互いの自己紹介もそこそこに、Dioはルイズの部屋に連れてこられていた。
そしてルイズは、まるで無知なDioに色々と説明をしていたのだった。
曰く、
・ここはハルケギニア大陸のトリステイン王国のトリステイン魔法学院
・魔法が存在する
・魔法が使える貴族と、使えない平民がいる
・ドラゴンやグリフォンとかもいる
・自分は彼女『召喚』魔法によってここに呼び出された
・自分は彼女の使い魔とやらをやらされるらしい
ということだ。
Dioは彼女から説明された事柄を一つ一つ咀嚼し飲み込んでいった。
「ふむ……なるほど……ではミス、今度はオレの話も聞いてもらいたい」
「いいわ。話しなさい」
そしてルイズは、まるで無知なDioに色々と説明をしていたのだった。
曰く、
・ここはハルケギニア大陸のトリステイン王国のトリステイン魔法学院
・魔法が存在する
・魔法が使える貴族と、使えない平民がいる
・ドラゴンやグリフォンとかもいる
・自分は彼女『召喚』魔法によってここに呼び出された
・自分は彼女の使い魔とやらをやらされるらしい
ということだ。
Dioは彼女から説明された事柄を一つ一つ咀嚼し飲み込んでいった。
「ふむ……なるほど……ではミス、今度はオレの話も聞いてもらいたい」
「いいわ。話しなさい」
了解が得られたDioは元居た世界の事を話して聞かせる。
が、ルイズはなかなか信じない。というより信じられない。
もっとも、自分の住んでる世界と違う世界がもう一つある等と言われて、ハイそうですか、といきなりと信じられる人間は少ないだろう。
「月が一つしかない世界なんて聞いた事ないわ」
「オレだって月が二つ出ているのも、魔法使いも、見るのは生まれて初めてさ」
そう言ったあと一呼吸置き、Dioは自分にとって一番重要な話を切り出す。
「まあ信じてもらえなくても別にいいんだが、とりあえずオレを元の世界に帰してくれないか?」
「無理よ。仮にあんたの言う世界があるとして、そことここを繋ぐ魔法なんてないもの」
「オレを召喚した魔法があるじゃあないか」
「あの魔法はハルケギニアにいる生物を呼び出す呪文なの。違う世界からだなんて……」
「だがオレはそれでここに来たんだろう? ならもう一度唱えてくれ。やる価値はある」
ルイズは一瞬悩んだが、すぐに否定の言葉を吐いた。
「それも無理」
「なぜだ?」
「『サモン・サーヴァント』を再び使うにはね、呼び出した使い魔が死なないといけないの。
あんたまさか死ぬ気はないでしょう?」
その言葉にDioはただ黙って頷いたが、内心では激情が渦巻いていていた。
(バカなッ! オレにはやる事がある!! やらねばならない事があるッ!!
それがこんなところで……こんな小娘のせいで……!!)
が、ルイズはなかなか信じない。というより信じられない。
もっとも、自分の住んでる世界と違う世界がもう一つある等と言われて、ハイそうですか、といきなりと信じられる人間は少ないだろう。
「月が一つしかない世界なんて聞いた事ないわ」
「オレだって月が二つ出ているのも、魔法使いも、見るのは生まれて初めてさ」
そう言ったあと一呼吸置き、Dioは自分にとって一番重要な話を切り出す。
「まあ信じてもらえなくても別にいいんだが、とりあえずオレを元の世界に帰してくれないか?」
「無理よ。仮にあんたの言う世界があるとして、そことここを繋ぐ魔法なんてないもの」
「オレを召喚した魔法があるじゃあないか」
「あの魔法はハルケギニアにいる生物を呼び出す呪文なの。違う世界からだなんて……」
「だがオレはそれでここに来たんだろう? ならもう一度唱えてくれ。やる価値はある」
ルイズは一瞬悩んだが、すぐに否定の言葉を吐いた。
「それも無理」
「なぜだ?」
「『サモン・サーヴァント』を再び使うにはね、呼び出した使い魔が死なないといけないの。
あんたまさか死ぬ気はないでしょう?」
その言葉にDioはただ黙って頷いたが、内心では激情が渦巻いていていた。
(バカなッ! オレにはやる事がある!! やらねばならない事があるッ!!
それがこんなところで……こんな小娘のせいで……!!)
「一つ……聞きたい事がある」
「なに?」
「世界と世界を繋ぐ魔法は『ない』と言ったな。それは『存在しない』のか? それとも『知らない』のか?」
ルイズはその質問の答えを少し迷う。自分は沢山の書物を読み漁った。
人より多くの事を学んできた自負がある。しかし、世界はまだまだ広い。未知の事も多い。
考えにくいが、ひょっとしたら、そういう魔法もあるかもしれない。
「そうね、『知らない』わ。」
「そうか……ふむ」
質問の答えを聞き、少し考えたあとにDioはルイズに告げた。
「いいだろう。使い魔とやらになってやる」
(帰る為には情報が必要だ。最初はこの学校で情報を集める。
だが学校で集められる情報は限られてくるだろう。いずれはもっと広い範囲から情報を集めなければならない。
自由に動く為には「地位」が必要だ。「権力」も欲しい。
幸いこの娘は公爵家の人間……申し分ない「地位」と「権力」。
存分に利用しつくしてやるぜッ!
そしていずれは──この国の構造から言って難しい部分もあるだろうが──このオレ自身が。
それが一番望ましい。
まずは、こいつに取り入るところからだな……)
「なに?」
「世界と世界を繋ぐ魔法は『ない』と言ったな。それは『存在しない』のか? それとも『知らない』のか?」
ルイズはその質問の答えを少し迷う。自分は沢山の書物を読み漁った。
人より多くの事を学んできた自負がある。しかし、世界はまだまだ広い。未知の事も多い。
考えにくいが、ひょっとしたら、そういう魔法もあるかもしれない。
「そうね、『知らない』わ。」
「そうか……ふむ」
質問の答えを聞き、少し考えたあとにDioはルイズに告げた。
「いいだろう。使い魔とやらになってやる」
(帰る為には情報が必要だ。最初はこの学校で情報を集める。
だが学校で集められる情報は限られてくるだろう。いずれはもっと広い範囲から情報を集めなければならない。
自由に動く為には「地位」が必要だ。「権力」も欲しい。
幸いこの娘は公爵家の人間……申し分ない「地位」と「権力」。
存分に利用しつくしてやるぜッ!
そしていずれは──この国の構造から言って難しい部分もあるだろうが──このオレ自身が。
それが一番望ましい。
まずは、こいつに取り入るところからだな……)
Dioはその後ルイズから
・使い魔は主人の目となり耳となる存在
・主人の使う秘薬などを見つけてくる
・主人を敵から守る
といった使い魔の仕事を聞かされた。
しかしルイズは勝手にDioがそれらするのは無理と決め付け、雑用を言い渡したのだった。
Dioはそれに対して何も言わなかった。わざわざ手の内を明かす事もないと思ったからだ。
そして言われた通りに床で睡眠に入る。
雑用は面倒くさいが仕方ない。
他に寝床がないのは見ればわかるし、無駄な争いは避けるに限る。
それに「貴族」というのは往々にしてこんなものだ。
(こいつは極端すぎる気がしないでもないが)
だから言っても無駄なんだ。無駄無駄。そう思ってDioは寝た。
・使い魔は主人の目となり耳となる存在
・主人の使う秘薬などを見つけてくる
・主人を敵から守る
といった使い魔の仕事を聞かされた。
しかしルイズは勝手にDioがそれらするのは無理と決め付け、雑用を言い渡したのだった。
Dioはそれに対して何も言わなかった。わざわざ手の内を明かす事もないと思ったからだ。
そして言われた通りに床で睡眠に入る。
雑用は面倒くさいが仕方ない。
他に寝床がないのは見ればわかるし、無駄な争いは避けるに限る。
それに「貴族」というのは往々にしてこんなものだ。
(こいつは極端すぎる気がしないでもないが)
だから言っても無駄なんだ。無駄無駄。そう思ってDioは寝た。
一方のルイズはというと、ベッドの上から横になった己の使い魔を眺めていた。
反抗を予想していたのに、それを言いくるめる反論も用意していたのに、
何も言わずに自分に従ったのには少し戸惑ったが、まあ従順にこしたことはない。
だが明日からこの平民と一緒に過ごさなければならないのかと思うと気が滅入る。
これで呼び出したのがドラゴンとかだったらそんな事は全くないのだろうが。
(次に目を覚ましたら、この平民がドラゴンになってたりしないかしら)
そんな事を思いながら目を閉じた。
反抗を予想していたのに、それを言いくるめる反論も用意していたのに、
何も言わずに自分に従ったのには少し戸惑ったが、まあ従順にこしたことはない。
だが明日からこの平民と一緒に過ごさなければならないのかと思うと気が滅入る。
これで呼び出したのがドラゴンとかだったらそんな事は全くないのだろうが。
(次に目を覚ましたら、この平民がドラゴンになってたりしないかしら)
そんな事を思いながら目を閉じた。
To Be Continued