ネタバレ考察 > 台詞集 > 各話別第03話

さやか「はあーはぁ。うん」
恭介「やあ」
さやか「はい、これ」
恭介「うわぁ…。いつも本当にありがとう。さやかはレアなCDを見つける天才だね」
さやか「あっはは、そんな、運がいいだけだよ。きっと」
恭介「この人の演奏は本当にすごいんだ。さやかも聴いてみる?」
さやか「う、い、いいのかな?」
恭介「本当はスピーカーで聴かせたいんだけど、病院だしね」
さやか「ええぇー…」


マミ「ティロ・フィナーレ!!」
さやか「いやー、やっぱマミさんってカッコイイねえ!」
マミ「もう、見世物じゃないのよ。危ないことしてるって意識は、忘れないでおいてほしいわ」
さやか「いえーす!」
まどか「あ、グリーフシード、落とさなかったね」
キュゥべえ「今のは魔女から分裂した使い魔でしかないからね。グリーフシードは持ってないよ」
まどか「魔女じゃなかったんだ」
さやか「何か、ここんとこずっとハズレだよね」
マミ「使い魔だって放っておけないのよ。成長すれば、分裂元と同じ魔女になるから」
マミ「さぁ、行きましょう」

マミ「二人とも何か願いごとは見つかった?」
さやか「んー…まどかは?」
まどか「う~ん…」
マミ「まあ、そういうものよね。いざ考えろって言われたら」
まどか「マミさんはどんな願いごとをしたんですか?」
マミ「うぅ…」
まどか「いや、あの、どうしても聞きたいってわけじゃなくて」
マミ「私の場合は……」
マミ「考えている余裕さえなかったってだけ」
マミ「後悔しているわけじゃないのよ。今の生き方も、あそこで死んじゃうよりはよほど良かったと思ってる」
マミ「でもね、ちゃんと選択の余地のある子には、キチンと考えたうえで決めてほしいの」
マミ「私にできなかったことだからこそ、ね」
さやか「ねえ、マミさん。願い事って自分の為の事柄でなきゃダメなのかな?」
マミ「え?」
さやか「例えば、例えばの話なんだけどさ、私なんかより余程困っている人が居て、その人の為に願い事をするのは…」
まどか「それって上条君のこと?」
さやか「たた、例え話だって言ってるじゃんか!」
キュゥべえ「別に契約者自身が願い事の対象になる必然性はないんだけどね。前例も無い訳じゃないし」
マミ「でもあまり関心できた話じゃないわ。他人の願いを叶えるのなら、なおのこと自分の望みをはっきりさせておかないと」
マミ「美樹さん、あなたは彼に夢を叶えてほしいの?それとも、彼の夢を叶えた恩人になりたいの?」
まどか「マミさん…」
マミ「同じようでも全然違うことよ。これ」
さやか「その言い方は…ちょっと酷いと思う」
マミ「ごめんね。でも今のうちに言っておかないと。そこを履き違えたまま先に進んだら、あなたきっと後悔するから」
さやか「…そうだね。私の考えが甘かった。ゴメン」
マミ「やっぱり、難しい事柄よね。焦って決めるべきではないわ」
キュゥべえ「僕としては、早ければ早い程いいんだけど」
マミ「ダメよ。女の子を急かす男子は嫌われるぞ」
さやか「うっふふ、うふふ、あはは、ははは…」


まどか「やっぱり簡単なことじゃないんだよね」
キュゥべえ「僕の立場で急かすわけにはいかないしね。助言するのもルール違反だし」
まどか「ただなりたいってだけじゃダメなのかな」
キュゥべえ「まどかは、力そのものに憧れているのかい?」
まどか「いや、そんなんじゃなくって。うん…。そうなのかな」
まどか「私って鈍くさいし、何の取り柄もないし」
まどか「だからマミさんみたいにカッコよくて素敵な人になれたら、それだけで十分に幸せなんだけど」
キュゥべえ「まどかが魔法少女になれば、マミよりずっと強くなれるよ」
まどか「え?」
キュゥべえ「もちろん、どんな願い事で契約するかにもよるけれど」
キュゥべえ「まどかが産み出すかもしれないソウルジェムの大きさは、僕にも測定しきれない。これだけの資質を持つ子と出会ったのは初めてだ」
まどか「あはは、何言ってるのよもう…嘘でしょう?」
キュゥべえ「いや」

知久「まどか、起きてるか?」
まどか「うん、どうしたの?」
詢子「うーぐ、ただ~い…また…痛…」
まどか「はぁ~またか…。まったくもう」
詢子「…み…水…」
詢子「でへぇい…あのすだれハゲ~。飲みたきゃ手酌でやってろっつ~の。めっくらすはらくちゅあ~つははは、何かすっきり、聞いてる?」
まどか「ふう」
知久「ありがとう。ココアでも淹れようか」
まどか「うん、おねがい」

まどか「何でママはあんなに仕事が好きなのかな」
まどか「昔からあの会社で働くのが夢だった…なんてないよね?」
知久「う~ん…。ママは、仕事が好きなんじゃなくて、がんばるのが好きなのさ」
まどか「え?」
知久「嫌なことも辛いこともいっぱいあるだろうけど、それを乗り越えた時の満足感が、ママにとっては最高の宝物なのさ」
知久「そりゃあ、会社勤めが夢だったわけじゃないだろうけどさ」
知久「それでもママは自分の理想の生き方を通してる。そんな風にして叶える夢もあるんだよ」
まどか「生き方そのものを夢にするの?」
知久「どう思うかは人それぞれだろうけど、僕はね、ママのそういうところが大好きだ。尊敬できるし、自慢できる。素晴らしい人だってね」
まどか「うん」


ほむら「分かってるの?」
ほむら「貴女は無関係な一般人を危険に巻き込んでいる」
マミ「彼女たちはキュゥべえに選ばれたのよ。もう無関係じゃないわ」
ほむら「貴女は二人を魔法少女に誘導している」
マミ「それが面白くないわけ?」
ほむら「ええ、迷惑よ。特に鹿目まどか」
マミ「ふぅん…。そう、あなたも気づいてたのね。あの子の素質に」
ほむら「彼女だけは、契約させるわけにはいかない」
マミ「自分より強い相手は邪魔者ってわけ?いじめられっ子の発想ね」
ほむら「貴女とは戦いたくないのだけれど」
マミ「なら二度と会うことのないよう努力して。話し合いだけで事が済むのは、きっと今夜で最後だろうから」


さやか「はあ…よう、お待たせ」
まどか「あれ?上条君、会えなかったの?」
さやか「何か今日は都合悪いみたいでさ。わざわざ来てやったのに、失礼しちゃうわよね」
さやか「ん、ん?どうしたの?」
まどか「あそこ…何か…」
キュゥべえ「グリーフシードだ!孵化しかかってる!」
まどか「嘘…何でこんなところに」
キュゥべえ「マズいよ、早く逃げないと!もうすぐ結界が出来上がる!」
さやか「またあの迷路が?」
さやか「あ!まどか、マミさんの携帯、聞いてる?」
まどか「え?ううん」
さやか「まずったなぁ。まどか、先行ってマミさんを呼んで来て。あたしはこいつを見張ってる」
まどか「そんな!」
キュゥべえ「無茶だよ!中の魔女が出てくるまでにはまだ時間があるけど、結界が閉じたら、君は外に出られなくなる。マミの助けが間に合うかどうか……」
さやか「あの迷路が出来上がったら、こいつの居所も分からなくなっちゃうんでしょ?」
さやか「放っておけないよ。こんな場所で」
キュゥべえ「まどか、先に行ってくれ。さやかには僕が付いてる」
キュゥべえ「マミならここまで来れば、テレパシーで僕の位置が分かる」
キュゥべえ「ここでさやかと一緒にグリーフシードを見張っていれば、最短距離で結界を抜けられるよう、マミを誘導できるから」
さやか「ありがとう、キュウべえ」
まどか「私、すぐにマミさんを連れてくるから」
さやか「あ!うぅっ」

キュゥべえ「怖いかい?さやか」
さやか「そりゃあ、まあ、当然でしょ」
キュゥべえ「願い事さえ決めてくれれば、今この場で君を魔法少女にしてあげることも出来るんだけど……」
さやか「いざとなったら頼むかも。でも今はやめとく。私にとっても、大事な事だから。出来る事なら、いい加減なキモチで決めたくない」


マミ「ここね」
マミ(キュゥべえ、状況は?)
キュゥべえ(まだ大丈夫。すぐに孵化する様子はないよ)
まどか(さやかちゃん、大丈夫?)
さやか(平気平気。退屈で居眠りしちゃいそう)
キュゥべえ(むしろ、迂闊に大きな魔力を使って卵を刺激する方がマズい。急がなくていいから、なるべく静かに来てくれるかい?)
マミ(わかったわ)

まどか「間に合ってよかった」
マミ「無茶し過ぎ…って怒りたいところだけど、今回に限っては冴えた手だったわ。これなら魔女を取り逃がす心配も……」
まどか「え?あっ」
マミ「言ったはずよね。二度と会いたくないって」
ほむら「今回の獲物は私が狩る。貴女達は手を引いて」
マミ「そうもいかないわ。美樹さんとキュゥべえを迎えに行かないと」
ほむら「その二人の安全は保証するわ」
マミ「信用すると思って?」
ほむら「ば、馬鹿。こんなことやってる場合じゃ」
マミ「もちろん怪我させるつもりはないけど、あんまり暴れたら保障しかねるわ」
ほむら「今度の魔女は、これまでの奴らとはわけが違う」
マミ「おとなしくしていれば帰りにちゃんと解放してあげる」
マミ「行きましょう、鹿目さん」
まどか「え…はい」
ほむら「待っ……くっ」

まどか「ふぇ…。あの…マミさん」
マミ「なあに?」
まどか「願いごと、私なりにいろいろと考えてみたんですけど」
マミ「決まりそうなの?」
まどか「はい。でも、あの…もしかしたら、マミさんには考え方が甘いって怒られそうで」
マミ「どんな夢を叶えるつもり?」
まどか「私って、昔から得意な学科とか、人に自慢できる才能とか何もなくて」
まどか「きっとこれから先ずっと、誰の役にも立てないまま、迷惑ばかりかけていくのかなって」
まどか「それが嫌でしょうがなかったんです」
まどか「でもマミさんと会って、誰かを助けるために戦ってるの、見せてもらって」
まどか「同じことが、私にもできるかもしれないって言われて」
まどか「何よりも嬉しかったのはそのことで」
まどか「だから私、魔法少女になれたらそれで願いごとは叶っちゃうんです」
まどか「こんな自分でも、誰かの役に立てるんだって、胸を張って生きていけたら、それが一番の夢だから」
マミ「大変だよ。怪我もするし、恋したり遊んだりしてる暇もなくなっちゃうよ」
まどか「でも、それでもがんばってるマミさんに、私、憧れてるんです」
マミ「憧れるほどのものじゃないわよ、私……」
まどか「え?」
マミ「無理してカッコつけてるだけで、怖くても辛くても、誰にも相談できないし、一人ぼっちで泣いてばかり」
マミ「いいものじゃないわよ。魔法少女なんて」
まどか「マミさんはもう一人ぼっちなんかじゃないです」
マミ「…そうね。そうなんだよね」
マミ「本当に、これから私と一緒に戦ってくれるの?傍にいてくれるの?」
まどか「はい、私なんかでよかったら」
マミ「参ったなぁ。まだまだちゃんと先輩ぶってなきゃいけないのになぁ。やっぱり私ダメな子だ」
まどか「マミさん」
マミ「でもさ。せっかくなんだし、願いごとは何か考えておきなさい」
まどか「せっかく…ですかねぇ、やっぱり」
マミ「契約は契約なんだから、ものはついでと思っておこうよ。億万長者とか、素敵な彼氏とか、何だっていいじゃない」
まどか「いやぁ…その…」
マミ「じゃあ、こうしましょう。この魔女をやっつけるまでに願いごとが決まらなかったら、その時は、キュゥべえにご馳走とケーキを頼みましょう」
まどか「ケ、ケーキ?」
マミ「そう。最高におっきくて贅沢なお祝いのケーキ」
まどか「ふぇ」
マミ「それで、みんなでパーティするの。私と鹿目さんの、魔法少女コンビ結成記念よ」
まどか「私、ケーキで魔法少女に?」
マミ「嫌ならちゃんと自分で考える」
まどか「はぃ…」
キュゥべえ「マミ!グリーフシードが動き始めた!孵化が始まる。急いで!」
マミ「オッケー、わかったわ。今日という今日は速攻で片付けるわよ」
まどか「ええ…そんな…」

マミ「体が軽い。こんな幸せな気持ちで戦うなんて初めて」
マミ「もう何も怖くない」
マミ「私、一人ぼっちじゃないもの」
まどか・マミ『あっ』
マミ「お待たせ」
さやか「はぁ間に合ったぁ」
キュゥべえ「気をつけて!出て来るよ!」
マミ「せっかくのとこ悪いけど、一気に決めさせて…もらうわよ!」
さやか「やったぁ!」
マミ「ティロ・フィナーレ!!」
マミ「あ」
まどか「あっ、あっ」
さやか「あぁ!」

ほむら「ん、まさか」
まどか「あっ」
さやか「あぁ!」
キュゥべえ「二人とも!今すぐ僕と契約を!」
キュゥべえ「まどか!さやか!」
まどか・さやか『ああ!』
キュゥべえ「願い事を決めるんだ、早く!」
ほむら「その必要はないわ」
キュゥべえ「ハッ」
ほむら「こいつを仕留めるのは、私」
まどか・さやか『あ!』

さやか「あぁ!」
ほむら「命拾いしたわね、貴女達」
ほむら「目に焼き付けておきなさい。魔法少女になるって、そういうことよ」
さやか「はぁ…!くっ」
さやか「返してよ。」
ほむら「ん?」
さやか「返せよ。それは…それは…マミさんのものだ!返せって言ってるだろ!マミさんに!」
ほむら「そうよ。これは魔法少女のためのもの。貴女達には、触る資格なんてない」



さやか「マミさん、本当に優しい人だったんだ」
さやか「戦うために、どういう覚悟がいるのか、私たちに思い知らせるために、あの人は…」

さやか「奇跡も、魔法も、あるんだよ」

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最終更新:2012年12月18日 20:16