超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか

TVアニメの好評を受けて制作された劇場用長編新作。
「ヤマト」や「ガンダム」の劇場版は劇場版とは名ばかりの
TV版の総集編だったが、マクロスは完全新作となった。
河森正治が監督に抜擢され、様々なアイデアが採用された。
たとえば長編映画はシナリオや絵コンテが完成した順に動画が描かれるため、
映画の後半ではスケジュールが厳しくなり、作画の質が低下する傾向にあったが、
マクロスでは最初にクライマックスの戦闘シーンが作画され、最後に冒頭の戦闘シーンが
作画されることで、後半に向かって作画の質が向上していくように配慮された。
当然映画のオチが最初に決定していなければならず、監督のビジョンがしっかりしていなければ
このようなスケジュールは組めない。
TV版の監督だった石黒昇も監督に名を連ねているが初監督作品だった河森の補佐を受け持ち、
なんとか当初の予定どうりに映画が完成したのも石黒の手腕が大きい。
この作品のスタッフの一人である庵野秀明は自身の監督作である「エヴァンゲリオン」の劇場版で
予定どうりに映画が完成しないという失敗をするが、マクロスにもその可能性があった。
この映画の制作スケジュールは非常に厳しく、当初の予告編はTVシリーズの映像が使われ、全く映画の内容が伝わらない代物だった、
また、アフレコにも全く絵がなく、絵コンテに書かれたタイムにしたがって声優がセリフを喋り、出演者にも映画の全貌が不明な状態で、
「この映画は完成しないのではないか?」と、業界で噂される始末だった。
(一応予定どうり上映にこぎつけるがエンディングは未完成で、後に『Flash Back2012』で補完されることになる。)
しかし公開まで内容がわからない状態だったこともあり、公開された映画は衝撃的な完成度で熱狂的なファンを作ることとなった。
と、同時に特にストーリーには賛否両論が巻き起こるが、こういった論争はその後のマクロスのいわば恒例となる。
この作品の成功で河森は高い評価を得るが、その後はしばらく自身の企画が通らない状態になる。


タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2015年09月20日 22:09