ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

「The Story of the "Clash and Zero"」 第1章 オレは使い魔 後編

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第1章 後編

やっぱり”ここ”はヤバイところだぜ? ティッツァーノ……。

「ほんとに知らないの?」
それは魔法のことか?それとも「ハルケギニア」のことか? 両方シラネェヨ!
しかし、納得せざるを得ない。ここはオレの居た世界じゃないのだから。

…夜空に輝く月に、ここまで心奪われたことはない。
月が ”仲良く” 浮かんでる……。 美人の姉妹が互いを優しく、守るように照らしあっていた…。
”月は 『二つ』 あったッ!”
バァアァァーーz___ン!

「オレの世界では”luna”もッ! ”palla”もッ! 一つあれば十分なんだよ!」   『luna』(伊:月) 『palla』(伊:サッカーボール)
「月が一つしか見えない”国”なんて聞いたこともない!」
「だから”国”じゃない! ”世界”が違うんだッ!」
また話が同じところに戻ってきてる……。
さすがに無限ループはルイズも嫌なようで、無理やり終わらせることにしたらしい。
「わかったわよッ! 違う”世界”から来たってことは認めるわよ!(納得いかないけど・・・)」
「グラッツェ、シニョリータ(ありがとう。お嬢さん)。 ついでに”元の世界”に還してもらえませんか? シ・ニョ・リ・イ・タ?」
「……無理。そんな魔法聞いたことないもの」
彼女は召喚する魔法は知ってても、帰還させる魔法は知らないらしい。だが……。
「…オレは帰らなくてはいけない。 …なんとしてもッ!」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
(相棒をッ!… 一人でッ!眠らせるわけにはいかないッ! ヤツラには償わせてるッ!全員だッ!)

目の前にいる平民から、”凄み” を感じ、思わずブルっちまいそうになるルイズ。
(…こ、この使い魔には帰ってもらって、新しく ”私に相応しい使い魔!” を召喚しなおすのも、わ、悪くないわよね・・・?)
(それがお互いの為ってもんよね?)
「と、とりあえず、すぐに帰れるワケじゃないってことはわかるわよね?」
「…そこは理解してるつもりだ。『帰る方法が、存在するかさえわからない』状態なんだろ?」
「グッド! だから、私が帰る方法を探してあげる。 あんたはその間、忠実な使い魔として私に仕える。」
「…つまりこういうことか? 『オレたちは、帰る方法が見つからないかぎり ”取引” をしなくてはならない』……」
「Exactly(そのとおりでございます)♪」 by 釘宮ボイス
「……」
「でも、あんたじゃ使い魔の仕事は無理そうね……」
どうやら使い魔とは、主人と視覚や聴覚をリンクさせ、トレジャーハントしたり、ボディガードするそうだ。
「あんたにできそうなこと……。 掃除、洗濯、その他雑用ってとこかしら?」
「御主人様が寂しくないよう、夜のお相手もできると思いますが?」

さっきの ”凄み” はどこへやら。軽~い調子になった使い魔の顎に右フックを叩き込む。
使い魔は崩れるように床に倒れこむ。
ルイズは知らない。コイツはギャングのエリート、『親衛隊』だったことを。…今の現状からはわかるまい。
「もし、平民でしかも使い魔のあんたが、貴族であり御主人様である私に、手を出したら……」
「……だ、出したら?」
「……… ”削りとる” わよ?」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
…こいつにはやると言ったらやる 『スゴm(ry

やっぱり、”腕”が鈍ってんな……。 ティッツァと組んでからは、口説く役はティッツァの仕事だったからな……。
顎をいたわりながら起きると、貴族であり御主人様であるルイズ様がベッドの上で脱ぎだした。
「ルイズさん? 言ってることと、やってることがオカシイですよ?」
「…なにが?」
「男の前で脱ぐってことは ”OK” てことで……」
物凄い速さでゴツイ装飾がされた本が飛んできた。
頭に当たれば脳漿ぶちまけること必至! …だったので、さすがに避けた。

「あんたは使い魔なの。犬、猫、その他もろもろと同然なの」
「…犬や猫だって愛の営みはしますよ?」
……なんでさっきからコイツ敬語なのよ?
「犬同士、猫同士はね。でも、メイジと使い魔は、人間と犬の関係なの! 犬に裸見られたって、全然恥ずかしくないわ!」
…かなりへこんだ。 男のプライドは地に落ち、泥にまみれ、アリがたかっていた。
「だから使い魔は床に寝なさい。そんで、(あんたはスケベだから)朝起こすとき以外はベッドに近づかないこと!」
変なことしたら、只じゃおかないからッ!と厳しく言いつけらた。床を見つめるスクアーロ。
ルイズはキャミソールに着替え終わると、下着をスクアーロに投げ渡し、ベッドに潜りこんだ。
洗濯しときなさい。変なことしたら―――。最後まで言い終えないまま、ルイズは夢の世界へ入っていった。
どうやらかなり疲れていたようだ。無理もない。彼女の手に負えないことばかり起こる日だったのだから。

スクアーロは、(御主人様の御慈悲である)毛布に包まりながら、壁にもたれかかる。
とんでもないことになってるぜ? ティッツァーノ……。
目をつむり、”この世界「ハルケギニア」”について想う……。

とにかく…… 帰る方法が見つかるまで ”馬鹿で使えない” 使い魔を ”演じる” しかない。
こっちのことは何もわからねぇ。 だから、情報を得るまで動かないほうが良い。
このオレが、ギャングだとか、スタンド使いってことはできれば……一切知られたくない。(ギャングだとか、スタンドって概念があればだけどな……)
…ルイズって娘には悪いが…… …本当に可哀想だが… 利用させてもらう……。
精々ルイズの前では ”スケベな軟派男” で通すか…… ほぼ”地”でイケるし……。

…”元の世界”のことを考える。相棒のこと。裏切り者どものこと。ボスのこと。組織のこと―――。
必ず帰る! 何をしてでも帰って見せる! おまえのためにもッ!オレのためにもッ!必ず帰るッ!
心配するなよ?ティッツァ…… 復讐だけに囚われているわけじゃねぇ…… もちろん償いはさせる!
だが…ナランチャの…ヤツラの見せた『精神力』は何なのだ?
あれほどの『精神力』を持ちえた人間を、オレは知らない。今はそれが知りたい…。
オレとおまえでも、掴み得なかったものが…… ヤツラを動かしてたのかなぁ……。
だから… 必ず帰って…… 手に入れような…… あの…輝くような…… そう… まるで… 『黄金のような精神』を……。
きっと… 二人で…… すぐに… できるさ…… オレとおまえなら… きっと―――。

まどろむの意識の中、隣で相棒が笑った気がした。


鮫技男と桃髪女

「The Story of the "Clash and Zero"」
第1章 オレは使い魔 後編終了

To Be Continued ==>

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