自動水やりシステムを安価なマジックフローで製作

注.2014年2月27日現在、残念ながらマジックフローは販売されていません。安くて優れものだったのにな。

2012年6月3日(日)自動水やりシステムを安価なマジックフローで製作してみました。

自動水遣り機はタカギだったかで比較的安いのが売っているが、それでも5~6千円はする。何か高い気がする。もう少し安くできないものかとヤフーオークションを物色していたら、マジックフローという自動水栓があった。昔、秋月でも似たようなやつが売っていたような。しかしあれは、センサーの前で手をかざすと出て、止める時もセンサーの前で手をかざすというもの。不思議なものだった。石鹸の付いた手で栓をひねらなくてもよいというのがうたい文句だった。しかし、マジックフローはちゃんとした自動水栓だ。しかも500円。安い!送料も定形外なら250円ぐらいだったと思う。

パッケージがこれだ。出品者は大量に仕入れたということだったので、まだまだ出品してるんじゃないかな。


早速バラして中身を観察。500円だから遠慮なしにできる。半田付けはしっかりしている。左右に赤外線発光ダイオードが1個ずつ付いていて、中央にフォトセンサーが2個付いている。その部品だけでも500円の価値はある。さらに機械的な部分ではモーターやマイクロスイッチや専用のギアなどなんでこれだけのセットがこの値段になるのかわからん。なお、機械的な部分は前述の秋月の電動水栓と同じようなもの。メーカーが同じなのか。

機械的な部分です。モーターとギアとマイクロスイッチ2個。素晴らしい。

左右に赤外線発光ダイオードが1個ずつ、中央にフォトセンサーが2個付いている。手を検知させるのではなく、電気的に反応させるにはどこに何をつなげばいいか、フォトセンサーに黒いテープで目隠しをして、当てずっぽうで調べる。すると、センサーのホット側=写真では緑色の線に電池の+をつなぐと反応した。もちろん直につないで壊しちゃいけないので22KΩの抵抗を介してつないだ。しかし22KΩでは反応しない場合があり、最終的には10KΩにした。

ところが問題。そうやって水栓が開く動作をするのだが、20秒間その動作をしたら自動的に閉じてしまうという高級なしくみになっているのだ。偉過ぎるマジックフロー!そんな仕組み無かった方がいいのに!これを解除するにはどうすればいいか、1週間ぐらい悩みました。基盤のケミコンを片っ端からはずしてみたけどダメでした。CRタイマーみたいな原始的な回路ではないらしい。最終的には、水栓が開の状態で、写真中央のOFFと書いてある端子に22kオームの抵抗を介して-をつなげばいつまでも開の状態を保つことが判明。閉じる時はその-につないだのをはずせばよい。完全な当てずっぽうで発見!
エジソン曰く「失敗した時、私はもう一度だけ試してみようと思った。」
失敗し、万事休すとうなだれながら、頭の中では、「あともう一度あのやり方をやってみよう。」と考える。
あきらめなければ、なおかつ死ななければ、いつかはできるのだ。そんな大げさなことかい!

結局、水栓を開状態にさせる時、
電池の+とセンサーのホットを10kΩで、電池の-とOFFスイッチ端子を22kΩで同時につなぐ。
水栓を閉状態にさせる時、
どちらも同時に切る。
そういうこと。この動作はリレーでやらせるのがいちばん簡単そう。

部品箱からリレーを物色したところ、Matsushita の TN2-5V を数個発見。

これはどういうリレーかと、インターネットで調べると、ちゃーんと載ってるんですね。本当に便利な時代になった。
昔なら当てずっぽうでいろいろ調べるところだが、きょうびはデータシートが簡単に手に入る。
しかもいつ、どこで手に入れたか全く記憶に無いほど古そうな物でもわかるんだ。インターネットの情報量のすごさを改めて感じる。

ピン接続と大まかな規格だけメモした。ちっちゃいので電流は大して切れないけど、今回の用途には十分すぎる。
コイルに+-があるというのは逆起電力をキャンセルするダイオードが内蔵されているということだと、うろ覚えに覚えている。だから、外付けのダイオードは不要だ。
こういう機械的電子部品の物作り技術というのは、日本の右に出る国は無いだろうね。
しかし、今やこんなもんは使わず、全て半導体でやる時代だからやはり日本の復権は難しいか。。

回路図を書くまでもないが、メモのために。基盤から外部に引っ張り出したコードの色と何に繋がっているかを明記しておく。

バラックでワニ口クリップでつないでみて、動作を確認する。
リレー駆動用にDocomoのACアダプタを使った。
このアダプタは古いためか使いやすく、中の線は普通の銅のより線。エナメル線のより線ってことがあったので要注意。

さて、バラックでの動作も確認できたので、再びマジックフローを組み立てた。頭から4本線を引っ張り出している。

これらの線とACアダプタをリレーに半田付け。木に真鍮の釘を打ち、それにリレーの足を半田付けする。低圧の低周波回路を簡易に組むにはとても速いやり方。オーディオなど低級な回路はこれで十分さ。

コーナンで800円ぐらいだったかで買ったタイマー。15分毎につめが付いていて、ONとOFFがプログラム?設定だな、設定できる。同じようなのはモノタロウでも売ってるな。安いけど3000円以上じゃないと送料がかかるのでどうかな。
http://store.shopping.yahoo.co.jp/monotaro/38826505.html
昔、AKAIのオーディオタイマーがこういうやつだった。8000円ぐらいしたよな。レコード買うのが高いから、エアチェックとか言って、FM放送をカセットテープに録音した。いい時代になったよ。今じゃYOUTUBEでいくらでも好きな曲が聞ける。
このタイマーにACアダプタをさして、リレーを動かし、マジックフローを動かし、水を出そうという寸法だ。リレーを動かすのに100Vのタイマーを使うというあたりが素人の怖いもの知らずやっつけ仕事。速く、安く上げることだけが目的なんだから。

部品確認。水栓はトイレや洗面台で、壁から水道管を引き出すときに使われる止水栓。それに13mmのオスとメスのネジのついたソケット(?)みたいなやつ。こういうの、何故か、全部手持ちであるんですよ。これまでいつか役に立つだろうと取っておいたものが大量にある。買っても大した金額ではないでしょうけどね。止水栓は少しするかな。

ケースに仕込んだ。やたらデカいタッパーしかなかった。下から水が入って、タイマーがONになるとリレーが働き、マジックフローが動作し、右の管から水が出る。このケース内は水を扱うので、ACアダプタ以降の5Vの電圧しか扱わない。100Vのタイマーは別のケースに収納。なお、右側のメスのソケットにつばのようなものが付いているが、マジックフローを完全にねじ込むには、これを削らないといけない。

タイマー部分は別のケースに収納して、漏電を防止。素人の恐いもの知らずと言ってもこういうところはきちんと押さえるべき。
とは言ってもね。実に不細工なのは否めない。
100Vのタイマーを使い、5VのACアダプタでリレーを動かし、マジックフローは内蔵の単3が2本で3Vで動作する。やっつけ仕事もいいところ。速い、安いを優先した結果だ。
マジックフロー(送料込)750円、タイマー800円、止水栓1000円ぐらい?で合計2500円ほどでできるだろう。
100Vは使わず、3Vで動作するタイマーなどを自作し、マジックフローに組み込めば理想なのだがそこまでやるにはあせっていた。ゴーヤがどんどん成長してきて、とんでもなく水を食うようになってきたのだ。
なお、これが出来上がった後に、コーナンで3500円の水やりタイマーが売っていて、愕然とした。そんなに安いんだったら、それにするべきだった。しかし、2500円以下でなかったのがせめてもの救い。

これは普通のホースから潅水用のマカロニチューブに変換するアダプタ。外径4mmの塩ビらしき管をVP13mmの終端にくっつけた。

マカロニチューブの分岐が1個120円もした。20個ぐらいいるだろうと思う。2400円!高い!それで、これも自作した。外径4mm、内径2mmの塩ビ管に穴空けたり削ったり、2mmの真ちゅうの棒を使って塩ビ接着剤でくっつけて作った。

30個ぐらい作ったよ。塩ビのパイプは100円ぐらいのを2本買ったので3000円ぐらい得した?

複数の部分から水をポタポタと落とすためにマカロニチューブの終端を5mmのステンレス皿タッピングビスをねじ込んで抵抗を持たせる。これもなかなか良いアイデアです。昔から別の場所でやっている。市販のものもあるが高い割りに調整もできないし、詰まりやすい。タッピングビスなら調整もできるし詰まったらはずしてまたねじ込むだけですぐに治る。これ最高。(ただし、僕の場合、井戸水でやっています。水道の場合は圧力が大きいのでちゃんと調整できるかどうかわかりませんので悪しからず。)

割り箸に黒い針金を巻きつけたやつで滴下終端を固定する。割り箸を土に差し込むのだ。これも市販のものがあるが、安く上げたければこれで十分。。


例によって、もたもたした口調の動画の説明。

最終更新:2014年02月28日 20:43