ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

白銀と亀の使い魔-14

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匿名ユーザー

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ポルナレフが亀の中で寝ていると、いきなりルイズに叩き起こされ、「三分以内に準備しなさい!ただし質問は許可しないィィ!」と言われた。
やけにハイテンションだな、と思いつつも亀を取り上げてルイズに付いて行くと城門に着いた。
近くの馬車の周りにキュルケ、タバサ、ロングビルの三人がいた。
「おい、一体な…」
「これで揃ったわね。それじゃ行きましょう。」
ポルナレフを完全に無視してルイズが言うと、四人が馬車に乗った。御者はロングビルがやるらしい。
ポルナレフも渋々とだが、一行に従い亀を持って馬車に乗り込んだ。

「いい加減教えろ。今から何処へ行くんだ?」
ポルナレフがやけにどすの聞いた口調でその場にいた全員に尋ねた。
「あら、ヴァリエール、あなたダーリンに何も言わなかったの?」
キュルケがルイズを呆れた目で見た。
「だ、だだだだって早くしないと逃げられちゃうじゃない!」
ルイズが慌てて言った。
「まあいいわ、私が教えてあげるわ。」
ポルナレフはキュルケから宝物庫の壁に穴が開けられ『破壊の杖』と呼ばれる代物が盗まれた事、
そしてその犯人が『土くれ』のフーケであり、その隠れ家もロングビルによって突き止めた事を聞かされた。
「何をしに行くのかは分かった。だが、何故貴様らなんだ?フーケはトライアングルで巨大なゴーレムを使うらしいじゃないか。
勝機はあるのか?貴様らのような年端も行かない生徒に。それに行かせた教師も教師だ。止めるべきじゃないのか?」
「私達は志願したの。しかも一番始めに志願したのはルイズよ。」
ポルナレフがジロリとルイズを睨む。
「それにあたしとタバサを舐めちゃ困るわ。私達は生徒だけど、クラスならフーケと同じトライアングルだし、タバサはシュヴァリエなのよ。」
「シュヴァリエ?」
「そう。位としては低いけど、他の爵位と違って純粋な実績でしか取れない爵位なの。タバサの年で持ってるなんて普通有り得ないわ。」
なるほど、この二人がいれば勝機はあるということかとポルナレフは感心してタバサの方を見ると、タバサは本を読んでいた。
少しは緊迫感を持て、と心の中でつっこんだ。
「そういえば前にミス・ロングビルは土のラインと聞いたし、安心してもいいか。」
「へぇ!そうなんですか!?」
キュルケが驚いてロングビルに聞いた。
「え?ええ。ミスタ・ポルナレフの言う通りですわ。」
いきなり話し掛けられたロングビルは少し動揺しながら答えた。

さて、勿論だがそのやり取りに不快を感じているのが一人いた。
ルイズ・(中略)・ヴァリエールである。
(なんで使い魔の癖にあたしを無視して他の三人を頼りにしてるのよ!見てなさい、この可憐なご主人様がフーケなんてギッタンギッタンのボッコボコにしてやるんだから!)
なんだか某区のがき大将に近いことを思いつつ、到着をいまかいまかと待ち構えていた。
そんなルイズをポルナレフは「何故魔法も使えないのに志願したのだ」と小一時間問い詰めたかったが場所が場所なので睨み付けるだけで我慢した。

数時間後、馬車は森の中で止まった。そこから道案内役であるロングビルの意見に従い森の中を歩いて行くと開けた場所に出た。
そこにはぽつんと一軒の廃屋があった。
ロングビルいわく、廃屋はフーケの隠れ家であそこにフーケがいるらしい。
「…さて、どうするべきかな。」
五人は頭を寄せて話し合った。つーか敵陣の目の前で作戦会議とかするなよ。馬車の中で出来たろ。
決まった作戦は一番動きが素早いであろうポルナレフが先行して内部を確認し(「これ位しか役に立てないからな」Byポルナレフ)
フーケがいたら挑発、そして土の少ない廃屋内から出て来た所をゴーレムを生成する暇を与えず全員で攻撃するという物だった。
いなかったら中を調べて破壊の杖だけでも取り返す次第だ。

ポルナレフは木陰に隠れて亀からレイピアを取り出すと、(「俺を使ってくれ」とか聞こえた気がするが無視した)ルーンが光だし体が軽くなるのを感じた。
それと同時にチャリオッツを発現させる。視覚が無いのがちょっと残念だが、本体である自分より素早く対応できる。
息を殺し、なるべく慎重かつ素早く廃屋に近付いていった。
側まで来るとさっと壁に背中を張り付け、窓から中を覗いたが中に人の姿は見当たらなかった。


ポルナレフは四人の元まで戻るとその事を報告し、今度は五人全員で小屋に近付いていった。
「罠はないみたい。」
タバサが探知魔法を使い罠が無いのを確認すると、ルイズとロングビルを見張りとして残し、三人は中に入って勇者よろしく廃屋中を物色しだした。
やがてタバサがチェストの中から破壊の杖を見つけた。それを見たポルナレフが驚愕し、
「おいおい、嘘だろ?承太郎!」
と、何の意味もないが何となく鼻を押さえて大声をあげた。
「ジョータロー!?」
タバサが何故か目を輝かせて尋ねた。
「あ、いや。なんでもない。」
「………そう」
タバサが何故かしゅんとなった。
(おいおい、これが『破壊の杖』なのか…?確かに破壊もするし、杖にも見えるが…)
そんなタバサを気にもかけずポルナレフがそう思っていると、
「きゃああああああああああッ!」
外でルイズの叫び声があがった。驚いて三人が外に出るとそこには身の丈30メイルはあるであろう土のゴーレムがいた。
「ゴーレム!」
ポルナレフはキュルケがそう叫ぶより早くルイズの元まで駆け寄り、
抱き上げるとゴーレムから距離を取った。その時、ロングビルがいないことに気付いた。
「ルイズ!ミス・ロングビルはどうした!?」
「ミ、ミス・ロングビルなら森の中を偵察してくるって…」
ち、とポルナレフは舌打ちした。
(もし仮にフーケと遭遇したら勝てないだろうに…!何故森の中に一人入って行ったんだ!?勝てる見込みなんて…)
ポルナレフはロングビルの無事を願った。


だが、他人の心配などしてはいられない。本体であるフーケが見当たらない限りチャリオッツなんて土のゴーレムには無力である。
「退却」
タバサはそういうと口笛を吹いてシルフィードを呼び出し、四人は急いでそれに飛び乗った。
四人が乗るとシルフィードは高度を上げてゴーレムの射程から外れた。


「さて、やはり俺達にあのゴーレムを止める術は無いようだな…。」
シルフィードの背中でポルナレフが言った。
既にキュルケとタバサがゴーレムに試し撃ちをしたが、実力の差のせいか無駄だった。
「俺は一旦帰るべきだと思う。」
この面子では到底勝てはしない、だから破壊の杖だけでも持ち帰るべきだ、というのがポルナレフの意見だ。キュルケやタバサもそれに同意する。
「ちょっと!ミス・ロングビルはどうするのよ!」
ルイズが怒鳴る。
「ミス・ロングビルは俺達の為に犠牲になった…そう学院には伝えよう。」
ポルナレフは残念そうに言ったが、ルイズはそれに反対した。
「ミス・ロングビルは死んだと決まった訳じゃないわ!見捨てる事なんて出来ない!」
「ルイズ、悔しいけどダーリンの言う通り退いた方がいいわ。ミス・ロングビルを探し出すなんて無理よ…」
「ここは退くべき。」
キュルケとタバサもポルナレフと同じく退くことを主張した。そんな三人に対しルイズは
「もういい!あなたたちだけで帰ればいいわ!私だけでフーケを倒すから!」
と言うとシルフィードから飛び降りた。
「待て!はやまるな!」
ポルナレフは思わず叫ぶと同時にタバサが『レビテーション』をルイズにかけた。

ルイズが地面に軟着陸し、ゴーレムと向かい合う。
そのゴーレムの肩にはいつの間にかフード付きのローブを身に纏った人の姿があった。
「あ、あれはまさか『土くれ』のフーケ!?」
キュルケがそれを見て叫んだ。

「あら。お嬢ちゃん、まさか一人で私の相手をするつもり?」
フーケはルイズが一人風竜から落ちてくるや、杖を構えたのを見てせせら笑った。
「わ、私だってやる時はやるんだから…!」
ルイズの声が震えているのに、ますますフーケは笑った。
「お嬢ちゃん、勇気と無謀は違うのよ?お嬢ちゃんのはただの無謀よ。風竜の彼等みたいに大人しく尻尾を巻いて学院に帰った方が身の為じゃなくて?」
「ふざけないで!」
ルイズは怒鳴った。
「まだ…ミス・ロングビルがまだ森の中にいるのに私達だけで帰れる訳無いでしょう…?生死も分からないのに…死んだとか決め付けて…」
ルイズは精一杯声を出して言った。
「…あーお嬢ちゃんの言いたいことは分かったよ。それじゃあそのロングビルの後を追わせてやるよ!」
フーケのゴーレムは足を上げるとルイズを踏み潰そうとした!
ルイズはそれに杖を向け『ファイアボール』を唱えたつもりだったが、いつも通り爆発が起こり、ゴーレムの足は粉々になった。

フーケは少し不快感で顔を歪ませたが、気を取り直して足を再生させるとまた踏み潰そうとした。
ルイズは再度『ファイアボール』を唱えようとしたが、
「痛ッ!」
手に衝撃が走り、杖を取り落としてしまった。
見ると地面から小さなゴーレムの腕が生えていた。それがルイズの手から杖を叩き落としたらしい。
「はッ!二度も同じ手を使うもんかい!」
杖を拾うか?と考えた時には既に遅かった。ゴーレムの足がルイズのすぐ上にまで来ていたのだ。
ゴーレムの足が錬金により鉄に変えられる!
(やられるッ!)
ルイズは目を閉じ、無駄ではあるが、自然と頭を手で庇おうとした。
ズゥン…
ゴーレムの足がルイズを踏み潰した。

「あのお嬢ちゃん…まさか失敗魔法であたしのゴーレムの足を砕くとはねぇ…ちょっと恐れいったよ。」
フーケが独りごちた正にその時、
「いや、まだだ。まだ死んではいない…」
いきなりゴーレムの足元から声がした。
「……?」
「貴様のお陰で助ける事が出来た…貴様が『土』から『鉄』に変えてくれたお陰でな…」
「……?」
フーケはゴーレムの足を退けさせた。
「!な!何故あんたが!?」
ゴーレムが足を退けたそこには気絶したルイズ以外に『もう一人』いた。『いるはずの無いもう一人』は破壊の杖を携えたポルナレフであった。
「『土』や『砂』は切れない。それは粒子が細かいからだ。だから切ってもすぐにくっついてしまう…
だが、『鉄』や『岩』ならチャリオッツでたやすく切れる…!」
ポルナレフはギロリとフーケを睨み付けた。


To Be Continued...

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