ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

L・I・A 第01話

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第01話~東方仗助、ハルキゲニアに立つ~

鳥の巣。
そう形容するのがしっくりくる。アラレちゃんのように枝で突っつけば、ポッポッポ、ハトポッポと言わんとばかりに可愛らしい鳥が出てきそうである。
それが、その男の頭だった。
「変な頭」
それが、彼女の目の前の男に対する第一印象であった。

「何処なんだよぉ~~~ここはよぉ~~~~」
男、東方仗助も困惑していた。自分は杜王町にいたはずだ。
先の、スタンド使いが一同に集結した騒動から一年。一つ学年を上げた仗助も、まだまだ青さは十分なものの、“大人への階段”ってヤツを少しずつ上るように成長していた。
元々、背はあるほうであったが、やはりジョースター家の因縁というか因果というかジンクスのせいか、今でも伸び続け、承太郎にほぼ近いほどになった。
ま、彼も彼なりに成長していると言うことだ。
「でよぉ~、その先公がよぉ~」
今日も隣で駄弁ってるコイツと家路につく。
虹村億泰。先の騒動では敵として出会ったが今では最高にグレートな悪友だ。時折、康一を混ぜてつるむのだが、三人全員がスタンド使いだからこそだ。
スタンド使いは引かれ合う・・・能力がなければ彼らはこうなることもなかったろう。

「そういえばよぉ~」
億泰が唐突に切り替えてくる。
「トニオさん、何処に行ったんだろうなぁ~?」
そう、レストラン「トラサルディー」の店主、トニオが1ヶ月前程に店を休業したのだ。貼り紙では2ヶ月程で戻ってくるという話であったが。
「たしかヨーロッパあたりを見て回るって聞いたぜぇ~?」
仗助が答える。
「あの人の料理は最ッ高!だぜぇ~?何てったって、食べたらズビッ!だからなぁ~」
「俺は苦手だぜぇ~~あの人はよぉぉ~~。」
何事もないのどかな日常の、他愛ない若者の会話であった。あったのだ。
しかしっ!日常はっ!突然にして破られるものだッ!“非日常”によってッ!!
ムゥオォォォォン・・・・
それは唐突だったッ!突如仗助の目の前に、鏡の様な楕円形の物体が現れたのだっ!!
「なんだぁ~~~?って、うぉッ!?」
予期せぬ現象に驚くも、仗助はやってしまったッ!!“鏡”の中に足を“踏み入れて”しまっているッ!!!
ズギュン ズギュン
「仗助ェェェェェェ!」
億泰が手を掴んで引っ張るものの、一向に止まらない。
ズズズズズズズズズズ

生身とスタンドのダブルで引っ張っても止まらない。
ゆっくりとッ!そして確実にッ!仗助の体が引き込まれていくッ!
「億泰、やめろッ!オメェも引き込まれちまうぞッ!」
「クソッ!スタンド攻撃なのかよコイツはよぉ~!!」

先の騒動であれだけのスタンド使いが現れたのだ。今更ながら潜伏しているやつが居てもおかしくはない。
「この鏡みてぇのが・・・ウダラァーー!!」
ドゴォォッ!!
ザ・ハンド。仗助のクレイジー・ダイヤモンド程ではないが、パワーは折紙付きだ。
「んだとおぉぉ~~~!?」
全く無傷であったッ!
いくら殴っても傷一つ付かないのだッ!スタンドであれば幾分かのダメージがあっても不思議ではないのだが、彼らは勘違いをしていたッ!この物体が“スタンドではない”という事にッ!
「ドラァァ!!」
ボゴォォォォ!
「ヘブッ!!」
もう、下半身が完全に飲まれてしまったころ、突如仗助が、自らのスタンドで億泰を吹っ飛ばしたのだッ!億泰も予期せぬ仗助の行動に反応できず、まともに吹っ飛ばされてしまった。
「グレートたぜぇ~~億泰よぉ~~。だけど無理すんな。やられるのは俺だけでいいぜ。」
もう、首の近くまで飲み込まれている。
「仗助ェェ~~」
「なんかよぉ~~~死ぬって感じがしねぇんだよなぁ~~~。なんか呼ばれてるって感じがするんだけどよぉ~。マジヤバそうだからよぉ~承太郎さんあたりに連絡しとけよ?もしかしたら助かるかもしれねぇからなぁ~~~~・・・・・」
そう言って仗助は“この世界”から消えた・・・・・・・

周りには何も見えない。真っ暗だった。
「これからどうなっちまうんだぁ~?」
状況とは裏腹に口調は軽かった。まだ子供と言えど杜王町の危機を救ったヒーローの一人であり、ある程度の“死線”や“極限状態”と言うものに耐性がついているのである。

ズズズズズズズズズズ・・・・

また、引っ張られるのか。そう思って向けた視線の先には、
キラーーン
光が見えた。しかもどんどん近づいてくる。否、こっちが引き寄せられているのだッ!
真っ白な光はドンドンと広がっていき、そして・・・・・
ドサァァ!!
ケツから地面に落っこちた。
「アオッ!」
モゥモゥモゥモゥ
「イテテ、何なんだよぉ~~」
周りに煙が立ち込めている。しかし、それも次第に晴れてくる。煙の向こうは・・・・・
「何処なんだよぉ~~~ここはよぉ~~~~」
広い野原が視界に広がっていた。そして・・・・・
「あんた誰?」
見たことのない格好の少女に名を聞かれた。
「あ、オレッスかぁ~~?」
この男、基本的に見知らぬ相手には低姿勢である。ただ名前を聞かれただけなので、反射的に答えていた。
「東方仗助ッつーモンです」

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