ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

~百合の使い魔~

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匿名ユーザー

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ルイズにはなにが起こったかわからなかった。
目の前のものが『何』かは理解できる。
だが『なぜ』そこにいるのか? それが理解できなかった。
周りの皆の嘲笑がそれを理解させた。
「さすがは『ゼロ』のルイズ! 平民を召喚するなんて!」
「君はやればできる子だと思ってたよ! ププッ」
ルイズは瞬時に行動に出る。
「ミスタ・コルベール! やりな――」
「だめです無理です儀式です。君には最後までやってもらいます」
ハゲは否定する。頭皮は拒絶する。それは絶対的宇宙意思――

ルイズはあらためて『それ』を見る。
相手のほうも、なにが起こったかわからないようで、怯えている。
それにしたって異常な怯え方だ。
よく見るとずぶぬれで、手には何か包みを持っている。
「ちょっとアンタ!」
声をかけるとビグゥッ! と震えた。ルイズぷちショック。
「あ…あなたは?」
「…聞いて驚きなさい、わたしの名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール!」
そして! 間髪いれず! 一気に!!
「平民の分際で! 貴族にこんなことされるんだから感謝しなさいよね!」
その唇に! キスをッ! ブチュルブチュルとブチ込んだッ!!

そいつの左手にズギュンとルーンが刻まれていく。
(間違いないわ…ルイズ・ド・ラ・ヴァリエール…『この人』は……)

『女の子が好き』


      ~百合の使い魔~始まらないよ!



一体なんでこんな事になったのか、今でもわからないわ――

――わたしはただ、小瓶を拾ってあげただけ。
このグラモンとかいう人をどうこうしようなんて、まるで考えてなかった。

小瓶を机の上に置いた途端、彼の周りが騒がしくなったの。
それから――すごい平手打ちだったわ。食堂中に音が鳴り響いたもの。

――でも、それだけじゃなかった。
ワインを頭からかけられて、極め付きの一言――
「最低! もうそのワイン臭い面見せるんじゃないわよッ!」

彼は私のことをすごい目つきで見てた。
「君は確か…ミス・ヴァリエールの……」

「ちょっとギーシュ! 人の使い魔に何ちょっかいかけてんのよ!」
そこに彼女が割って入ってきた。
「使い魔の不祥事は主の不祥事……償ってもらうぞヴァリエール! 『決闘』だッ!」
「はぁ? 急に何言い出してんのよアンタ?」
「ぼくが勝ったら……」
「話聞いてる?」
本当に、何がなんだかわからないの。

「彼女をぼくにくれッ!! 決闘だ! 『愛』のために!!」

(これで間違いないわ…ギーシュ・ド・グラモン…『この人』は……)

『私のことが好き』


     ~百合の使い魔~決闘祭りよッ!



ルーシーは、特に決闘に興味が無かったので、ルイズの部屋でごろごろしていた。
何しろ、この部屋には『脊椎』が置いてあるのだ。出来るだけそばにおいておきたい。
もしかしたら『遺体』のパワーで突然元の世界に戻れるかもしれない。

ガチャリ、とドアが開いてルイズが入ってきた。
「お帰りなさ――どうしたのその顔!?」
ルイズの顔は随分とひどく腫れ上がっていた。
そして同時に晴れ上がった顔でガッツポーズを取るルイズ。

ルイズの話によると、決闘は両者が同時に杖を落としてしまい、素手による乱闘に突入。
ギーシュは空気投げでルイズを翻弄し、ルイズは逆立ちでギーシュを困惑させる。
それでも決着がつかず、お互いを強敵(とも)と認め合ってその場は収まったらしい。

(女の子とガチで殴り合って引き分けって、正直大概よね)
(スティーブンだったらこんな華奢な女の子、一発でノシて今頃サーカスに売り飛ばしてるところよ)
(ルイズってそういう層に需要が高そうだし、割りといい値段がつくわね)
(そういえば家柄も貴族だし、キュルケのサラマンダーどころの話じゃないわ)
(好事家に見せたら、値段なんかつかないわ)
夫のことを思い出してセンチな気分になるルーシー。彼は今大丈夫だろうか?

ルイズがベッドに寝転んできたので、いつものように「よちよち」と頭を撫でてやる。
ゆっくりと何回か撫でてやると、ルイズは気持ちよさそうに眠りについた。
だいぶルイズも主従関係というものがわかってきたようだ。
何者かに見られている感覚を味わいながらルーシーは思った。

(間違いないわ…オールド・オスマン…『あの人』は……)

『スケベジジイ』

     ~百合の使い魔~盗撮祭りよッ!

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