ドドドドドドドドドドドドド…………
ルイズが後ろを振り向くと奇妙な声の主は、クレーターが作るわずかにできた影の部分に立っていた。
少し離れた距離。ちょうどルイズの影の頭の部分が使い魔の足元に伸びている。
黒い帽子に、黒いマント、顔に奇妙な仮面を付けているためか妙な威圧感を放っている。
少しルイズの方が背が低いため見下ろされてしまっている。視線をルイズに合わせたままピクリとも動かない。
ルイズはルイズでヘビに睨まれたカエルのように動けずにいた。
(なにこいつ!?なんで後ろにいるの!?こっちみんな!)
少し離れた距離。ちょうどルイズの影の頭の部分が使い魔の足元に伸びている。
黒い帽子に、黒いマント、顔に奇妙な仮面を付けているためか妙な威圧感を放っている。
少しルイズの方が背が低いため見下ろされてしまっている。視線をルイズに合わせたままピクリとも動かない。
ルイズはルイズでヘビに睨まれたカエルのように動けずにいた。
(なにこいつ!?なんで後ろにいるの!?こっちみんな!)
混乱する頭を落ち着かせようと必死の努力。使い魔のルーンが出た奇妙な箱から火が出たと思ったらこいつが出てきた。
つまりどういうこと?…………もしかしてコレが私の使い魔?
(素数よ!素数を数えて落ち着くのよ!1……2……3、5……これが使い魔というなら……やることはたったひとつ!『逃げる』!)
ルイズは混乱している。
つまりどういうこと?…………もしかしてコレが私の使い魔?
(素数よ!素数を数えて落ち着くのよ!1……2……3、5……これが使い魔というなら……やることはたったひとつ!『逃げる』!)
ルイズは混乱している。
「おまえ…『再点火』したな!」
再びさっきと同じセリフをルイズに向かって言う。口の動き方から仮面ではなく本当の顔のようだ。
ルイズは、ハっとしたように聞き返す。
「『再点火』?なによそれ?えーと、ていうか、そうだあんた名前は?」
質問を質問で返してしまったが、相手の言ってることが分からないから仕方ない。
それにお互いの名前を知ることは、信頼関係を築くうえでまず最初にすべきことであろう。
再びさっきと同じセリフをルイズに向かって言う。口の動き方から仮面ではなく本当の顔のようだ。
ルイズは、ハっとしたように聞き返す。
「『再点火』?なによそれ?えーと、ていうか、そうだあんた名前は?」
質問を質問で返してしまったが、相手の言ってることが分からないから仕方ない。
それにお互いの名前を知ることは、信頼関係を築くうえでまず最初にすべきことであろう。
使い魔は身体を傾けると下を向いた。視線の先にはルイズの影法師。
「チャンスをやろう……向かうべき『二つの道』を!」
質問を質問で返されたら無視ですか。そうですか。
「チャンスをやろう……向かうべき『二つの道』を!」
質問を質問で返されたら無視ですか。そうですか。
再点火……チャンス……二つの道……何を言っているんだコイツ頭脳がマヌケか?
こっちの混乱を無視するように使い魔は勝手にしゃべり続ける。
「チャンスには…『お前が向かうべき二つの道』がある」
「『お前』って、一応あんたと私は主人と使い魔の関係なんだから、その呼び方は許さないわよ」
ルイズが話をさえぎって釘を指すが
こっちの混乱を無視するように使い魔は勝手にしゃべり続ける。
「チャンスには…『お前が向かうべき二つの道』がある」
「『お前』って、一応あんたと私は主人と使い魔の関係なんだから、その呼び方は許さないわよ」
ルイズが話をさえぎって釘を指すが
「ひとつは生きて『選ばれる者』への道」
はい、シカト。ていうかなによ、選ばれる者って。主人を選ぶ権利はこっちにあるぞってこと?
そうルイズが言おうとしたとき、使い魔はルイズの影に向かって両腕を伸ばした。
するといつの間にかルイズは使い魔の目の前に移動し、そして両肩を掴まれている!
「きゃあ!」
「もうひとつは!さもなくば『死への道』……!」
「なに言ってんのよ!離しなさい!」
動いて必死に抵抗しようとするが……全く動くことができない。
痛みはないがルイズを掴む使い魔の腕からとんでもない力を感じる。
ルイズが使い魔を睨みつけると、ちょうど使い魔はその大きな口を開けた。
はい、シカト。ていうかなによ、選ばれる者って。主人を選ぶ権利はこっちにあるぞってこと?
そうルイズが言おうとしたとき、使い魔はルイズの影に向かって両腕を伸ばした。
するといつの間にかルイズは使い魔の目の前に移動し、そして両肩を掴まれている!
「きゃあ!」
「もうひとつは!さもなくば『死への道』……!」
「なに言ってんのよ!離しなさい!」
動いて必死に抵抗しようとするが……全く動くことができない。
痛みはないがルイズを掴む使い魔の腕からとんでもない力を感じる。
ルイズが使い魔を睨みつけると、ちょうど使い魔はその大きな口を開けた。
口の中は何もなかった。歯も舌も無い。ただの暗闇、暗黒空間、ガオン。
食べられる!ルイズがとっさに思ったのはそれだった。思わず目をつぶり、固まってしまう。
食べられる!ルイズがとっさに思ったのはそれだった。思わず目をつぶり、固まってしまう。
しかし、次に何も起きなかった。ルイズに合わせる様に使い魔もピクリとも動かなくなる。
恐る恐る目を開けてみると、口を開けたままの使い魔がそこにいた。
ルイズには不思議と使い魔が戸惑っているように感じた。
恐る恐る目を開けてみると、口を開けたままの使い魔がそこにいた。
ルイズには不思議と使い魔が戸惑っているように感じた。
「『矢』が出てこない」
確かに使い魔がそう呟いた。
「矢?」
オウム返しのようにルイズが聞き返すがやはり返事は無かった。そのかわり後ろから聞こえてくるよく知った声の呪文。
確かに使い魔がそう呟いた。
「矢?」
オウム返しのようにルイズが聞き返すがやはり返事は無かった。そのかわり後ろから聞こえてくるよく知った声の呪文。
キュルケの放った火の球がルイズの使い魔をぶっ飛ばす。
「何ボーっとしてんのよ」
キュルケが叫ぶ。その声に想像以上の安心感を持ったルイズだったが
「危ないじゃない!私にも当たったらどうすんのよ!」
この女に素直にお礼は言えない。というか今のは本当に危なかったろ。
「何ボーっとしてんのよ」
キュルケが叫ぶ。その声に想像以上の安心感を持ったルイズだったが
「危ないじゃない!私にも当たったらどうすんのよ!」
この女に素直にお礼は言えない。というか今のは本当に危なかったろ。
「何言ってんの。これだけ離れてたら当てないわよ。あんたじゃないんだから」
簡単な挑発になりそうになるが、堪えて前を見てみるとキュルケの言うとおりだった。
ルイズは使い魔の立っていた場所から、ちょうど影ひとつ分離れていたのだ。
(さっきは確かに使い魔と目と鼻の先に立ってたはずなのに!)
疑問符を上げるルイズにキュルケが少し緊張感を持った声で説明する。
「あの使い魔がアンタの影を触ったと思ったら、アンタ急に動かなくなって叫び始めたのよ」
簡単な挑発になりそうになるが、堪えて前を見てみるとキュルケの言うとおりだった。
ルイズは使い魔の立っていた場所から、ちょうど影ひとつ分離れていたのだ。
(さっきは確かに使い魔と目と鼻の先に立ってたはずなのに!)
疑問符を上げるルイズにキュルケが少し緊張感を持った声で説明する。
「あの使い魔がアンタの影を触ったと思ったら、アンタ急に動かなくなって叫び始めたのよ」
影……ルイズは改めて思い出す。そういえばあの使い魔が私の肩を掴む前に影を触ってたような……
もうこうなったら信頼関係もなにもない。とりあえずとっちめて何をしたか聞きだそう。
とっちめて…………
「まさか死んだってことはないわよね」
ルイズが思わずキュルケに尋ねる。
「まさか、足元を吹っ飛ばしただけよ。砂埃が消えたらすぐに見えるわ。感謝しなさいよ~ミ・ス・ヴァリエール?」
クッと思わず声を漏らしてしまう。くそう。せめてあの使い魔に言うこと聞かせてやる。
決意を胸に秘め、サモン・サーヴァントの時のように杖を強く握る。
(ねーちゃん!あしたっていまさ!)
2人の姉の横顔が空に浮かんで見えた気がする。
もうこうなったら信頼関係もなにもない。とりあえずとっちめて何をしたか聞きだそう。
とっちめて…………
「まさか死んだってことはないわよね」
ルイズが思わずキュルケに尋ねる。
「まさか、足元を吹っ飛ばしただけよ。砂埃が消えたらすぐに見えるわ。感謝しなさいよ~ミ・ス・ヴァリエール?」
クッと思わず声を漏らしてしまう。くそう。せめてあの使い魔に言うこと聞かせてやる。
決意を胸に秘め、サモン・サーヴァントの時のように杖を強く握る。
(ねーちゃん!あしたっていまさ!)
2人の姉の横顔が空に浮かんで見えた気がする。
だが結局その決意は無駄に終わる。
砂埃が消えた時残っていたのは、新たに作られたクレーターだけだった。
砂埃が消えた時残っていたのは、新たに作られたクレーターだけだった。
To Be Continued 。。。。?