ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

絶頂の使い魔-17

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早朝、ルイズ達はアルビオンに向かう準備をしています
するとギーシュが提案しました
「僕の使い魔を連れて行きたいんだ」
地面から大きなモグラ、ジャイアントモールが出てきます
ギーシュは「僕の可愛いヴェルダンデ!」と抱きつきます
可愛いかどうかは見る人が見れば可愛いのでしょう
ですが地中をかなりの速度で掘り進めるヴェルダンデとはいえ行き先は空中に浮かぶアルビオン
即座にルイズから却下されます
却下したときヴェルダンデは少し鼻を嗅いですぐにルイズを押し倒しました
「ちょ、ちょっと! 何なのよこのモグラ!?」
ルイズは身体をモグラの鼻で突き回され、地面をのたうちスカートが乱れたりします
「いやぁ、巨大モグラと戯れる美少女ってのは、ある意味官能的だな」
「・・・なにをやってるんですか」
途中まで見ていたドッピオがヴェルダンデを止めにかかります
ですがジャイアントモールの力は強くキングクリムゾンのパワーでないと止めれませんでした
ヴェルダンデの目線はルイズの一部分に釘付けでその目先を見たギーシュがこう言いました
「なるほど指輪か。ヴェルダンデは宝石が大好きだからね。
 よく貴重な鉱石や宝石を僕のために見つけてきてくれるんだ」
「なるほど『土』系統のメイジには役立つ使い魔ってことですか・・・あ!」
押して勝てないと悟ったヴェルダンデはすぐさま地中をもぐってルイズの前に現れます
また押し倒そうとしたその時、一陣の風が舞い上がりヴェルダンデを吹き飛ばしました

「なっ、何をするだァ――――ッ! 許さん!」
ギーシュが杖を抜いてわめきます。怒りのあまり言語が田舎臭くなっています
ドッピオは瞬時にエピタフを発動し『敵』ではないことを判断しました
羽根帽子の男は一礼をして名乗ります
「僕は敵じゃない。姫殿下より、君達に同行する事を命じられた者だ
 君達だけではやはり心許ないらしい。しかしお忍びの任務であるゆえ、一部隊をつける訳にもいかぬ。
 そこで僕が指名されたって訳だ」
帽子を取ったその男は自分達より十歳は年上と思われるダンディな髭の男でした
「女王陛下の魔法衛士隊、グリフォン隊隊長、ワルド子爵だ。
 すまない・・・婚約者がモグラに襲われているのを見て見ぬフリはできなくてね」
「・・・婚約者?」
ドッピオは疑いの眼差しでワルドと、ルイズを見くらべます
ルイズは確か十六歳のはずだ。まあこの世界なら婚約者というものがあってもいいかもしれません
だがワルドはどう見ても十歳くらい年上です。ロリコンか、ヴァリエール公爵家の家名目当てか
ドッピオはなんとなく後者・・・何らかのモノがほしいために婚約しているように思えました
何せそのワルドの顔がかつてのボスのように仮面を被った様な顔なのですから
ルイズは感動の再会を楽しんだ後、ドッピオとギーシュを紹介しました
ワルドは最初、使い魔が人間ということに少々驚いていたようですがそのようなことなど気にしないようでした
(・・・この程度なら化けの皮は剥がれない・・・か)
ドッピオのみがワルドに対し疑念を抱く中、彼らはアルビオンへと旅立つ事になりました
ちなみにヴェルダンデは「行き先はアルビオンだから」という理由で結局置いてく事に
ギーシュは本当に別れを惜しんでいましたがその後
「・・・地中を掘ってるなら途中までばれない・・・」
と呟き、出発しました。いたはずのヴェルダンデはどこかに消えていました

さて、一行は各自の移動手段を持って急いでいます
ルイズとワルドは一つのグリフォンに乗っています。ギーシュとドッピオは学院の馬に
道中、ワルドはルイズに甘いささやきを繰り返します
ギーシュは確実に数日かかるということに「ああ、モンモランシー。君に数日も会えないなんて・・・」などと言っています
ルイズはワルドの甘いささやきを聞きながら、チラリ、チラリと後ろを見ています
見ているのは大げさな演技をして笑いを取ろうとしているギーシュ・・・ではなくドッピオのほうです
ドッピオは無言で馬に乗っています
どうやら慣れていないようで自分の能力を使っているようですがルイズには分かりません
自分に対して反応の無さが、ちょっと癪に障る。理由は解りませんが
「やけに後ろを気にするね。まさか、どちらかが君の恋人かい?」
ワルドは笑いながら、しかし真剣な眼差しで言っているようです
「こ、恋人なんかじゃないわ」
「そうか、ならよかった。婚約者に恋人がいるなんて聞いたらショックで死んでしまう」
「で、でも・・・親が決めた事だし」
「おや? 僕の小さなルイズ、僕の事が嫌いになったのかい?」
「・・・嫌いな訳ないじゃない」
ワルドは憧れの人
幼い日、婚約の正しい意味を知らなくとも、彼がずっと一緒にいてくれると思って、嬉しく思っていました
今ならその意味が解り、結婚という意味も解っています
アンリエッタの政略結婚とは違う自分達の結婚を
ですがルイズは何だかとっても複雑な気持ちになりました
いざ結婚となるとどうしても気持ちが違うような気がしてならなかったのです
(私は・・・ワルドのことが・・・)
好きか嫌いか、どちらと言われると好きなのでしょう
結婚するのかしないのか、好きなのに結婚が純粋に望めない
(・・・今は姫の任務の遂行。ワルドのことは後回しよ!)
自分自身に対する疑念を考えるうちに港町ラ・ローシェルに到着しました

ラ・ローシェルは峡谷に挟まれるようにあり岸壁を彫刻のように彫った建物が多数見受けられます
おそらく土のメイジが作ったのでしょう。しかし港町なのになぜこんな山地にあるのでしょう
疑惑を持ったドッピオは空を見上げます
「・・・なるほど、空の港と言うわけですか」
それは船でした。空中に浮かぶその船はまさに圧巻
(ヴェルダンデがいけないと言う事はアルビオンは空にあるわけですか)
一行はラ・ローシェルで一番上等な『女神の杵』という宿に入った瞬間
「ハァ~イ、遅かったじゃない」
「きゅ、キュルケ!? 何であんたがここにいるのよ!」
と、いきなりの歓迎を受けました
一階は食堂になっていて、タバサもキュルケと同じテーブルで本を読んでいます
キュルケはいきなりワルドににじり寄り
「お髭が素敵よ。あなた、情熱はご存知?」
当のワルドはキュルケを拒絶するように左手で押しやりました
「婚約者が誤解するといけないので、これ以上近づかないでくれたまえ」
そう言ってルイズを見るワルド。視線に気づきつまらなそうな顔をするキュルケ
「婚約者?あんたが?・・・ドッピオー!あなたを追いかけてきたのよ!」
「見事な対応変換だね」
「うるさいわよ。ギーシュ」
即座に矛先を変えてキュルケはドッピオの腕にしがみついてきます
いくら追い払ってもやめないことは分かっていますがそれでも一応の望みをかけて追い払います
「ひとまず離れてください・・・大体何で貴女がここに・・・」
キュルケは簡潔に答えてくれました
どうやら自分達が出かけるのが見つけたためタバサに頼んでシルフィードで送ってきてもらったようで
その本人、タバサもこちらの行動に興味があったようで不満の色は見せていません

船について出来ることがないので宿屋の食堂でドッピオ達がくつろいでいると桟橋へ乗船交渉へ行ったワルドとルイズが帰ってきました
「アルビオン行きの船は明後日にならないと出ないらしい」
仕方ないからそれまでの間この街で時間を潰す事となり、早速ではあるが宿の部屋割りがワルドによって決定され鍵を渡されました
キュルケとタバサが同室。ドッピオとギーシュも同室。ルイズとワルドは同室
婚約者だから当然ではあるがルイズはかなり動揺の様子
そしてその夜、ルイズとワルドは同じ部屋へと消えていきました
食堂ではギーシュが自棄酒を飲んでいました
「モンモランシー・・・ケティのことは誤解だって言ってるのに聞いてくれないんだよ?」
「はあ・・・」
ドッピオはその自棄酒に付き合っています。ちなみに肉体年齢ならもうとっくに三十路を過ぎているので酒は飲んでも大丈夫
キュルケはどうしたものかしらと思いつつワインを飲み、タバサは見かけによらず大食いなのか食事を続けています
「しかし、まさかルイズに婚約者がいたとはなぁ……」
「あら、ルイズにも手を出そうとしてるのかしら?」
ギーシュの呟きに乗ってきたのはキュルケ一人でした
「やれやれ、何でそういう勘違いをするかな。単純に驚いただけだよ。
 それにしてもルイズにはできすぎた婚約者だな。 女王陛下の魔法衛士隊でグリフォン隊隊長……憧れるよ」
「でもあんな髭ヅラのおじさん、私ならお断りよ」
ここまでルイズ達を追いかけてきた最初の行動はすっかり忘却の彼方らしい。
「まっ、確かに年上すぎるかな。何歳なんだろうね? 三十には届いてないようだが」
「殿方っていうのはね、ドッピオくらいの年齢が丁度いいのよ
 青春の真っ盛り、尤も自分が輝くときが一番良いに決まってるじゃない」
「まあ確かに。でもルイズは年齢より幼く見えるからなぁ」
「・・・・・・」
「あら?ドッピオ、もしかして寝てる?」
「酔いが回ったようだね。まったくこのくらいの酒で目を回すなんて情けない」
ちなみに飲んだ量はワイン一本程度です
結局、自棄酒はギーシュがドッピオを部屋に運ぶということで終了し
キュルケと食事を終えたタバサも眠りに付くことで任務一日目を終えるのでした


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