LED(発光ダイオード)を定電流回路によりAC100Vで点灯する

Vfが3V程度のLEDを100Vで点けるには、直列につなげばいい。ただ、その個数は大量。普通に直列につなぐなら、最大値の141Vで考えれば、141÷約3=約45個。これなら回路もくそもない。つなぐだけ。実際やったことがある。多分、こういうことに興味のある人はかなりの確率でやったことがあるはず。結果、普通に点く。そして、「なあんだ、簡単じゃないか。」と思う。クリスマスの電飾(普通の麦球の)と同じじゃないかと。しかーし、そう簡単にはいかない。しばらく点灯していると、やがて1つ消え二つ消え、歯抜け状態に…。これは、LEDが逆耐圧に弱いだとか、同じAC回路につながっているモーターなどの誘導負荷のON、OFFの際のパルス的な起電力が耐圧を越えたとか、果ては雷などのサージによる破壊であるとか、いろんな理由を見つけて言う人がいる。ブリッジ整流の-側がアースと同電位にないから何だかんだで壊れると僕に忠告してくれた人も居る。残念ながら、僕は、ブリッジ整流の-側がアースと同電位にないことまでは理解できたが、それがどうして破壊につながるのか、わからない。
ともかく、それらの理由は当たっているのかも知れないが、対策としてコンデンサやコイルや、結局スイッチング電源で低圧にしたり、半波整流にしたりで、何か面白くない。何か妥協っぽい。もっとスマートに解決できないか。

電圧が上がった瞬間それに伴って電流が増えて破壊するのでしょ。だったら、電圧が上がっても電流が増えないようにスイッチをOFFにできるような電流制限回路でやればいいじゃないですか。僕はそう思うのです。それをこれから検証してみたいのです。
Yahoo!オークションで大量の白色LEDを仕入れた。安かったー。200本1960円。送料はメール便で160円。1本10円程度だ。
下はヤフーオークションで
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のカテゴリーで現在出品中のLED。LEDの性能は日進月歩なので、この記事のLEDよりいいものがありそう。
LED100本セット(ヤフオク!)

しかも20カンデラ以上で結構明るい。ホントかよ。

とりあえず、ブレッドボードに30個直列に差し込んだ。こういうときブレッドボードは本当に便利。何十年も昔から持ってるけど、いまだに全く同じもんが売ってる。
サンハヤト ブレッドボード
ここまで大きいのはいらないかも知れない。大きさと言うより、サンハヤトなら間違いないと思う。安物を買うと接触不良が多い粗悪品の場合がある。それもわかった上でなら安いのを探すのもいいけどね。

回路図。AC100Vを扱うというのに、2SC1815が2本。彼は健気に頑張ってくれるはず。

回路を組んだ。簡単なことだ。

これは、電源装置。学校でこわれて廃棄処分なるやつをもらって修理した。年代物だが、スライダックが付いていて、交流電圧が0~130Vまで連続可変できるというのは実に便利。

60Vぐらいでつきはじめました。緊張するね。このスリルがたまらんのです。自作の醍醐味。こういう時は五感を最大限に研ぎ澄まして使う。特に目、耳、鼻。煙は出てないか、破裂するような音はしないか、焦げた臭いはしないか。徐々に電圧を上げる。100Vにすると電流が流れ過ぎるようなので回路図の下の抵抗Rを39Ωにした。回路図の上の10KΩの抵抗が熱くなった。そういえばこれは小さすぎる。両端には100V近い電圧がかかっているというのに。それで、100KΩにしたら発熱しなくなった。

これは、電源装置ではなく、コンセントの100Vにつないでいます。20mA流れている。かなり明るくて、直視するとつらい。どこも発熱はありません。上のトランジスタは2SC1815では心もとないけど、何とか頑張ってくれています。

各部の電圧をテスターで調べたら、どうも脈流の実効値ということなのか、よくわからない値になったので、オシロで見てみた。


まず、ブリッジ出力。140Vピークの全波整流の脈流。

発光ダイオードの両端。約100Vピーク。きれいに頭が削られた台形の脈流。LEDがツェナーとして働いている感じです。30本直列なので、1本あたり3.3V程度のVfです。


Rの両端。0.8Vピークの矩形波。。

これは、上のトランジスタのエミッタ―コレクタ間電圧。これが妙なことに、オシロを当てると変に不安定になって出力電流も半減するし、ちゃんと測定できない。安定していれば、多分40ボルトピークぐらいの矩形波。この不安定な状態では、最大60V近くかかっている。1815の耐圧は確か50Vぐらいだったので、これはちょっとかわいそうかな

とりあえず、上の2SC1815を2SC4793に換えて、ブリッジの出力とパラに154のコンデンサを入れた。平滑というより、パルス的な高圧を逃がしてやるため。

2SC4793のデータシート。何と230Vまでいける。電流は1A、損失は2Wまで。秋月はデータシートをつけてくれるところがイイ。

最終的な回路図。各部の電圧はアナログテスターによるもので、これは変。計算が合わない。脈流のデューティー比がいろいろで、実効値というものが何が何だかわからん。深く考えたくなくなる。

先ほど、非常に不安定だった上のトランジスタのC-E間電圧。今度は安定している。40Vピークの崩れた矩形波。

ブリッジ出力。これがよくわからんけど、コンデンサ入れる前は140Vピークぐらいだったのに、75Vピークになってる。これ、ACで見ていて下の角のところをゼロに持っていったのだと思う。基本的な測定ミス。多分今の中央の横線より65Vほど下が0Vだと思う。どう考えても。だから、これも140Vピークだと思う。

発光ダイオードの両端は36Vピーク?これはおかしいでしょ。30本直列なので、この電圧では点かないはずなのにきれいに点いてる。これも、0Vが65Vほど下なんだと思う。だから、ピーク100Vだと思う。

Rの両端は0.7Vピーク。まあ、これはそんなもんか。

もうめんどくさい。ちゃんと点いているのでこれで良しとするが、測定ミスった。お粗末。
もう、見切り発車。食器棚照明(青白混合)で 実用化する。多分大丈夫だろ。実際使ってLEDが切れてきたりしたらまた考えよう。


最終更新:2015年01月31日 21:14