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PLフィルターについて


PLフィルターは実際に使ってみると、その効果に感動するはず!と言い切ってもいいぐらい、驚くような効果があります。

PLフィルターは別名、偏光フィルターとも呼ばれています。その効果は、ガラスや水面の光の反射を消したり青空の色を濃くしたりして色彩を鮮やかに表現できる…など、風景撮影で便利に使えるフィルターです。
ここでは、PLフィルターの特徴や、使用時の注意点などをご紹介したいと思います。

概観


PLフィルターはレンズの前面に装着するものです。ぱっと見た感じでは、写真のように、サングラスのような暗い色が付着していて、覗き込んでみても、向こうが見えにくくなっています。
もうひとつ、概観の特徴は、こんなに薄いのに、回転する部分がある…ということです。構造的に枠が二重になっていて、実際に使う際も、この前側の枠を少しずつ回転させて使います。


よく似た外観のフィルターにNDフィルターがあります(NDフィルターもぱっと見は暗いガラスのフィルターでよく似ています。)購入時間違えないようにしましょう。PLフィルターの最大の特徴は、先述の通り、回転する部分がある…ということです。回転するものはPL、回転しないものはND…という覚え方でも大方、問題は無いでしょう。(効果や構造は全く異なるフィルターですが…)

種類


大きく分けて、通常のPLフィルターとCPL(サーキュラーPL、円偏光PL)の二つの種類があります。この二つの使い分けも大事です。簡単に言うと、CPLはオートフォーカスカメラ用、PLはマニュアルフォーカスカメラ用…となります。
何気なくカメラを使っているかもしれませんが、昔はピントを自分で合わせなければ、撮った写真がボケてしまう…ということがありました。この、ピントを自分で合わせる機能がマニュアルフォーカスです。対して、カメラが自動でピントを合わせてくれるのが、オートフォーカスカメラになります。
通常のPLでは原理的に、オートフォーカスカメラがピントを合わせようとするときに、誤差が生じる恐れがありますので、CPLフィルターを選ぶ必要があります。最近のデジタル一眼をはじめ、フィルムカメラでも、ほとんどがオートフォーカスカメラですので、CPLフィルターを選んでおけば、そこまで神経質になる必要はありません。

効果


このPLフィルターの基本的な効果は「反射する光を除去する」ことです。本来写真は光を写しこむものですが、このフィルターを使えば、「反射する光」(不要な光)を取り除くことが出来ます。以下のようなパターンがあります。

  • 水・ガラスなどの反射光を除去する

ガラスや水などが、鏡のようになって映りこんでいて、ガラスの向こうや水底がどうなっているか分からない…というシーンで威力を発揮します。
例えば、ここでは、水を例にしてみましょう。公園の池の底に、葉っぱがたくさんたまっています。この水面には、空や木々が写りこんでいますが、二つの写真を見比べてみてください。

PLフィルター未使用 PLフィルター使用

見ての通り、空の反射が除去されています。このように、鏡のように映りこんでいるものを軽減したい場合、PLフィルターは効果的です。

  • 物自体に反射する余計な光を取り除き、そのもの本来の色味を出す。

太陽光の強いときなど、葉っぱに光が反射して、白くなってしまうことがあります。こういう場合も、PLフィルターを使えば、白い反射光を軽減できます。これも、写真を見ていただくほうが早いでしょう。

PLフィルター未使用 PLフィルター使用

効果は歴然!です。重要なのは、色味も鮮やかになっている…というところです。つまり、太陽光線というのは、それだけ「鮮やかさ」を出すのに、邪魔している…ということです。PLフィルターを使えば、太陽光が除去されて、そのもの本来の(この例ですと、葉っぱの緑の)色を表現することが可能になります。

  • 空気中の水蒸気による乱反射を防ぎ、空を鮮やかに、またコントラストが高くなります。

PLフィルター未使用 PLフィルター使用

このように、空の色自体も、青みを増し鮮やかに深くすることが出来ます。また、この作例では分かりづらいのですが、遠景などでコントラストが高くなり、遠くの物もはっきりと写りやすくなります。これは、空気中の不要な光(水蒸気の乱反射光)が除去される効果です。

使い方


概観でもお話しましたとおり、このフィルターは枠が回転するようになっています。この回転する角度によって、効果が変わってきます。ですので、実際にレンズに装着して、ファインダーを覗きながら、前側の枠を少しずつ回転させて、目で効果を確認して、一番いい箇所を探して撮影します。(実は、枠には三角形のしるしがあり、このしるしを太陽の方に向けると、効果が最も出ます。)
また、太陽の向きも重要です。逆光(太陽が撮影者の真正面にある場合)では効果が出ません。順光の場合(太陽が撮影者の背中にある場合)効果がもっとも顕著に出ます。そのほかの場合、つまり太陽が横にある場合は、太陽のある側が白くなり、反対側がコントラストが高くなります。
ですので、カメラを向ける向きも重要です。逆光になるような向きに構えると効果がありません。

撮影の注意点


  • 使い方でも説明しましたように、カメラの向きが重要ですので、太陽の位置を常に確認しましょう。
  • 枠の回転角度によって効果が変わります。ですので、必ず回転させて効果を確かめる必要もあります。
  • 暗い色のガラスです。反射光とはいえ、光を除去していますので、レンズを通して入ってくる光の量が減ってしまいます。そのようなわけで、シャッタースピードが遅くなりがちですので、ぶれに注意しましょう。三脚を据えるのがベストです。
  • 効果が出にくい環境が他にもあります。逆光は説明済みですが、他にも、街頭の光、夜景の人工光、曇り空などでは効果はありません。
  • また、水面やガラス面の除去も、真正面からでは効果が出ませんので、斜めから撮る必要があります。
  • PLフィルターは回転する構造上、どうしても厚みが出やすくなり、厚い部分が写真の四隅に黒く写りこんでしまうことがあります(この現象をケラレといいます。)特に、広角側で撮る場合は注意が必要です。

購入のポイント


フィルターを購入する場合は、レンズの直径(口径)に合わせた物でなければなりません。(詳細は保護フィルターをご覧ください。
フィルターそのものの概観はNDフィルターとよく似ていますので、コレも注意しましょう。
また、中古などを探す場合は、CPLかどうかもチェックしてください。最近のデジカメであれば、CPLの購入をオススメします。

今回は、PLフィルターについて説明してきました。
ぜひ、風景写真で便利に活用してみてください。

筆:髙橋、田村



Last update:2014-07-02 09:10:46 (Wed);





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最終更新:2014年07月02日 09:10
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