ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

第6話 同じ匂い

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匿名ユーザー

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トリステイン魔法学園 学園長室

「なるほど…その少年の事か。実はなミス・ロングビル。その少年のことはよく分かってないのじゃ。」
さっそくロングビルはジョルノの事をオスマンに聞いていた。やはりまだよく分かっていはいなかったが。
「分かっている事はその少年がヘビを作り出す事と怪我を即座に治してしまうということだけじゃ。でもなぜ
そなたはその使い魔のことが知りたかったんじゃ?ま、まさかオヌシ狙っておるな!?」
「馬鹿は休み休み言ってください。クソジジイ。いやミスタ・オスマン。ただ気になっただけですよ。」
「ひっでぇ!クソジジイじゃないもんっ!…まったく。ワシもその使い魔のことは不思議に思っていたんじゃ。
亜人とミス・ヴァリエールは言っていたそうだが亜人には見えんし。すまぬな。力になれんで。」
「いえ、所でミスタ・オスマン。なぜ私がこの部屋に入ってきた時から私のお尻をさわっているのですか?」
「分かっていないのう。そこに尻があるからに決まってるじゃろう。フォッフォッフォ  ふごぉっ!?」
「オラァッ!!!!」

お~~~~と、ここでロングビルの金的蹴りが入ったァァァァ~~!!これは老人にはキツい!!

「……どんな気分だ?…動きたくても(痛みで)動けない気分はよぉぉぉ…」
「ま、待てミス・ロングビル!話せばわかるぅぅぅ!!!ってなんでわしの杖を持ってるんじゃ?
え?ちょっと、そんなの無理無理無理!!!らめぇぇぇぇ!!」 ズポッ

アッー!


まったく。期待はしてなかったが相変わらずのエロジジィめ。アレでちょっとは懲りただろう。
やっぱり自分であの男について調べるしかないようね。直接聞くわけにはいかないし。尾行でも
するしかないみたいね。

オスマンの貞操が奪われている同時刻 トリステイン学園図書室

「これは男性名詞。そんなに難しくないはず」
「わかりました。どことなくフランス語に似てますね」
「フランス?」
「こちらの話です。続きお願いします。」

放課後の事である。
青髪の少女こと雪風のタバサと金髪の亜人ことジョルノは学園の図書室に来ていた。
元々はタバサ一人で本を読もうと思って来たのだが途中でジョルノに図書館の居場所を聞かれてする
案内する形でここに連れて来た。どうやら彼は文字が読めないらしく文字を覚える為に図書館で勉強
つもりだったらしい。最初は貴族以外立ち入り禁止と説明したのだが亜人ですからといい張って乗り切った。
基礎文法だけでもいいから教えてくれないかと頼まれ最初はいやいや教えていたタバサだがジョルノの飲み込みの速さに
驚いていた。頭はご主人様よりはずっといいらしい。タバサは昨日ジョルノ達のババ抜きに参加したときに彼が只者ではないこと
は薄々感じてはいた。彼が負ける事はなかったのだ。それはジョルノがスタンドを使って皆のカードを盗み見ていたのからなのは内緒だ。
彼のご主人。ゼロのルイズことルイズも勉強は確かにできるがそれは自分が馬鹿にされてるのをバネにがんばったからであろう。
彼女は勉強以外はからっきしだ。そんなルイズが召喚した使い魔。本人は亜人と言ってはいるけどとても亜人には見えない。
そんな彼をタバサはじっと見つめてみた。なかまになりたそうに見つめてみた。
(カワイイ髪型。あそこの三つの穴に…指を…入れてみたい…)
「どうしましたタバサ。まだ途中ですが」
「お願いがある。勉強を教えた御礼だと思って聞いてほしい。」
ほのかに顔を赤らめてモジモジし始めたタバサ。傍から見れば告白する前にも見える。だが
「アナタの頭をさわらせてほしい。」
やっぱり違った。

ジョルノは正直戸惑っていた。こんな事を言われたのは初めてだし。
(触らせてほしい?本当にそれだけなのか?考えがわからない。イタズラな気持ちはないみたいだが、触らせたくはない。)
タバサはじっとこちらを見ている。純粋に頭を触りたいだけのようだ。
「おねがい。」

じぃ~~……

「どうしても…」

じぃ~~……

「触らせなければこれ以上教えない。」
「わかりましたよ。やれやれ。」
そこまでして触りたのか。呆れつつもタバサの前まで行ってあげる。ホントに小さい子だな。
「手が届かない。しゃがんで。」
「イスがあるでしょう。それを使ってくださいよ。」
「じゃあ教えない。」
ホントにやれやれだ。
「これでいいですか?タバサ」
コクッとうなずくとタバサはジョルノの頭に手を置いてそしてッ!
ズポッ アッー!
ジョルノの三つの発射口に指を突っ込んだッ!! 上のほうで同時にアッー!と聞こえた気がする。気のせい気のせい。

(彼の髪…柔らかい…それにいい匂い。)
タバサは抱きしめるように頭を撫でている。すこぶる上機嫌だった。それは周りから見れば異様な光景でもあったが。
男がひざまずいて少女にズポズポされています。これだけ聞いたらすごい勘違いされそうだ。
タバサはうっとりとした表情でジョルノの頭をやさしく撫でつつ指を入れていた。だから違うってば。
「あの、タバサ?」
「……ごめんなさい。でも、もうちょっとだけ…」



こんなに安らぐのはなぜだ。頭を撫でる指がやさしくこそばゆいが気持ちいい。
頭を撫でられるなんて生まれて初めてかもしれない。他人に頭を撫でられる。決して珍しいことではない。
最初はいやで仕方がなくだったのに。タバサは夢中で僕の髪を撫でている。


義父が幼いジョルノに教えたことは他人に卑屈な態度をとる性格。母が教えてくれたことは
冷たいゆりかごで一人母を待つ絶望感だけだった。目の前の少女は母と呼べるような歳でもなければ悪いが体の成長も
未発達で母性と呼べるものは持ち合わせているようには見えない。でもジョルノは今まで味わったことのない母性というもの
を生まれて初めて感じていた。とても優しい指使い。眠くなるような安堵感があった。


そんないいムードを離れて除く桃色の髪と赤いトカゲ。もちろんルイズである。
「な、なによアイツッ!!どこに行くかも言わないで後をつけてみたら…タバサとデレデレしてっ!!」
「きゅるきゅる」(いや、デレデレはしてないよ。絶対)

「しかもなによあの顔!気持ちよさそうな顔してるじゃない!穴に指入れられると気持ちいいわけっ!?」
「きゅるきゅる」(その言い方やめようよ。誤解されるよルイズ)
「うるさいわねっ!誤解されても別にかまわないわよ!ってうわあああ!」
「きゅるきゅる」(うわあああ!って…そんなに驚かなくても…結構凹むわぁ…)
「なんでキュルケの使い魔がここにいるのよ!キュルケ!貴様見ているなッ!?」
自分がサラマンダーの言葉を理解していることに終始気がつかないルイズであった。


一方。こちらは…

あの男はどこに行ったのかしら。ヴァリエールのワガママ娘の部屋にもいない。
ロングビルはルイズの部屋まで来てみたが人の気配はない。留守か。
すると隣の部屋で扉が開く音がして、中からは褐色の少女が出てきた。ツェルプストー家の娘か。
「あら?ミス・ロングビル。こんな所で何を。」
「私はミス・ヴァリエールの使い魔に用事があって来たのですが。ご存知ですか?ミス・ツェルプストー」
「ええ。知ってますよミス・ロングビル。今から会いに行く所ですわ。」
「よろしければご一緒してよろしいでしょうか?」
「かまいませんわ。今いい所みたいですから早く行きましょう。」
「は、はい」
いい所?何を言ってるのかさっぱりわからない。まあいいわ。

着いた所は学園の図書室だった。ここにいるのだろうか。入り口の前ではサラマンダーと
ヴァリエールが何か言い合ってた。
「だいたいアンタなんでジョルノの監視してるのよ!」
「きゅるきゅる」(いい男がいたらホイホイ着いて行くのが俺の仕事さ。)
「だまらっしゃい!!あんの万年発情女めぇぇぇえ!」
「きゅるきゅる」(そんなに怒らないでよルイズ。ホラ深呼吸して。)
「アナタだって尾行してるじゃない。人のこと言えるのかしら。ルイズ。ありがとうフレイム。」
「きゅるきゅる」(マスターもがんばってね。)
「キュ、キュルケ!アンタなんで使い魔に尾行なんか。」
「愚問ね。私の愛しいダーリンがどこにいるのか気にならないわけないじゃない。」
「確かに彼はいますけど…その、なんというか私達が行ってはいけない雰囲気なのですが。」
そうなのだ。先ほどの状態から移動してソファでタバサが膝枕するようにしてジョルノの頭を撫でており
あの警戒心の高そうなジョルノが気持ちよさそうに眠っているのだ。信じられない。つーか近寄りがたい。
どうしようかねぇ。見つけたけど眠ってるじゃないか。一回秘書室に戻ろう。
そこにズケズケと入っていくルイズとキュルケを尻目にため息混じりにロングビルは自室に戻っていった。


「ターバサ!悪いわねダーリンと仲良くしてるところ邪魔して。」
「ちょっとタバサ!人の使い魔に勝手なことしないでくれる?」
「静かにして…彼が起きる。」
「「はい…」」
タバサから放たれる殺気と呼ばれるプレッシャーによって押し黙る二人であった。

それにしても……

「はぁ~……ダーリンの寝顔って初めてみるけどカワイイわねぇ。」
「な、なんかムカツクわあ!鼻に杖でも突っ込んでやろうかしら!。」
「や め ろ」
「は、はいぃ……でもタバサ。なんでアンタの膝の上でジョルノが眠ってるのよ」
「いろいろあった。」
「「いろいろ?」」
「そう……いろいろ。」

図書館の窓から入ってくる強めの風が気持ちいい。




僕は図書館で確かタバサに頭を触られて……新手のスタンド攻撃!?……ン?

「あ、起きたわね。おはようダーリン。もうすぐ夜だけどね。」
「ご主人様ほったらかしにして他の女の子と寝ている使い魔なんてどこにいるのよ!まったく!」
また勘違いされそうなことを。ん?他の女の子?この頭の下にある暖かいものは。

膝枕した時すぐに眠ってしまったのか。
その膝枕してくれたタバサはソファにもたれかかって眠っている。

「さっきまでは起きてたんだけどね。眠ってるようだしなんか起こしずらくって。タバサの寝顔もかわいいけど
ダーリンの寝顔もなかなかカワイイ顔してたわよぉ。」
「なかなかの間抜け面だったわよ。犬ぅ。オラオラオラ」 ツンツンツン

つつくな。弱みを握られたようで不快な気分だ。それにルイズがなぜ怒っているのかさっぱり分からない。





お父様と一緒にお話した事。今でも覚えている。


「ねえお父様。お父様が王様になるって本当なの?」
「どうかな。シャルロットは私が王様になれると思うかい?」
「うんっ!だってお父様優しいもんっ!」
「そうか。でもお父様はあんまりなりたくはないな。」
「どうして?王様になれるんだよ?」

父の大きく手が私の頭を優しく撫でる。その感触と温もりは今でも覚えている。

「いいかいシャルロット。王様になるって事はそれだけ他の人と仲が良くなるし悪くもなるんだよ。
それはとても大変で悲しい事なんだ。人も一杯死んでしまうだろう。大事な家来を失いたくないからね。
それに私は兄さんを王にしてもかまわないと思っているよ。いや、王にしたいと思っている。」
「私ジョゼフおじさん嫌い…怖いもん。」
「そうか怖いか。確かに兄さんはいい顔立ちの癖に人相はよくないようだね。」

お父様は愉快そうに笑いながら。でも困ったような顔をしていた。
「確かに兄さんは愚か者だ。だけどそれでも私の兄さ。いろいろ助け合っていけばいずれかは
兄さんも成長していずれちゃんとした王の器になると私は信じているよ。兄さんの事を。」
「でも、それでもお父様が王様になれたらいいな。」

お父様はニッコリと笑いながら私を抱きかかえて食堂へ連れて行った。

食堂にはお父様とお母様。それに他の家来のみんながいた。

「お誕生日おめでとうございますシャルロットお嬢様。さあローソクに火をお付けください。」
「さあシャルロット。ローソクに火をつけて」
「うん!でも私一人じゃさみしいから」

私はお父様とお母様の手をとって

「一緒につけよっ!」

三人でローソクに火をつけた

「お誕生日おめでとうシャルロット。」
「おめでとうシャルロット。お母さんからはプレゼントがあるのよ?」

「この箱の中?開けていい?お母様」
「いいわよ。開けてみなさい。」

箱の中には黒髪のショートカット。それでいて愛らしい目をした私と同じ小さな女の子がいた。

「お父様っ!お母様っ!ありがとう!私このお人形一生大事にするねっ!」
「大人になっても人形遊びなんてしてたら笑われてしまうよシャルロット。」

お母様もクスクス笑っている。いじわる。

「そうだねシャルロット。一生大事にするならお名前をつけなきゃいけないな。」
「んとねっ!タバサ!この子はタバサだよ!お父様!」
「タバサちゃんか。私の娘と仲良くしておくれ。ミス・タバサ。」
「なんだかシャルロットにもう娘ができちゃったみたいで悲しいわぁ。幸せになるのよ~」

お母様ったら。この子はお友達だもん。

私の誕生日にできた新しいお友達。ずっと大切にするね

「さて、ケーキを食べてしまおうか。ほら二人とも皿を出して」

お父様が自分で切り分けたケーキを私の皿にのせる。

「お早いうちにどうぞ私のお姫様。ほらお口を開けて」

お父様がケーキを私の口に運ぶ。甘くておいしい。

「おいしい。ほら、お父様も食べてっ」

私もお父様のお口にケーキを運ぶ。

「うん、これはおいしいな。コックの給料を上げなくてはいけないね。」

コックの人は苦笑いしている。お父様もお母様もみんな楽しそうだった。

「お父様、ちょっとしゃがんで。」
「どうしたんだい。シャルロット」
「私もお父様がやって下さったようにお父様を撫でてあげたいのっ!しゃがんでしゃがんで!」
「光栄でございますお姫様。それではお願いいたします」


お父様の髪はとっても柔らかくて、懐かしい匂いがした。



自分の頬に涙が伝っている事に気がついて私は目を覚ました。


ここは……私の部屋。私は彼に膝枕してキュルケ達が来てその後……
彼が私を運んでくれたのだろうか……彼はいない。
周りを見ると机の上に何か文字が書いてある紙がある。

「夜食を作ってくれるメイドさんがいますので起きたら僕の所に
来てください。 ジョルノ・ジョバーナ」

彼からだった。綺麗な字。覚えるの速すぎ。
外はもう真っ暗だった。夜食は太りやすいと聞くけどおなかがすいてるし食べに行こう。




「さあ、どんどん食べてくださいね。ジョルノさんにミス・タバサ。おまけにミス・ヴァリエール」
「おまけにってなによちょっと!貴族に対しての礼儀ってものを知らないようねっ!」
「ジョルノさんのご飯を抜いたりするような人にそんな礼儀は必要ないですから。」
ギャアギャア言ってる二人を尻目にすさまじいスピードであっという間に平らげるタバサ。
「それにしてもすごい食欲です。そんなにお腹が減っていたんですね。」
元々大喰らいみたいだけどあんな細い体のどこにはいっているのだろうか。

「ジョルノ。食べて。」
「自分で取りますよ。邪魔です」
「私が食べさせてあげたい。駄目?」
(やれやれだ。この娘にはなぜか僕は弱いらしい。)

ジョルノは観念したのかスプーンを置いた。
「一回だけですよ。」
コクッ っとうなずくとタバサは鶏肉のいためにすばやく自分で調合したはしばみ草を数種類ブレンドした物
(別名 ヤムチャの粉)をかけてジョルノの口元にに運ぶ。ちょっと彼の困る顔がみたい。楽しみ。
「ディ・モールトグラッツェ(どうもありがとう)」
さあ、殺人レベルのはじばみ草の苦味を喰らえッ!!

「苦味が利いていてとてもおいしいですね。」
あ、あれ?おかしいな。まさか私と同じタイプの味覚?
「気に入りました。アナタのブレンドしたこの調味料。後で分けてもらえますか?」
ばれてた。入れたのバレバレだった。分からないように入れたのに。
「よくできました。」 ぱちぱちぱち
拍手でごまかしてジョルノの頭を撫でる。懐かしい匂い。お父様と同じ。
彼から感じてたのはお父様の面影。同じ匂い。全然似てないのに。不思議な人。

「ちょっとジョルノ。私のも食べなさいっ!」
「そんな胸ナシ脳筋ツンデレ生物ほっといて私のを食べてくださいよジョルノさん!」
だれが胸ナシ脳筋ですってェェェーーー!! ホントの事だろうがァァァア!! 
ジョルノはやれやれ うるさくて仕方がないといった感じでその様子を眺めている。


そんな三人を見てタバサはクスクス笑った。


この後ルイズが寝る前に「わ、私にも膝枕しなさいっ!」と言って甘えようと
したルイズだったが「疲れるからいやです」と即効で断られてスネてちょっと泣いたルイズであった。



to be continued

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