ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

第二話『帽子しか言わない人たち』

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匿名ユーザー

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「帽子みたいですねぇ・・・」
「帽子みたいじゃのぅ・・・」
「帽子みたいですわね・・・」
「帽子みたいですよね・・・」
「チュウチチュチュウ・・・」
コルベール、オールド・オスマン、秘書のロングビル、ルイズ、そしてネズミのモートソグニル。
四人と一匹の視線の先には帽子みたいな変なモノがふわふわと浮かんでいた・・・

『変な帽子みたいな使い魔』

「これ・・・本当に使い魔?ジョンガリ・A君」
「コルベールです。先ほど調べてみましたが、確かにこの帽子のようなモノと
 ミス・ヴァリエールとの間には魔的契約の痕跡がみられました。
 よくみるとルーンも刻まれているようですし、ミス・ヴァリエールの使い魔に間違いないかと」
「でもこれ・・・帽子じゃしのう・・・」

この帽子みたいなモノを発見したルイズは、そりゃもう大騒ぎであった。
(なななななななにか帽子の怨みを買うようなことをしたかしらららららららら)
その帽子みたいな幽霊に向かって、泣き、謝り、祈り、命乞いをし、最終的には逆ギレもした。
しかし帽子がなんのリアクションもせずふわふわしてるだけなので、
やっとなんか変だ、と気づいたルイズは教師のコルベールに相談しに行った。
そして次の日の早朝、ルイズは学院長室に呼ばれたというわけだ。

「いや・・・でも帽子だし・・・」
「確かに帽子ですが・・・」
「やっぱり帽子・・・ですねぇ・・・」
「帽子」「帽子」「帽子」「帽子」「帽子」「帽子」「帽子」「帽子」「帽子」「帽子」・・・
そろそろ『帽子』に対してゲシュタルト崩壊が起こってきただろう。
こいつらさっきから帽子しか言ってない。大丈夫か?こいつら?と思い始めただろう。
だがそれには深いわけがある。

 ・・・眠いのだ・・・!

昨晩ルイズがあげた悲鳴は女子寮はおろか学院中に響き渡り、まさに『ウェカピポ』だった。
そんな状態でこの四人は朝早く集まっているのである。
ちょっと脳に異常をきたしても全くおかしくないのだ。

「ふむ・・・見覚えのないルーンですね・・・」
そんなバカどもの会話の中からいち早く抜け出したのは、コルベールであった。
だてに禿げてはいない。
「ちょっと失礼」
とふわふわしてる帽子に手を伸ばし、捕まえてルーンを詳しく見ようとした。

ヒラリ

「おや?」
しかし帽子はコルベールの手からするりと逃げ出す。
「ほっ」ヒラリ「はっ」ヒラリ「とおっ」ヒラリ「ぽおぅ」ヒラリ「あちょ」ヒラリ
「あたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたた!!」
ヒラリヒラリヒラリヒラリヒラリヒラリヒラリヒラリヒラリヒラリヒラリヒラリヒラリヒラリ
「・・・ゼェ・・・ゼェ・・・ゼェ・・・ミス・・・ヴァリエール」
「ですから帽子・・・あ!はい!なんですかミスタ・コルベール」
精も根も尽き果てたコルベールはルイズに助けを求めた。
「この・・・使い魔を・・・捕まえてくれませんか・・・」
「無理です」
即答するルイズ。実は昨晩、逆ギレしたときに暴力的手段に訴えるために捕獲を試みていたのだ。
家宝の聖なるムチをも投入したが、結局一発も当たらなかった。

「帽子・・・あら、もうこんな時間ですわ」
「帽子・・・む、朝食の時間じゃのう」
残りの二人も正気に戻ったようだ。
「とりあえず、ミス・ヴァリエール。この帽子みたいなモノはきみの使い魔に間違いない。
 今日のところはこれぐらいにして授業にでなさい。
 一緒にいればこの使い魔のこともきっとわかるはずだから」
「はい・・・わかりました」
そしてルイズは部屋から出ていった。
「わたしたちも行きましょうか」「うむ」「はい」
三人も朝食に向かい、部屋には誰もいなくなった。

「チュウ(帽子)チュウ(帽子)チュウ(帽子)チュウ(帽子)チュウ(帽子)チュウ(帽子)」

いまだにとち狂っている下等生物を残して。

ルイズは朝食に行く前にいったん部屋に戻っていた。顔を洗い忘れていたのだ。
冷たい水で顔を洗っていると、

ぽふ

「ん?」
鏡を見てみれば、頭の上に帽子が乗っかっている。帽子の大きさは直径15サントぐらい。
それがちょこんとルイズの頭に乗っているのはなかなか微笑ましい光景だった。

が、『キュピーン』とルイズの目が光った瞬間、
「かかったな!アホが!」
と帽子にチョップをかました!
ヒラリ「ひぎゃ!」
しかしあっさりかわされ勢い余って自分の頭にチョップをかましたルイズ。
「ううう・・・このバカ帽子ぃ――――!」
明らかにこいつの方がバカである。


第二話『帽子しか言わない人たち』完ッ!

 バ―――――z______ン!




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