ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

歩き出す使い魔-2

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匿名ユーザー

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「それほんと?」

ルイズは疑わしげにジョニィを見つめながら言った。
あの後、ジョニィは授業の終わったルイズの部屋へ連れて行かれ、お互いの情報をある程度交換した。
───もちろん『遺体』やスタンドの話はしなかったのだが。
彼女、ルイズが言うにはここはハルケギニアのトリステイン魔法学院で今いる場所はトリステイン魔法学院の寮内のルイズの部屋。
学院の生徒は二年生に進級する際、『使い魔』を召喚する。
自分はルイズにその『使い魔』として1890年のアメリカ・ミシガン湖畔から召喚されたらしい。

(なんか…すごい話だ…すごい出来た話で…でも…かなり頭がイカれてる…)

いつぞやの地質学博士のときと同じようなことを思ったジョニィだったが
さすがに空を飛ぶドラゴンやグリフォン、そして空に輝く二つの月を見て信じざるをえなかった。

(ここは本当に…僕がいた世界じゃないのか…?)

「僕が嘘をつくメリットが無い」

一方ルイズは目の前で夜食用のパンを食べる男にますます疑いの眼差しを向ける。
それもそうだ。
彼は昨日までアメリカという場所で世界中が注目する大陸横断レースに参加していたと言うのだ。
そんな国もレースも聞いたことがない。
この平民は自分を何も知らない貴族だと思って嘘をついているのだろうか。

「信じられないわ」
「僕だって信じられない」
「別の世界ってどういうこと?」
「魔法使いなんてイカレたことを言いだす人間は…変態地質学者くらいだと思う。月だって一つしかない」

そう言ってジョニィは窓から見える二つの月を指差す。
SBRレースでは何度も野宿を体験した。
もちろん雨や雪の日もあったが夜には美しい月が見える日も多かった。
そしてその月を一緒に見ていた友人のことを思い出す。

(もう夜になってしまった…ジャイロ…君は…大丈夫だろうか?)

そう思うと急に心配になってきた。ゴールが近づくにつれて大統領の刺客の攻撃も執拗になっている。
黄金の回転で強化されたスタンドを持つ今、足手まといにはならないだろう。

「それで…君には悪いんだけど僕を元の世界に帰してほしい。使い魔は他を当たってくれ」
「無理よ。一度契約を結んだ使い魔を元の世界に戻す魔法なんて無いわ」
「なにそれ!?勝手に召喚しておいて無理ッ!?」
「無理なものは無理なのよ」

その言葉にジョニィはガックリとうなだれる。
このままでは遺体を集めることも回転の技術を学ぶことも出来ない。
だがこのままここにいるわけにもいかない。

(何が何でもレースに戻って大統領やDIOより先に遺体を全て集めたい…)

そう考えれば…元の世界に戻る方法を探すのにこの学院という場所はベストだろう。
情報も入ってくるだろうし、文献を探せば帰る方法が見つかるかもしれない。

(立ち止まるわけにはいかない…ここで立ち止まれば僕の心は再び死ぬ)

「…わかった」
「え?」
「だから君の使い魔だっけ?なるよ…。でも帰る方法が見つかったら僕はすぐに帰らせてもらうぜ」
「口の利き方がなってないわ。『なんなりとお申しつけください、ご主人様』でしょ?」
「………」

頭にタスクで風穴開けてやろうかと、少し考えるジョニィであった。

「それで、使い魔って何するんだい?」
「まず、使い魔は主人の目となり、耳となる能力を与えられるわ。…でも、あんたじゃ無理みたいね。わたし、何も見えないもん」
「他は?」
「秘薬を見つけたり、あと、主人を敵から守るって役目もあるわ。これが一番重要なんだけど、あんたじゃ無理ね」

そう言ってルイズはジョニィの脚を見る。
直接聞いたわけではないがルイズもジョニィの脚が動かないことには気付いている。
魔法が使えない平民が戦闘中に動けないようでは戦うことなんて無理!とルイズは考えていた。

「だからあんたに出来そうなことをやらせてあげるわ。炊事、洗濯、その他雑用」
「まあ…いいさ」

その言葉を肯定と受け取ったルイズは小さく欠伸をした。

「さてと、しゃべったら眠くなっちゃったわ」
「で、僕はどこで寝ればいいんだ?」

ルイズが指差したのは床だった。

「野宿には慣れてるけど…僕は犬や猫じゃあないんだ」
「仕方ないでしょ。ベットは一つしかないんだから」

そう言うとルイズは一枚毛布を投げてよこした。
それから何にも言ってないのに勝手に衣服を脱ぎ始め…

「それ明日になったら洗濯しといて」

…そう言ってパンティやキャミソールを投げてよこした。

───あなたならどうする?最高だった……

「最高じゃあないッ!おまえ何してるんだルイズーーッ!!洗濯はともかく理由を言えーーーッ!!」

驚くジョニィをルイズはきょとんとして見る。

「寝るから着替えるのよ」
「き、君は男の前で着替えてもなんとも思わないのかッ!?」
「男?誰が?あんたは使い魔じゃない」

そう言ってルイズがぱちんと指を弾くと部屋のランプが消えた。
ジョニィはパンティやキャミソールを部屋の隅に押しやるとそのまま毛布を被った。
寝袋を取ってこようかとも考えたが馬舎まで行く気力も尽きた。

───ジャイロ、君は女は禍を運んでくると言ってたけど…その通りだったよ…

To Be Continued =>

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