ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

ストレイツォ-4

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ルイズが寝付いたのを確認した後ストレイツォは行動を開始した。
建物の構造を知る為と敵の有無を確認するためである。
あらかた見て回り危険は無いと判断出来たので、水場の探索にうつる。
そして洗濯場らしき所を発見したが、洗濯道具が無い事に気付いた。
(水だけでこすり洗いするか?いやそれでは汚れが)
修行の一環として自分の事は自分でやってきたストレイツォは、意外とこういうことが好きだった。

結局誰か洗濯に来るまで待つ事にしたストレイツォは、ルイズの部屋に戻ってきていた。
夜なら指一本触れさせないと言った以上は律儀にそれを守る気である。
ルイズの健やかな寝息を聞く内に夜は白み始めていた。
本来なら暗所に引っ込む時間であるがそうはいかない。
ローブを着込み光を遮断する。

確かに活動はできるが気分のいいものではない。
人間で例えれば、ビニール袋を被って毒ガスに突っ込むようなものだ。
破損を恐れ大幅に動きが制限される。

朝になったので洗濯に来た黒髪のメイドは、またしても吸血鬼と関わる事になる。
「貴方は血と服を持ってきてくれた。その節はありがとうございました。何度も頼んで
恐縮なのですが、洗濯道具を貸して貰えませんか」
五重ローブでもこもこしている吸血鬼は礼儀正しく言った。
(うわー本当にローブ全部着てる。暑くないのかしら)
なんてこのメイド-シエスタという-は思うのだった。

「それじゃストレイツォさんは、ニューヨークという所からいらしたんですか」
「そういうことになります。驚くような大都会でした」

二人は自然に並んで洗濯しながら雑談を交わしていた。
この吸血鬼悪い人ではなさそうだ。
しかし雑談の話題にそろそろ薪が足りなくなると言った事から
シエスタは吸血鬼の恐ろしさを知る事になる。

「少し恩返しをさせてください。一本で足りるかな」
「一本?」

ストレイツォは近くの木に素早く移動すると、無造作に手刀を叩き込んだ。
かなり太さのあったその木はそれだけであっさりと倒れた。

「どこに運びましょう」
木を担いだ吸血鬼を見て、シエスタは引きつった笑いを浮かべた。

洗濯を終え部屋に戻ったストレイツォは護衛を再開した。
とっくに朝になり人が活動する気配を感じる。
しかしルイズは未だに幸せな夢の中だ。
昨日は自信を失ったり、平手食らったりしたけど、使い魔が実は吸血鬼で私は元気です。

ストレイツォも特に起こそうとは思わない。
必要な時間になれば自分で起きるものだと思っている。
そんなわけでルイズはいつまでも幸せだった。

「何か用ですか」
ドアがノックされたので外に出たストレイツォの前には、褐色赤髪の女性と謎のトカゲがいた。
初めて見るその生物に少し驚きながら対応する。
女性もローブ姿のストレイツォを見て少し驚いたようだった。
「あなた昨日の使い魔よね?ルイズ起こしてあげないと、朝食に遅れるわよ」
女性はルイズの友人のようだ。どうやら起こさなければいけないらしい。

「忠告感謝します。私は使い魔のストレイツォといいます」
「私はキュルケよ。この子は私の使い魔、フレイム」
尻尾に火がついた巨大なトカゲがこちらを見る。
「火竜山脈のサラマンダーよ。ところで何でそんなに着込んでるの?」
生息地も種族名も分かるという事は、こちらではポピュラーな生き物なのだろうか。
とりあえずローブの訳を簡単に答えておく。
「日中も護衛をすることになってしまったので」
「裸だったしとりあえずの服って事?でも残念ね、結構美形だったのに。
じゃあ私はそろそろ行くわ。ねぼすけのルイズをよろしくね」
そう言い残すとキュルケは食堂へと向かった。
(ストレイツォか。知能もあるようだし、一体なんて種族かしら。あぁルイズ楽しい子)


起こされたルイズは不機嫌だった。
キュルケにまた忠告されたのが気にくわないらしい。
そしてその矛先はストレイツォに向かう事になる。
「大体、あんたが起こさないからいけないのよ!」
「まさか自分で起きられないとは思わなかった。すまない」
「い、いつもはちゃんと起きるの!昨日はちょっと色々あったから。
使い魔なら気ぐらい効かせなさい!」
「努力はします。ところで急がないでいいのですか」
「分かってるわよ!制服と下着取って!」

急いでいるのか昨日のように脱がせろとは言ってこなかった。
もの凄い早さで着替えを終えたルイズは食堂に向かう。
食事に遅れるわけにはいかなかった。
今まで自分を蔑んできた者達に使い魔を誇示するのだ。

ストレイツォを伴って『アルヴィーズの食堂』に入ってきたルイズを見て、
クラスメイト達は一瞬沈黙した後一斉に笑った。
彼らは頭と胸だけのストレイツォを見ている。
そしてあの傷ではもう死んだだろう、というのが大勢の意見だった。
だとすれば使い魔を失ったゼロは、一体どんな顔をして授業に出てくるのか?
という意地の悪い影口が交わされていた最中である。
そこに、ルイズが堂々とローブで顔を隠したストレイツォを連れてきたのだ。
事情を知らない彼らが笑うのも無理はなかった。

「はははははっ。おいルイズ。それひょっとして使い魔のつもりか」
「どこでスカウトしてきたんだよ。その平民」
「顔を隠せば通ると思ってるのかよ。知能もゼロかあいつは」

あからさまに笑う者、あきれたように見る者、隣とひそひそ会話をする者。
反応は様々だったが、ルイズの望んだ畏怖や賞賛は無かった。

自分が見返してやろうと思っていたクラスメイト達に一斉に笑われて、ルイズは逆上した。
とっさに反論してしまう。
「な、な、何を笑ってるのよ!ストレイツォは平民なんかじゃないわ!吸血鬼よ!私が史上初めて」

最後まで言えなかった。
周囲の爆笑にかき消されたのだ。
今の状況でルイズの発言は道化そのものだった。

「きゅ、吸血鬼だって。あはははは、笑いのセンスはあるじゃないか、ゼロのルイズ」
「ぷっあははっ。だ、だめ。こ、こんな大声で笑うなんてはしたないのに。あははははっ」
「吸血鬼!それでローブなのね。屈辱に震えるあなたも可愛いわよルイズ」

始祖へのお祈りが始まっても小さく笑い声は聞こえてきた。
ルイズの後ろで直立して控える平民を見るだけで笑えてしまうのだ。
屈辱の中ルイズは食事を終えた。

食事を終え教室に向かう最中、ストレイツォにまたも八つ当たりする。
「あんた、ご主人様があんなに笑われて平気なの!吸血鬼らしくしてあいつらを黙らせなさいよ!」
「危害は無かった。それに、私が吸血鬼なのを公表する事に利益はありません」
いきなりルイズに暴露されてしまったが、吸血鬼な事はなるべく隠しておきたかった。
「ただの平民だと思われてるのよ!吸血鬼のプライドはないの!」
「思いたければ思わせておけばいいのです。相手を過小評価するのは、敗北の第一歩となる」
「ていうかアンタ本当に強いの?なんだか疑わしくなってきたわ」
ルイズはまだ再生と感覚の鋭敏さしか見ていない。
やはり日中無理矢理連れてきたのが失敗だったのだろうか。
疑うルイズにストレイツォは一言答えた。
「戦うとなれば、ストレイツォ容赦せん」

教室についたルイズはさらにクラスメイト達の視線と笑いを受けた。
ストレイツォは他の生徒の使い魔を見て、この世界のデタラメさを理解しだしていた。
今朝の火のついたトカゲよりも非常識な生物がわんさか集まっている。
非常識さで柱の男といい勝負だと思った。
しばらくするとシュヴルーズという女性教師がやってきて、魔法の基礎を説明しだす。
土水火風の四つに失われた虚無。
ドットからスクウェアまでのメイジの階級。
極めつけに土の基礎である練金として、石を真鍮に変えて見せた。
ストレイツォはこの世界が完全にデタラメな事を理解した。
こんなデタラメな奴らが昼に襲ってきたら、果たしてルイズを守れるだろうか。
もっとこの魔法やら幻獣を知らなければ。

そこで気になるのはルイズの魔法能力だ。
異世界から自分を喚び出すくらいだから、ああ見えて相当高いに違いない。

「ルイズさんはどの程度の階級なのですか?」
悪気なくそう聞いた。ルイズの階級と実力がわかれば、それを指標にして他の階級の
力も分かってくる。しかし、ルイズにこの質問は酷だった。
「あんたまで私を馬鹿にするのね。授業が終わったら覚えてらっしゃいよ」
「ルイズなんてドット以下の階級外さ。おまけに使い魔さえ死んでますますゼロだ」

笑いながら隣の太った少年が会話に割り込んできた。
さらに続けて言う。
「君も大変だね平民君。バレバレなのにそんな役続けさせられてさ」
「うるさいかぜっぴき!ストレイツォは吸血鬼だって言ってるでしょ!」
「僕は風上だ!まだ吸血鬼だって言い張るのか」

「お二人とも今は授業中ですよ」気がつくとシュヴルーズが目の前にいた。
周りのクラスメイト達はニヤニヤと見守っている。

「ミス・ヴァリエール、友人に対して失礼な名を使ってはいけませんよ。ちょうどいいから
前に出て練金をやってみなさい。金属の種類は問いません」

周りのクラスメイト達の笑いが消えた。「先生それはあんまりです」
「彼女をそっとしておいてやって!」「誰にでも不得意はあると思います」
セリフだけ聞けばさわやか三組みたいだが、みなの思いは一つだった。
その女に魔法を使わせるな。

「わかりました、先生」
それを聞いてクラスメイト達は机の陰に隠れ、始祖ブリミルに祈った。

いい加減頭に来ていたルイズは詠唱を開始する。
どいつもこいつも、この私を馬鹿にしてゆるされると思っている。
断じて否!ゆるされるわけがない… 誰だろうとこの私に対して侮辱をしていいはずがない……
小姉・大姉と魔力は優秀、王宮では姫様の話し相手をつとめ…
学院に出てからはゼロのルイズとあだ名がついた…
実家は別荘も持っている… 史上初めて吸血鬼を使い魔にした…
努力だって他人の50倍はしている!どんな教師だろうと私は爆破してきた…
いずれスクウェアにもなれる!(といいな) 私は…
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールだぞーーーッ

魔力が高まるのを感じる。
成功する!
そう思ったルイズは全力で練金を行った。
魔力はそれに応え、爆発した。

爆発の瞬間身をかわし、空いていた机の陰に飛び込みながら
ストレイツォはその威力に武者震いを隠せなかった。
階級外でこの威力!格闘者の血が騒いだ。

ストレイツォとルイズは教室に残って掃除をさせられていた。
逃げなかったシュヴルーズはまともに爆発に巻き込まれ、しばらくリタイア。
授業も休講となった。
最後の言葉は「罰として魔法抜きで教室を掃除しなさい」

そんなわけでルイズは机に座ってぼんやりとし、ストレイツォはてきぱきと掃除をしていた。
文句一つ言わず掃除をするストレイツォに、というより独り言のようにルイズが話しかけてくる。
「私の魔法はいつも失敗するわ。だから階級外。マリコルヌの言った通りよ」
先ほどの太った少年の名前らしい。
ストレイツォは手を休めず質問を投げかけた。
「魔法に失敗すると誰でもこうなるのですか?」
「他の誰だって失敗しても爆発なんて起きやしない。ただ失敗するだけ。でも私はいつも爆発する…」
「土水火風どの魔法でも?」
「それ以前の基礎魔法でもよ」
「ではどうやって私を召還したのですか」
「分からないわよ!」そんな事こっちが知りたいくらいだ。
自分の手順・理論は全て正しい。なのに何千回やっても結果は全て爆発。
召還だって何十回も失敗してようやく成功したのだ。

ストレイツォは掃除の手を休めルイズに向き直った。
「ルイズさん、少し私の話を聞いてください。私はこちらに来る前に50年以上、
武術をやっておりました」
「50年も。一体何歳なのよ」
ルイズには武術よりもそちらの方が気になった。
「75歳になります。武術の世界では時に、技を極めた達人が技もろくに知らない若者に
負ける事が起こります」
「75でその見た目かぁー。吸血鬼いいなー。それで?」
一応聞いてはいるようだ。続ける。
「何故そのような事が起こるか。原因は純粋な力。達人は技を極める為に長い年月をかけ、
代償として若さと力を失う。逆に若者には溢れんばかりの若さと力がある。
この力が時に達人を打ち砕くのです。」
そしてまた自分も。波紋法でも止められない老い。
いつか自分も技巧で覆せない力に破れただろう。

「ずっと鍛えても負けるようじゃ達人意味ないわね」
「鍛えているから、若者とも戦えると考える事もできますが。ここで私が言いたい事は、
若い内は技よりも力と勢いこそが武器だという事です。ルイズさんの爆発は私から見ても
素晴らしい物がありました。必ず爆発するなら、それを武器にしてしまえばいいのです」

ストレイツォが本気でそう思っているのがルイズにもわかった。
使い魔の慰めを受けて、ルイズは不覚にも泣きそうになる。
今まで誰も魔法をほめてくれる事なんてなかった。
しかしルイズのプライドが弱みを見せる事を拒んだ。
顔を背けながら心とは裏腹のセリフを吐く。
「わ、私は普通の魔法が使いたいのよ。失敗を武器にしろなんて、貴族に対する侮辱だわ!
もう、私は先に食事に行くから、掃除はやっておくのよ!」
そう言い捨てて顔を背けたまま教室から足早に出て行った。
そう言えばあいつ何も言わないし朝ご飯あげるのすっかり忘れてた。
ご主人様として食事はしっかり与えないとね。

ルイズは食堂で給仕をしていた顔見知りになった黒髪メイドに、血を用意するよう
申しつけておいた。
クラスメイト達はさっきの爆発の恨みか、まだ陰口を叩いているようだったが
不思議と朝ほど気にはならなかった。

掃除を終え食堂に向かったストレイツォは入り口でシエスタに呼び止められた。
ルイズに血を用意するよう言われたらしい。
ルイズの好意らしいそれをありがたく受ける事にする。

食堂で血をすするのを見せるわけにはいかないので、厨房の片隅でそれを吸収した。
「あんたが例の薪を持ってきてくれたんだよな?名前はストレイツォだっけか。
言ってくれりゃそんな捨てる血じゃなくて、余りの肉で作る賄いを食べさせてやるのによ」
料理長のマルトーという人の良さそうなおやじさんが言った。
彼は貴族の嫌がらせでストレイツォが血を飲まされていると思ったらしい。
「しかしあの薪さっそく使ってるが良く燃えるぜ。しっかり乾燥しててよ」
生木は切ってすぐだと水分が多すぎて燃えにくい。
ストレイツォは気化冷凍法の応用で木の水分を飛ばしていた。
「まぁ、また何かあったら厨房に来てくれよ。ご馳走するぜ」
「ありがとうございます、マルトーさん」
厨房の陰を選び一瞬でフードを跳ね上げ顔を見せお辞儀をしてローブを戻す。
多少顔が焼けるがその傷は先ほどの血で癒す。
礼儀正しいストレイツォにマルトーはますます好感を抱いたようだった。

さてルイズの護衛の再開だ。
食堂に移動すると一際大きな笑い声が聞こえてきた。
笑いの中心には、金色の巻き髪に薔薇をシャツに刺したキザなメイジがいた
その周りを囲んだ貴族との会話も聞こえてくる。
目でルイズを探していたので詳しく聞き取れなかったが、
突きあう、や多くの相手などが断片的に聞こえてきた。
多人数相手における突きの有効性を論じているのだろう。

その金髪のメイジが大げさな身振りをした時に、ポケットからガラスの小瓶が落ちた。
武術を学ぶ感心な若者だと思っているストレイツォは近くに寄って
それを拾ってやった。
「もし、ポケットからこれが落ちましたよ」
しかし無視された。
話に夢中で気付いていないのかと思い、今度は前に回り込んで話しかける。
「これを落としましたよ」
「なんだ、君は?ルイズの身代わり平民じゃないか。そんな小瓶僕は知らないね」
「確かにあなたのポケットから落ちるのを見たのですが」
その小瓶を見た周りの貴族達が騒ぎ始めた。

それからの事はストレイツォにはよく分からない。
香水はモンモランシーという女性の物でギーシュという金髪の男が
持っていてはいけなかったらしい。
ケティという恐ろしくいい平手を打つ女性がそのためにギーシュを罰し、
さらにモンモランシーも現れギーシュを罰した。
盛んに誤解だ誤解だと言っていたギーシュはワインまみれになり
こちらをにらんでいた。

「君のおかげで、二人のレディの名誉が傷ついた。どうしてくれるんだい?」
どう見ても傷ついたのはギーシュ一人だったが、とりあえず謝る。
「よく分からないがすまない。しかしその香水を盗んだ君が悪いのではないか?」
「ぬすっ…?!言うに事欠いて貴族を盗人呼ばわりとはな!この香水はモンモランシーに
貰ったものだ!」
「貰った物なら落とした時に受け取れば良かったのです」
「わからん平民だな!あの場は知らない振りをした僕にあわせて、後から持ってくるぐらいの
機転を利かせろといっているんだ!」

ギーシュの言葉は完全に言いがかりであった。
だがストレイツォは素直にそれを受け止めた。
「そうだったのですか。次から気をつけます。では私は護衛がありますので」
「ちょっと待て平民!それだけで行くつもりか。貴族を侮辱してただですむと思うなよ。
それに何だそのローブは!顔を見せて謝る事も知らんのか!」
厨房と違って食堂は日当たり満点だ。
今フードを上げればただではすまない。
「それはできかねます」
「何だと。貴様、貴族に逆らうつもりだな。もはや許せん、決闘を申し込む!」
決闘と聞いてストレイツォの雰囲気が急に変わった。
メイジの力を知る絶好の機会。それに自分決闘とか好きですから。
「よかろう!メイジとは戦ってみたいと思っていた所だ!」
急に生き生きとし出した平民をみてギーシュは訝しむ。
普通貴族に喧嘩を売られた平民は身も世もなく謝るものだ。
そこへ成り行きを見守っていた一人のメイドが飛び込んできた。
「だ、だめです決闘なんて…殺されてしまいます!」
そうこんな風に。
きっとこの平民はルイズの関係者らしく相当ボンクラなのだろう。
軽くいたぶってやればすぐ自分の愚かさに気付くはずだ。

シエスタが命の心配をしているのが自分だとも知らずギーシュは
ヴェストリ広場だと言い残して先に向かった。

シエスタはまだストレイツォを説得しようとしている。
騒ぎを聞きつけて来たルイズが何事かと質問した。

「ミス・ヴァリエール!ストレイツォさんがギーシュ様と決闘を!貴方様からも
どうか思いとどまるようご説得をお願いします!」
「そんな事になってたの。丁度いいじゃない」
ルイズに止める気は全くなかった。
それどころか使い魔の力と技を確認し、周りに公表するいい機会だと思った。
「血は飲んだ?べ、別にご主人様として当然よ!そ、そんなお礼言わなくていいわ。
ギーシュは土のドットクラスよ。存分にやってちょうだい」
なんて言い出す始末だった。

そしてギーシュの残した見張りと共に吸血鬼と主はヴェストリ広場へと向かう。
残されたシエスタはあっさりと折られた大木を思いだして。
震える事しかできなかった。


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