ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

一味違う使い魔-6

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匿名ユーザー

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食堂につくまでの間ルイズは自分の使い魔についてかんがえていた。
(トリッシュはいい使い魔?だけど…なんというか…私、下にみられてるっ!?って感じがするのよねぇ~!
考えてみれば昨日の夜から情け無い姿しか見せて無いし…もっとご主人様らしく威厳を示すべきよね?うん、決めた!もっとご主人様らしくしなきゃ!)

食堂に着くとテーブルには豪華絢爛な料理が並んでいた。
(フランス料理のフルコース…朝っぱらから?…うっ)
トリッシュはみているだけで気持ち悪くなった。朝からこんな重たい料理を食べる何て…正気か?というのがトリッシュの偽らざる気持ちだ。みているだけで胸焼けしてきそうだ。
「ここにあるのは貴族のための料理。使い魔のための料理はこっちよ」
ルイズが指差した先にはスープとパンが二切れのった飾りの無い貧相な皿がある。
「そう、わかったわ」
「しょうがないわね、そんなに言うなら…っていいの!それで!?」
「かまわないわ」
トリッシュは短く答えると、ルイズの隣の席に座ろうとする。
(え~?いいの!?なんで?そんなものじゃそこらの平民だって満足しないものじゃないの!?っていうか折角ご主人様が特別に私の分を分けてあげようとしているのに…!
察しなさいよ!……ばかっ!)

ルイズは当初の予定が狂って少し混乱したがトリッシュがいすに座っているのを見てにや~っと口角を吊り上げて何かたくらんでる悪い顔をした。
「トリッシュ…ここは貴族の食卓なのよ!そのいすには貴族しか座ってはいけないのよ!…でも、しょうがないわね、私が頼んで特別に……」
「そう、わかったわ。じゃあ私は外で食べることにするわ」
「…て、外で食べるの!?」
「ええ、だめかしら?」
「え?いや、だめってことは無いけど…」
「なら、外で食べてくるわ。食べ終わったら食堂の前で待っているわ」
「え?あ、うん。わかった」
トリッシュはさっさと皿を持って食堂を後にした。
ルイズはただ呆然とトリッシュを見送った。

教室に入ると生徒達はトリッシュを連れたルイズをみてくすくす笑っている。
ルイズは不機嫌そうに席に腰かけ、トリッシュもその隣に座った。
(ここは、貴族専用よ!でも、特別に座らせてあげるわ!って言ったらトリッシュはどっかいっちゃいそうね…)
ルイズは何とかご主人様としての威厳をトリッシュに見せたいと思っていた。

中年の女性が入ってきて授業が始まった。
「皆さん、春の使い魔召喚は大成功のようですね。
このシュヴルーズ、こうやって春の新学期にさまざまな使い魔を見るのを楽しみにしてますのよ」
シュヴルーズは教室を見渡しやがてルイズの隣に座るトリッシュに目を向けた。
「おやおや、また変わった使い魔を召喚したようですね、ミス・ヴァリエール」
シュヴルーズがそういうと教室はどっと笑いに包まれ生徒達はルイズを馬鹿にしだした。
「ルイズ!使い魔を召喚できないからって平民を連れてくることは無いだろ!」
「ゼロのルイズ!サモンサーヴァントもまともにできないなんて!さすがはゼロ!」
トリッシュは無言でスパイス・ガールをだした。
「ルイズ、こいつら黙らせましょうか?」
「いいのよ、いわせたい奴らには言わせとけば」
ルイズは首を横に振る。
(ルイズが黙っているのに、私が切れるわけにはいかないわね)
トリッシュも黙っていることにした。
ただ、いま馬鹿にした奴らの顔を覚えておくことにはしたが。


授業が始まり中年のメイジは土系統のすばらしさについて恍惚とした表情で語っている。
生徒達は少し引いてた。
トリッシュは机に肘を突いてそれを聞いているのかいないのかわからないような顔をしている。
ルイズは横に座るトリッシュを見つめていた。
(考えてみれば…私はトリッシュについて何も知らないのよね…どんな奴なのかも、どこから来たのかも。
なにより、トリッシュが従えている『使い魔』、スパイス・ガールについても…トリッシュはあれはスタンドだって言ってたけど、スタンドってなにかしら?
確か、精神がどうのこうの言ってたような…今度ちゃんと聞かなきゃ!)
ルイズはそれにしてもと思う。
(さっきの私は結構ご主人様としていいかんじだったんじゃ~ないかしら?
馬鹿にされてもきれることなく受け流した私!大人の対応って奴かしら!)
にやにやしながらトリッシュをみるルイズ。なかなか不気味だった。

「ミス・ヴァリエール!使い魔が気になるのはわかりますが授業には集中してください!
そうですね、ミス・ヴァリエールあなたにやってもらいましょう」
やってもらう?ルイズはまったく聞いていなかったためなにをすればいいのかわからない。
しかし教室の生徒達の間には戦慄が走る。
「やめといたほうが…」
「危険」
「ルイズの爆発はマリコルヌの体を除けて通る…ルイズの爆発はマリコルヌの体を除けて通る…」
生徒達の中には逃げ出そうとするもの、机の下に隠れるもの、ぶつぶつと壊れたラジオのように祈りをささげる奴までいる。
「な…なんですか!?あなた達は!?ミス・ヴァリエールの錬金が何だって言うのです!?ミス・ヴァリエール。
周りの声など気にせずやってごらんなさい」
「ルイズ、お願い…やめて」
キュルケは悲痛な顔をしながら言った。
しかし、ルイズは立ち上がり教壇に向かった。
(ちゃ~んす!これで成功すればきっとトリッシュはもっと私を見直すはずよ!
大丈夫、召喚の儀式も成功?したし!)
ルイズはなんか今日はできそうな気がする…と根拠の無い自信を発揮した。
それは、ルイズは知らないがドラゴンボールを読んだ少年達が「なんか今日は出そうな気がする…」とかめはめ波を出そうとする気持ちに似ていた。
全国で1億人くらいはやったんじゃないだろうか?

果たしてどうなったか。
教室にルイズのかめはめ波が炸裂した。いや、ちがった。ルイズの『錬金』が炸裂した。
ルイズの目の前に置かれた小石はおよそ同量の火薬でもありえないくらいの爆発がおきた。
「だからルイズにやらせるなっていったのに!」
「もう二度とルイズとおんなじ教室には入らねぇー」
「メディック!メディーック!」
教室はちょっとした阿鼻叫喚の渦だった。
そんな中渦中のルイズはけほっとかわいらしいせきをしてから言った。
「ちょっと失敗したみたいね」
「「「ちょっとじゃねーだろ!!」」」
まるでコントだった。

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