらしい。
近距離・中距離・遠距離の射撃戦行為、理力による詠唱戦行為が効かないと言うのだ。
歩兵があまり得意としない距離、白兵戦であるが背に腹は変えられない。
覚悟を決めた戦士たちが黒の戦士へと接近していく。

歩兵「相手は剣士かぁ…どうすんべぇか?」
手に握ったコンバットナイフの感触を確かめるようにギュッギュッと手に力をかける歩兵。
歩兵「リーチの長さが戦力の決定的な差では無い!と言うことを教えてやりましょう。」
へらへらと笑いながらも眼だけは鋭く敵の動向を見定めている歩兵。
歩兵「みんな、1対1で戦闘しないようにね!連携、連携。」
周りへ声を大にして周知を促す歩兵。
その声は、自分に言い聞かせるかのようにも聞こえる。

敵を知り、己を知れば、百戦あやうからず!

真正面からの戦いに自信がないなら、変化すれば良い。
力でかなわないなら速さで。
速さでかなわないなら技で。
それでもかなわないなら数で。

黒の戦士の姿が迫る。その姿が見た目以上に大きく感じられる…。
ぴりぴりとして緊張感。向かう相手は薄く笑っているか?
ぐっ足に力を入れる。突撃突貫の準備はOK。
ぐぐっと腕に力を入れる。扱うエモノに信頼の念を今一度。
戦闘直前の高揚感に口元がほころんだその時、

「突撃ーーーーっ!」
「「「「「おおおおおおおっ!!!」」」」」

号令を機に歩兵部隊が全速突貫。雄叫びをあげて突撃する。
ガキィン!ガガッ!ギィィィン!
続けざまに上がり始める鉄と鉄のぶつかりあう音。
敵の盾に止められるこちらの攻撃。
敵の剣を受け止め、流すようにして体の位置を入れ替える。
至近距離での白兵戦の開始である。

(文:猫屋敷 兄猫)

  • 解説

 ※ ご注意: 以下の解説は、 提出時に この3番目のSSの解説を入れ忘れた為、追記したものです。

 このSSは 事前情報のみで「名もなき歩兵」視点で書いたものであり、
藩国のパイロットさん視点、&I=D、敵の設定を反映して書いた修正版を、提出に使いました。
最終更新:2007年07月28日 00:40