ルイズはジョニィを連れて学園の敷地内で一番背の高い、真ん中の本塔にやってきた。
「ここが『アルヴィースの食堂』よ。メイジは皆ここで食事をするわ」
驚いた顔のジョニィに満足したルイズは三つならんだテーブルの真ん中のテーブルの椅子を引いて座る。
「ホントなら使い魔は外なんだけど。私の特別な計らいでテーブルを使わせてあげる」
そういって自分の隣の椅子を引く。ここに座れという意味だ。
───なんだ結構いいやつじゃあないか。
思えば朝から雑用といってもやらされたのは着替えの手伝いだけである。
脚のことを考えてあまりキツイ仕事は頼まないんだろう。
ジョニィはそう思った。
脚のことを考えてあまりキツイ仕事は頼まないんだろう。
ジョニィはそう思った。
(ベッドの足を壊したのはやりすぎだったかな。それにしても…)
ジョニィは目の前の豪華な料理に視線を移す。
この間のシュガーマウンテンの泉のときからどうも豪華な食事に縁があるようだ。
この間のシュガーマウンテンの泉のときからどうも豪華な食事に縁があるようだ。
「ルイズ!君は毎日こんなの食べてんのか!!でかい鳥のローストだ」
「当然でしょ。貴族なんだから」
「スゴイぞ!サラダや卵もある」
「当然でしょ。貴族なんだから」
「スゴイぞ!サラダや卵もある」
まるでホット・パンツのローストビーフサンドイッチを見たときのようなはしゃぎ様である。
よだれをたらすジョニィの肩をやれやれとルイズは叩いた。
よだれをたらすジョニィの肩をやれやれとルイズは叩いた。
「あんたの食事はこれ」
───前言撤回、部屋に戻ったらベッドの足を全部壊してやる。
ジョニィは薄いスープと硬いパンを食べ終え、食堂を見渡していた。
ふと先ほどのキュルケと目が会う。
「ハーイ」と手を振ってくるので何となく振り替えしてるとルイズに脇腹を小突かれた。
ふと先ほどのキュルケと目が会う。
「ハーイ」と手を振ってくるので何となく振り替えしてるとルイズに脇腹を小突かれた。
「食事が終わったら静かに待つの!バカ女に手なんか振るんじゃないわよ!」
しばらくするとルイズはフォークとナイフを置いてナプキンで口を拭いた。
食事が終わったようである。
だが、彼女の皿にはまだサラダが残ったままだった。
食事が終わったようである。
だが、彼女の皿にはまだサラダが残ったままだった。
「ルイズ。そのサラダ食べないのか?ガッつくようだが僕はパンとスープじゃ足りないんだ…くれないか?」
「はあ?あんたこれがなにか解ってる…」
「はあ?あんたこれがなにか解ってる…」
そこでルイズは閃いた。これはこの平民に自分の立場を解らせるいい機会だ。
この『サラダ』で死ぬよりキツイ地獄を味わいなさいッ!
この『サラダ』で死ぬよりキツイ地獄を味わいなさいッ!
「仕方ないわね。特別にあげるわ。感謝して食べなさい」
「サンキュー」
「サンキュー」
───DIO、君が出会った『野菜』の中で…一番『強い』野菜って…どんなヤツだい?
『はしばみ草』と呼ばれる野菜がもっとも『強い』。しかも手にあまる───
『はしばみ草』と呼ばれる野菜がもっとも『強い』。しかも手にあまる───
なぜかDioみたいな男と変な神父の会話が聞こえた気がする。
疲れてるんだろうか?
疲れてるんだろうか?
パクッ
モグモグモグモグ
モグモグモグモグ
(!?『はしばみ草』を食って顔色一つ変えない!?)
パクッ
モグモグモグモグ
モグモグモグモグ
(…ちょっと苦いけど野宿のときに食った野草ほどじゃあない)
パクッ
モグモグモグモグ
モグモグモグモグ
「あ、あんた…。大丈夫なの…?どよ?どうなのよ?」
「………」
「………」
パクッ
モグモグモグモグ
モグモグモグモグ
「美味いよルイズ。気に入った!」
「マジすかっ!?」
「あっ…ヤバイ!スゴクいい!激ウマかもしれないッ!舌にこびりつくんだよ!苦いとこが」
「…み、味覚のスケールで…負けたわ…」
「マジすかっ!?」
「あっ…ヤバイ!スゴクいい!激ウマかもしれないッ!舌にこびりつくんだよ!苦いとこが」
「…み、味覚のスケールで…負けたわ…」
ジョニィはこのとき気付いていなかった。
敗北を味わうルイズの横で、はしばみ草を食べる彼を一人の少女が見ていたことを。
もう一人の『はしばみ草使い』の存在に…
敗北を味わうルイズの横で、はしばみ草を食べる彼を一人の少女が見ていたことを。
もう一人の『はしばみ草使い』の存在に…
To Be Continued =>