ネタバレ考察 > 台詞集 > 各話別第08話

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さやか「やり方さえ分かっちゃえば簡単なもんだね。これなら負ける気がしないわ」 さやか「あげるよ。そいつが目当てなんでしょ?」 杏子「オイ…」 さやか「あんたに借りは作らないから。これでチャラ。いいわね」 さやか「さ、帰ろう。まどか」 まどか「さやかちゃん…」 さやか「あ、ゴメン。ちょっと疲れちゃった」 まどか「無理しないで。つかまって」 杏子「あのバカ」 まどか「さやかちゃん…あんな戦い方、ないよ」 まどか「痛くないなんて嘘だよ。見てるだけで痛かったもん。感じないから傷ついてもいいなんて、そんなのダメだよ」 さやか「…ああでもしなきゃ勝てないんだよ。あたし才能ないからさ」 まどか「あんなやり方で戦ってたら、勝てたとしても、さやかちゃんのためにならないよ」 さやか「あたしの為にって何よ」 まどか「えっ?」 さやか「こんな姿にされた後で、何が私の為になるって言うの?」 まどか「さやかちゃん…」 さやか「今の私はね、魔女を殺す、ただそれしかだけ意味がない石ころなのよ。死んだ身体を動かして生きてるフリをしてるだけ。そんな私の為に、誰が何をしてくれるって言うの?考えるだけ無意味じゃん」 まどか「でも私は…どうすればさやかちゃんが幸せになれるかって」 さやか「だったらあんたが戦ってよ」 まどか「え…」 さやか「キュウべえから聞いたわよ。あんた誰よりも才能あるんでしょ?私みたいな苦労をしなくても簡単に魔女をやっつけられるんでしょ?」 まどか「私は…そんな…」 さやか「私の為に何かしようって言うんなら、まず私と同じ立場になってみなさいよ。無理でしょ。当然だよね。ただの同情で人間やめられるわけないもんね?」 まどか「同情なんて…そんな…」 さやか「何でも出来るくせに何もしないあんたの代わりに、あたしがこんな目に遭ってるの。それを棚に上げて、知ったような事言わないで」 まどか「さやかちゃん…」 さやか「ついて来ないで…!」 さやか「バカだよ私。何て事言ってんのよ…。もう救いようがないよ…」 ほむら「ワルプルギスの夜の出現予測は、この範囲」 杏子「根拠は何だい?」 ほむら「統計よ」 杏子「統計?」 杏子「以前にもこの街にワルプルギスが来たなんて話は聞いてないよ。一体何をどう統計したってのさ」 杏子「…はぁ。お互い信用しろだなんていえる柄でもないけどさ。もうちょっと手の内を見せてくれたっていいんじゃない?」 キュゥべえ「それはぜひ僕からもお願いしたいね。暁美ほむら」 杏子「どの面下げて出てきやがったテメェ…」 キュゥべえ「やれやれ、招かれざる客ってわけかい?」 キュゥべえ「今夜は君たちにとって、重要なはずの情報を知らせに来たんだけどね」 杏子「はぁ?」 キュゥべえ「美樹さやかの消耗が予想以上に早い。魔力を使うだけでなく、彼女自身が呪いを生み始めた」 杏子「誰のせいだと思ってんのさ」 キュゥべえ「このままだと、ワルプルギスの夜が来るより先に、厄介なことになるかもしれない」 キュゥべえ「注意しておいた方がいいよ」 杏子「何だそりゃ。どういう意味だ?」 キュゥべえ「僕じゃなくて、彼女に訊いてみたらどうだい?」 キュゥべえ「君なら既に知っているんじゃないかな? 暁美ほむら」 キュゥべえ「やっぱりね。どこでその知識を手に入れたのか、僕はとても興味深い。君は……」 ほむら「聞くだけのことは聞いたわ。消えなさい」 杏子「ほっとくのかよアイツ」 ほむら「あれを殺したところで、何の解決にもならないわ」 杏子「それよりも美樹さやかだ。アイツの言ってた厄介ごとってのは何なんだ?」 ほむら「彼女のソウルジェムは、穢れを溜め込み過ぎたのよ」 ほむら「早く浄化しないと、取り返しのつかないことになる」 まどか「あの時…追いかけなきゃダメだったのに…」 上条「でもさぁ、志筑さんって、帰る方角はこっちなんだっけ?今まで帰り道に見かけたことってないような…」 仁美「ええ。本当は全然逆方向ですわ」 上条「え…じゃあ、今日はどうして?」 仁美「上条君に…」 仁美「お話したいことがありますの」 まどか「え…帰ってないんですか。昨日から。その…はい。えっと、わかりました。はい。失礼します」 まどか「さやかちゃん…探さなきゃ」 ほむら「どうして分からないの。ただでさえ余裕がないのだから、魔女だけを狙いなさい」 さやか「うるさい、大きなお世話よ」 ほむら「もうソウルジェムも限界のはずよ、今すぐ浄化しないと。使いなさい」 さやか「今度は何を企んでるのさ」 ほむら「いい加減にして。もう人を疑ってる場合じゃないでしょう」 ほむら「そんなに助けられるのが嫌なの?」 さやか「あんた達とは違う魔法少女になる。私はそう決めたんだ。誰かを見捨てるのも、利用するのも、そんな事をする奴らとつるむのも嫌だ。見返りなんていらない。私だけは絶対に自分の為に魔法を使ったりしない」 ほむら「あなた、死ぬわよ」 さやか「あたしが死ぬとしたら、それは魔女を殺せなくなった時だけだよ。それってつまり用済みって事じゃん。ならいいんだよ。魔女に勝てないあたしなんてこの世界にはいらないよ」 ほむら「ねえどうして。貴女を助けたいだけなの。どうして信じてくれないの」 さやか「どうしてかな。ただ何となく分かっちゃうんだよね。あんたが嘘つきだって事」 さやか「あんた、何もかも諦めた目をしてる。いつも空っぽな言葉を喋ってる。今だってそう。あたしの為とか言いながら、ホントは全然別な事を考えてるんでしょ?ごまかし切れるもんじゃないよ、そういうの」 ほむら「そうやって、貴女はますますまどかを苦しめるのよ」 さやか「まどかは関係ないでしょ」 ほむら「いいえ、何もかもあの子のためよ」 ほむら「貴女って鋭いわ。ええ、図星よ」 ほむら「私は貴女を助けたい訳じゃない。貴女が破滅していく姿を、まどかに見せたくないだけ」 ほむら「ここで私を拒むなら、どうせ貴女は死ぬしかない」 ほむら「これ以上、まどかを悲しませるくらいなら」 ほむら「いっそ私が、この手で、今すぐ殺してあげるわ。美樹さやか」 杏子「オイ、さっさと逃げろ」 杏子「正気かテメェは。アイツを助けるんじゃなかったのかよ」 ほむら「離して」 杏子「フン、なるほどね。こんな風にとっ捕まったままだと、あの妙な技も使えないってわけか」 杏子「なっ…」 杏子「クソッ」 ショウさん「言い訳とかさせちゃダメっしょ。稼いできた分はきっちり全額貢がせないと」 ショウさん「女って馬鹿だからさ、ちょっと金持たせとくとすぐくっだらねぇ事に使っちまうからねぇ」 ホスト「いや〜ほんと、女は人間扱いしちゃダメっすね」 ショウさん「犬かなんかだと思って躾けないとね。アイツもそれで喜んでる訳だし」 ホスト「顔殴るぞって脅せば、まず大抵は黙りますもんね」 ショウさん「けっ、ちょっと油断するとすぐ付け上がって籍入れたいとか言いだすからさぁ、甘やかすの禁物よ」 ショウさん「ったく、テメーみてぇなキャバ嬢が、10年後も同じ額稼げるかってーの。身の程弁えろってんだ。なぁ?」 ホスト「捨てる時がさぁ~ほんとウザいっすよね。その辺ショウさん上手いから羨ましいっすよ。俺も見習わないと…お?」 さやか「ねえ、その人のこと、聞かせてよ」 ショウさん「はい?」 さやか「今あんた達が話してた女の人のこと、もっとよく聞かせてよ」 ホスト「お嬢ちゃん中学生?夜遊びは良くないぞ」 さやか「その人、あんたの事が大事で、喜ばせたくて頑張ってたんでしょ?あんたにもそれが分かってたんでしょ?なのに犬と同じなの?ありがとうって言わないの?役に立たなきゃ捨てちゃうの?」 ショウさん「何こいつ…知り合い?」 ホスト「い、いや…」 さやか「ねえ、この世界って守る価値あるの?あたし何の為に戦ってたの?教えてよ。今すぐあんたが教えてよ。でないとあたし…」 まどか「さやかちゃん…どこ?」 キュゥべえ「君も僕のことを恨んでいるのかな?」 まどか「あなたを恨んだら、さやかちゃんを元に戻してくれる?」 キュゥべえ「無理だ。それは僕の力の及ぶことじゃない」 まどか「ねえ、いつか言ってた、私がすごい魔法少女になれるって話、あれは…本当なの?」 キュゥべえ「凄いなんていうのは控えめな表現だ。君は途方もない魔法少女になるよ」 キュゥべえ「恐らくこの世界で最強の」 まどか「私が引き受けてたら、さやかちゃんは魔法少女にならずに済んだのかな」 キュゥべえ「さやかは彼女の願いを遂げた。その点について、まどかは何の関係もない」 まどか「どうして私なんかが…」 キュゥべえ「僕にも分からない」 キュゥべえ「はっきり言って君が秘めている潜在能力は、理論的にはあり得ない規模のものだ」 キュゥべえ「誰かに説明して欲しいのは、僕だって一緒さ」 まどか「そうなの?」 キュゥべえ「君が力を開放すれば、奇跡を起こすどころか、宇宙の法則をねじ曲げることだって可能だろう」 キュゥべえ「なぜ君一人だけが、それほどの素質を備えているのか。理由は未だにわからない」 まどか「私は…自分なんて何の取り柄もない人間だと思ってた。ずっとこのまま、誰のためになることも、何の役に立つこともできずに、最後までただ何となく生きていくだけなのかなって」 まどか「それは悔しいし、寂しいことだけど、でも仕方ないよねって、思ってたの」 キュゥべえ「現実は随分と違ったね」 キュゥべえ「まどか。君は、望むなら、万能の神にだってなれるかもしれないよ」 まどか「私なら…。キュゥべえにできないことでも、私ならできるのかな?」 キュゥべえ「というと?」 まどか「私があなたと契約したら、さやかちゃんの体を元に戻せる?」 キュゥべえ「その程度、きっと造作もないだろうね」 キュゥべえ「その願いは君にとって、魂を差し出すに足る物かい?」 まどか「さやかちゃんのためなら…いいよ。私、魔法少女に…」 まどか「わっ…!?」 まどか「ひっ」 まどか「ひ…ひどいよ、何も殺さなくても」 ほむら「貴女は、なんで貴女は、いつだって、そうやって自分を犠牲にして」 まどか「え?」 ほむら「役に立たないとか、意味がないとか、勝手に自分を祖末にしないで」 ほむら「貴女を大切に思う人のことも考えて」 ほむら「いい加減にしてよ!」 ほむら「貴女を失えば、それを悲しむ人がいるって、どうしてそれに気づかないの!」 ほむら「貴女を守ろうとしてた人はどうなるの!」 まどか「ほむらちゃん」 まどか「私たちはどこかで…」 まどか「どこかで会ったことあるの?私と」 ほむら「そ、それは……」 まどか「ごめん。私、さやかちゃんを探さないと」 ほむら「待って、美樹さやかは、もう」 まどか「ごめんね」 ほむら「待って」 ほむら「まどか!」 キュゥべえ「無駄な事だって知ってるくせに。懲りないんだなあ、君も」 キュゥべえ「代わりはいくらでもあるけど、無意味に潰されるのは困るんだよね」 キュゥべえ「勿体ないじゃないか」 キュゥべえ「きゅっぷい…」 キュゥべえ「君に殺されたのは、これで二度目だけれど、おかげで攻撃の特性も見えてきた」 キュゥべえ「時間操作の魔術だろう? さっきのは」 キュゥべえ「やっぱりね。何となく察しはついてたけれど、君はこの時間軸の人間じゃないね」 ほむら「お前の正体も企みも、私は全て知ってるわ」 キュゥべえ「なるほどね」 キュゥべえ「だからこんなにしつこく僕の邪魔をするわけだ」 キュゥべえ「そうまでして、鹿目まどかの運命を変えたいのかい?」 ほむら「ええ、絶対にお前の思い通りにはさせない。キュゥべえ……いいえ、インキュベーター」 杏子「やっと見つけた…。アンタさ、いつまで強情張ってるわけ?」 さやか「悪いね、手間かけさせちゃって」 杏子「何だよ、らしくないじゃんかよ」 さやか「うん。別にもう、どうでも良くなっちゃったからね」 さやか「結局私は、一体何が大切で何を守ろうとしてたのか、もう何もかも、わけ分かんなくなっちゃった」 杏子「オイ」 杏子「あっ…」 さやか「希望と絶望のバランスは差し引きゼロだって、いつだったかあんた言ってたよね。今ならそれ、よく分かるよ」 さやか「確かに私は何人か救いもしたけどさ、だけどその分、心には恨みや妬みが溜まって。一番大切な友達さえ傷付けて」 杏子「さやか、アンタまさか」 さやか「誰かの幸せを祈った分、他の誰かを呪わずにはいられない。私達魔法少女って、そう言う仕組みだったんだね」 さやか「あたしって、ほんとバカ」 杏子「さやかぁぁっ!!」 キュゥべえ「この国では、成長途中の女性のことを、少女って呼ぶんだろう?」 キュゥべえ「だったら、やがて魔女になる君たちのことは、魔法少女と呼ぶべきだよね」
さやか「やり方さえ分かっちゃえば簡単なもんだね。これなら負ける気がしないわ」 さやか「あげるよ。そいつが目当てなんでしょ?」 杏子「オイ…」 さやか「あんたに借りは作らないから。これでチャラ。いいわね」 さやか「さ、帰ろう。まどか」 まどか「さやかちゃん…」 さやか「あ、ゴメン。ちょっと疲れちゃった」 まどか「無理しないで。つかまって」 杏子「あのバカ」 まどか「さやかちゃん…あんな戦い方、ないよ」 まどか「痛くないなんて嘘だよ。見てるだけで痛かったもん。感じないから傷ついてもいいなんて、そんなのダメだよ」 さやか「…ああでもしなきゃ勝てないんだよ。あたし才能ないからさ」 まどか「あんなやり方で戦ってたら、勝てたとしても、さやかちゃんのためにならないよ」 さやか「あたしの為にって何よ」 まどか「えっ?」 さやか「こんな姿にされた後で、何が私の為になるって言うの?」 まどか「さやかちゃん…」 さやか「今の私はね、魔女を殺す、ただそれしかだけ意味がない石ころなのよ。死んだ身体を動かして生きてるフリをしてるだけ。そんな私の為に、誰が何をしてくれるって言うの?考えるだけ無意味じゃん」 まどか「でも私は…どうすればさやかちゃんが幸せになれるかって」 さやか「だったらあんたが戦ってよ」 まどか「え…」 さやか「キュウべえから聞いたわよ。あんた誰よりも才能あるんでしょ?私みたいな苦労をしなくても簡単に魔女をやっつけられるんでしょ?」 まどか「私は…そんな…」 さやか「私の為に何かしようって言うんなら、まず私と同じ立場になってみなさいよ。無理でしょ。当然だよね。ただの同情で人間やめられるわけないもんね?」 まどか「同情なんて…そんな…」 さやか「何でも出来るくせに何もしないあんたの代わりに、あたしがこんな目に遭ってるの。それを棚に上げて、知ったような事言わないで」 まどか「さやかちゃん…」 さやか「ついて来ないで…!」 さやか「バカだよ私。何て事言ってんのよ…。もう救いようがないよ…」 ほむら「ワルプルギスの夜の出現予測は、この範囲」 杏子「根拠は何だい?」 ほむら「統計よ」 杏子「統計?」 杏子「以前にもこの街にワルプルギスが来たなんて話は聞いてないよ。一体何をどう統計したってのさ」 杏子「…はぁ。お互い信用しろだなんていえる柄でもないけどさ。もうちょっと手の内を見せてくれたっていいんじゃない?」 キュゥべえ「それはぜひ僕からもお願いしたいね。暁美ほむら」 杏子「どの面下げて出てきやがったテメェ…」 キュゥべえ「やれやれ、招かれざる客ってわけかい?」 キュゥべえ「今夜は君たちにとって、重要なはずの情報を知らせに来たんだけどね」 杏子「はぁ?」 キュゥべえ「美樹さやかの消耗が予想以上に早い。魔力を使うだけでなく、彼女自身が呪いを生み始めた」 杏子「誰のせいだと思ってんのさ」 キュゥべえ「このままだと、ワルプルギスの夜が来るより先に、厄介なことになるかもしれない」 キュゥべえ「注意しておいた方がいいよ」 杏子「何だそりゃ。どういう意味だ?」 キュゥべえ「僕じゃなくて、彼女に訊いてみたらどうだい?」 キュゥべえ「君なら既に知っているんじゃないかな? 暁美ほむら」 キュゥべえ「やっぱりね。どこでその知識を手に入れたのか、僕はとても興味深い。君は……」 ほむら「聞くだけのことは聞いたわ。消えなさい」 杏子「ほっとくのかよアイツ」 ほむら「あれを殺したところで、何の解決にもならないわ」 杏子「それよりも美樹さやかだ。アイツの言ってた厄介ごとってのは何なんだ?」 ほむら「彼女のソウルジェムは、穢れを溜め込み過ぎたのよ」 ほむら「早く浄化しないと、取り返しのつかないことになる」 まどか「あの時…追いかけなきゃダメだったのに…」 上条「でもさぁ、志筑さんって、帰る方角はこっちなんだっけ?今まで帰り道に見かけたことってないような…」 仁美「ええ。本当は全然逆方向ですわ」 上条「え…じゃあ、今日はどうして?」 仁美「上条君に…」 仁美「お話したいことがありますの」 まどか「え…帰ってないんですか。昨日から。その…はい。えっと、わかりました。はい。失礼します」 まどか「さやかちゃん…探さなきゃ」 ほむら「どうして分からないの。ただでさえ余裕がないのだから、魔女だけを狙いなさい」 さやか「うるさい、大きなお世話よ」 ほむら「もうソウルジェムも限界のはずよ、今すぐ浄化しないと。使いなさい」 さやか「今度は何を企んでるのさ」 ほむら「いい加減にして。もう人を疑ってる場合じゃないでしょう」 ほむら「そんなに助けられるのが嫌なの?」 さやか「あんた達とは違う魔法少女になる。私はそう決めたんだ。誰かを見捨てるのも、利用するのも、そんな事をする奴らとつるむのも嫌だ。見返りなんていらない。私だけは絶対に自分の為に魔法を使ったりしない」 ほむら「あなた、死ぬわよ」 さやか「あたしが死ぬとしたら、それは魔女を殺せなくなった時だけだよ。それってつまり用済みって事じゃん。ならいいんだよ。魔女に勝てないあたしなんてこの世界にはいらないよ」 ほむら「ねえどうして。貴女を助けたいだけなの。どうして信じてくれないの」 さやか「どうしてかな。ただ何となく分かっちゃうんだよね。あんたが嘘つきだって事」 さやか「あんた、何もかも諦めた目をしてる。いつも空っぽな言葉を喋ってる。今だってそう。あたしの為とか言いながら、ホントは全然別な事を考えてるんでしょ?ごまかし切れるもんじゃないよ、そういうの」 ほむら「そうやって、貴女はますますまどかを苦しめるのよ」 さやか「まどかは関係ないでしょ」 ほむら「いいえ、何もかもあの子のためよ」 ほむら「貴女って鋭いわ。ええ、図星よ」 ほむら「私は貴女を助けたい訳じゃない。貴女が破滅していく姿を、まどかに見せたくないだけ」 ほむら「ここで私を拒むなら、どうせ貴女は死ぬしかない」 ほむら「これ以上、まどかを悲しませるくらいなら」 ほむら「いっそ私が、この手で、今すぐ殺してあげるわ。美樹さやか」 杏子「オイ、さっさと逃げろ」 杏子「正気かテメェは。アイツを助けるんじゃなかったのかよ」 ほむら「離して」 杏子「フン、なるほどね。こんな風にとっ捕まったままだと、あの妙な技も使えないってわけか」 杏子「なっ…」 杏子「クソッ」 ホストA「言い訳とかさせちゃ駄目っしょ。稼いできた分はきっちり全額貢がせないと」 ホストA「女ってバカだからさぁ、ちょっと金持たせとくとすぐクッダラネェ事に使っちまうからね」 ホストB「いや〜ほんと、女は人間扱いしちゃ駄目っすね。犬か何かだと思って躾けないとね」 ホストB「あいつもそれで喜んでるわけだし。顔殴るぞって脅せばまず大抵は黙りますもんね」 ホストA「けっ、ちょっと油断すると、すぐ付け上がって籍入れたいとか言いだすからさぁ、甘やかすの禁物よ?」 ホストA「ったく、テメェみてぇなキャバ嬢が、10年後も同じ額稼げるかってぇの。身の程弁えろってんだ。なぁ?」 ホストB「捨てる時がさぁ、ほんとウザいっすよね。その辺ショウさん上手いから羨ましいっすよ。俺も見習わないと…お?」 さやか「ねえ、その人のこと聞かせてよ」 ホストA「はい?」 さやか「今あんた達が話してた女の人のこと、もっとよく聞かせてよ」 ホストB「…お嬢ちゃん中学生?夜遊びは良くないぞ」 さやか「その人、あんたのことが大事で、喜ばせたくて頑張ってたんでしょ?あんたにもそれが分かってたんでしょ?」 さやか「なのに犬と同じなの?ありがとうって言わないの?役に立たなきゃ捨てちゃうの?」 ホストA「何こいつ、知り合い?」 ホストB「い、いや…」 さやか「ねえ、この世界って守る価値あるの?あたし何の為に戦ってたの?教えてよ。今すぐあんたが教えてよ。でないとあたし…」 まどか「さやかちゃん…どこ?」 キュゥべえ「君も僕のことを恨んでいるのかな?」 まどか「あなたを恨んだら、さやかちゃんを元に戻してくれる?」 キュゥべえ「無理だ。それは僕の力の及ぶことじゃない」 まどか「ねえ、いつか言ってた、私がすごい魔法少女になれるって話、あれは…本当なの?」 キュゥべえ「凄いなんていうのは控えめな表現だ。君は途方もない魔法少女になるよ」 キュゥべえ「恐らくこの世界で最強の」 まどか「私が引き受けてたら、さやかちゃんは魔法少女にならずに済んだのかな」 キュゥべえ「さやかは彼女の願いを遂げた。その点について、まどかは何の関係もない」 まどか「どうして私なんかが…」 キュゥべえ「僕にも分からない」 キュゥべえ「はっきり言って君が秘めている潜在能力は、理論的にはあり得ない規模のものだ」 キュゥべえ「誰かに説明して欲しいのは、僕だって一緒さ」 まどか「そうなの?」 キュゥべえ「君が力を開放すれば、奇跡を起こすどころか、宇宙の法則をねじ曲げることだって可能だろう」 キュゥべえ「なぜ君一人だけが、それほどの素質を備えているのか。理由は未だにわからない」 まどか「私は…自分なんて何の取り柄もない人間だと思ってた。ずっとこのまま、誰のためになることも、何の役に立つこともできずに、最後までただ何となく生きていくだけなのかなって」 まどか「それは悔しいし、寂しいことだけど、でも仕方ないよねって、思ってたの」 キュゥべえ「現実は随分と違ったね」 キュゥべえ「まどか。君は、望むなら、万能の神にだってなれるかもしれないよ」 まどか「私なら…。キュゥべえにできないことでも、私ならできるのかな?」 キュゥべえ「というと?」 まどか「私があなたと契約したら、さやかちゃんの体を元に戻せる?」 キュゥべえ「その程度、きっと造作もないだろうね」 キュゥべえ「その願いは君にとって、魂を差し出すに足る物かい?」 まどか「さやかちゃんのためなら…いいよ。私、魔法少女に…」 まどか「わっ…!?」 まどか「ひっ」 まどか「ひ…ひどいよ、何も殺さなくても」 ほむら「貴女は、なんで貴女は、いつだって、そうやって自分を犠牲にして」 まどか「え?」 ほむら「役に立たないとか、意味がないとか、勝手に自分を祖末にしないで」 ほむら「貴女を大切に思う人のことも考えて」 ほむら「いい加減にしてよ!」 ほむら「貴女を失えば、それを悲しむ人がいるって、どうしてそれに気づかないの!」 ほむら「貴女を守ろうとしてた人はどうなるの!」 まどか「ほむらちゃん」 まどか「私たちはどこかで…」 まどか「どこかで会ったことあるの?私と」 ほむら「そ、それは……」 まどか「ごめん。私、さやかちゃんを探さないと」 ほむら「待って、美樹さやかは、もう」 まどか「ごめんね」 ほむら「待って」 ほむら「まどか!」 キュゥべえ「無駄な事だって知ってるくせに。懲りないんだなあ、君も」 キュゥべえ「代わりはいくらでもあるけど、無意味に潰されるのは困るんだよね」 キュゥべえ「勿体ないじゃないか」 キュゥべえ「きゅっぷい…」 キュゥべえ「君に殺されたのは、これで二度目だけれど、おかげで攻撃の特性も見えてきた」 キュゥべえ「時間操作の魔術だろう? さっきのは」 キュゥべえ「やっぱりね。何となく察しはついてたけれど、君はこの時間軸の人間じゃないね」 ほむら「お前の正体も企みも、私は全て知ってるわ」 キュゥべえ「なるほどね」 キュゥべえ「だからこんなにしつこく僕の邪魔をするわけだ」 キュゥべえ「そうまでして、鹿目まどかの運命を変えたいのかい?」 ほむら「ええ、絶対にお前の思い通りにはさせない。キュゥべえ……いいえ、インキュベーター」 杏子「やっと見つけた…。アンタさ、いつまで強情張ってるわけ?」 さやか「悪いね、手間かけさせちゃって」 杏子「何だよ、らしくないじゃんかよ」 さやか「うん。別にもう、どうでも良くなっちゃったからね」 さやか「結局私は、一体何が大切で何を守ろうとしてたのか、もう何もかも、わけ分かんなくなっちゃった」 杏子「オイ」 杏子「あっ…」 さやか「希望と絶望のバランスは差し引きゼロだって、いつだったかあんた言ってたよね。今ならそれ、よく分かるよ」 さやか「確かに私は何人か救いもしたけどさ、だけどその分、心には恨みや妬みが溜まって。一番大切な友達さえ傷付けて」 杏子「さやか、アンタまさか」 さやか「誰かの幸せを祈った分、他の誰かを呪わずにはいられない。私達魔法少女って、そう言う仕組みだったんだね」 さやか「あたしって、ほんとバカ」 杏子「さやかぁぁっ!!」 キュゥべえ「この国では、成長途中の女性のことを、少女って呼ぶんだろう?」 キュゥべえ「だったら、やがて魔女になる君たちのことは、魔法少女と呼ぶべきだよね」

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