ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

逃亡した使い魔

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春の使い魔召喚。それはトリステイン魔法学院で二年生に進級する為の儀式である。
その使い魔召喚が出来ないと二年生にはなれないのである。

「宇宙の果てのどこかにいる私の僕よ!
神聖で、美しく、そして強力な使い魔よ!
私は心より求めうったえるわ!我が導きに、答えなさい!」

桃色の髪の少女、ルイズは
自らの使い魔を呼び出すために四十三回目のサモン・サーヴァントを唱えた。
そして四十三回目の爆発を起こす。
だが今回は今までの四十二回とは違っていた。
爆発した場所に何かがあったのだ。
ルイズは遂に召喚に成功したのかと思い顔を輝かせた…がそれも長く続かなかった。

そこにいたのは気絶している人間だったのだ。それも着ている服からして魔法を使えない『平民』だろう。
魔法を使えない『平民』は、魔法を使える『メイジ』に逆らえない。魔法はそれほどまでに強力なのだ。

ただの平民を召使にするなら何の問題もなく、雑用等をやらせれば良い。
しかし使い魔とはただの召使ではなくメイジの一生の相棒でもあり、様々な能力を要求される。
普通は動物や幻獣が使い魔となり、人間以上の能力で人間にはできない事をする。
だがメイジと平民ではメイジの方が力が上、そしてメイジにはできない事が出来る者が使い魔としては理想なのだ。
つまり、平民には使い魔にする価値が無いのだ。
それ以前に平民を使い魔にするなんて事は前例すらない。
故にルイズはやり直しを求めた。
「平民を使い魔にするなんて聞いたことありません!やり直しさせてください!」
だがその必死の思いもあっさりと却下される。
「春の使い魔召喚は神聖な儀式です。やり直しは認められません」
「そんな…」
「早くしてください。そろそろ新しい育毛剤が届く頃なので早く試してみたいのです」
つい本音を出してしまう儀式の責任者(ハゲ)。

「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール
五つの力を司るペンタゴン、この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」

そして気絶している男にキスする。

これがコントラクト・サーヴァント。
召喚した使い魔に使い魔のルーンを刻み
主人の都合のいいように記憶までいじってしまう極悪非道な魔法だ。

召喚された男の左手にルーンが刻まれる。
「はい、ルーンが刻まれましたね。じゃあ今日は終了!解散です!」
そう言ってろくに確認することなくトリステイン魔法学院の自分の部屋へさっさと戻っていった。
周りの生徒も平民を召喚したルイズをからかいながら帰っていった。

気絶している男と残されたルイズは何とかその男を寮にある自分の部屋まで運んでいった。
途中、寮の入り口でバッタリ会ったギーシュに部屋まで運んでもらった。

だがギーシュの真の目的は女子寮に正々堂々と入ることだったらしく
運び終えた後、それに気づいたルイズに白い目で見られた。

日が落ち、男がルイズの部屋で目を覚ましたのに気づいたルイズは
「気がついた?」
と声をかけた。
だが男は状況がよく分かっていないらしく(まあ当たり前だが)
「ここは何処なんだ?そしてお前は誰だ?」
と言った。それを聞いたルイズは言葉遣いや『お前』と呼ばれた事に腹を立てながら
自分は魔法を使える貴族で男は自分の使い魔であることを説明した。

男はその話の内容や、ふと目に付いた二つの月からここが異世界である事を理解した。
ちょっと横を向いて歩いていたらいつの間にか目の前に変な鏡があってその中に入ってしまい意識を失った。
そして気がついたら異世界だった。
その事をルイズに話して元の世界に帰る方法を聞いてみても
「そんな方法無いわよ」
と言われただけだった

よって男はある『決意』をした。

「どうせアンタは使い魔らしい事は何も出来ないだろうから出来る事をやらせてあげるわ掃除、洗濯、雑用分かった?」
「分かりました。ご主人様」
「いい返事ね。あ、そうそう一応これも聞いとかなきゃね。私に忠誠を誓う?」
「もちろんです」

主人のためならなんでもする。そんな態度だった。

「使い魔なんだしアンタは床で寝なさい、毛布くらいは恵んであげるわ、感謝しなさい」
「ありがとうございます」

ルイズは自分の使い魔の最初の反抗的な態度が無くなり、忠誠を誓った事に気分を良くし、服を着替え眠った。

男には何か策があって床で寝ているのか?

なにもない!

見よ!

このブザマな主人公の姿を

男は硬くて寝心地の悪い床で粗末な毛布を被っている

だが!

だからといって男がこの物語の主人公の資格を失いはしない!

なぜなら!…

男はルイズが寝たのを確認し、そして部屋を物色して金目の物をいくつか盗みルイズの部屋から抜け出した!

まぎれもない主人公!(テーマが主人から逃げる使い魔のため)

主人公の資格を失うとすれば生きる意志を男がなくした時だけなのだ!

部屋を抜け、階段を降り、ホールらしき所に出た。
そこに金髪の男がいた。その金髪は男を見つけると
「おや?ミス・ヴァリエール(ルイズの事)の使い魔じゃあないか」
男には知る由も無いが、この貴族こそが男をルイズの部屋まで運んだ貴族、ギーシュ・ド・グラモンだった。
「平民のクセに貴族に挨拶も無しかい?君は知らないだろうけど君を運んだのは僕なんだよ?感謝の言葉がいくらあっても足りないんじゃあ…」
「うおりゃああああ!」
ギーシュの首元にナイフを突き刺す。首を刺されたギーシュはそのまま絶命した。
一応言っておくが男は殺しが好きな訳ではない、ただ目撃された以上消しておかねば後々不利になるからだ。
もっとも魔法で探知されるかもしれない危険性もあったが、そんなあるかどうかも分からない事で躊躇するほど男は殺しが嫌いな訳でもない。
ギーシュをちょっと見つかりそうに無い所まで運び、ナイフを抜いた。傷口にマントを当てて血が床に流れないようにする。

そして寮になっている塔を出て、馬小屋を見つけ、馬に鞍をつけトリステイン魔法学院を脱出した。



その後は特に語るほどの事は無い。数年の旅を経て金鉱を見つけ、男はある財団を結成した。それだけだ。

その名は『スピードワゴン財団』


ギーシュ―死亡
ルイズ―使い魔がいなくなったため退学。後にゲルマニアで金を使い貴族になったスピードワゴンに会うが、覚えていなかった。


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