ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

ゼロの来訪者-6

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匿名ユーザー

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結局爆発がルイズの魔法の失敗による物とわかり、マリコルヌが呼んで来た先生達は
ルイズに罰として教室の片づけを命じた。
当然の如くルイズは、平民であり使い魔の育郎におしつけようとしたのだが、
「怪我は無いみたいだけど、念のため休んでいた方が良い」
と先に言われてしまい、やることもなく育郎を眺めているのであった。

変な奴…
なんで文句一つ言わないのよ?
魔法を失敗して教室をこんな風にしたのは自分なのに…

押し付ける気だったのに、ついそんなことを考えてしまう。

「ねえ、あんた…何か言う事は無い?」
「?」
声をかけられた育郎が、手を止めてルイズの方を向く。
「ほら、あれよ…その…私の魔法…」
「ああ、誰だって失敗ぐらいあるさ」
一瞬わかってて言っているのかと、頭に血が上りかけるが、この従順な使い魔が
そんな事を考えるわけは無いと思い直す。
「…私がなんで『ゼロのルイズ』なんて呼ばれてると思う?
 魔法の成功率ゼロだからよ…みんな私を馬鹿にしてる…」
二つ名を自分で口に出すと、いつもより惨めな気分になってきた。

「魔法…つかえたじゃないか?僕を呼び出せた」
「……あんたなんか唯の平民じゃない…失敗よ、失敗!
 成功したと思ったのに、なんで…なんであんたなんか…」
勝手に呼び出しておいて、あんまりといえばあんまりだが、うつむいて悔しさに
震えるルイズを見ると、育郎は彼女が不憫に思えてならなかった。
「確か…使い魔の一番の役目は主を守る事だったね」
「…それがどうかしたの?」
「見てて」
爆発で砕けた石のかけらを手にもち、
「………ウソ!?」
育郎が手に力こめた次の瞬間、石が粉々になっていた。
「どうかな?」
口をぽかんと開けて育郎の手を見つめていたルイズが、慌てて平静を装う。
「ま、ま、まあまあじゃない…す、少しは評価してあげてもいいわね」
「ありがとう」
「ちょ、調子にのらないでよね、ただ馬鹿力なだけじゃない!使い魔ってのは」
「ルイズ」
「こ、今度は何?」
「そろそろお昼ご飯じゃないか?」
育郎が時計を指差すと確かにもう昼食の時間だった。
「後はやっておくから、先に行っておいで」


『ゼロのルイズ』か…

一人掃除をしながら育郎は考えた。
魔法がつかえない魔法使い。
ルイズは『貴族』である自分を『誇り』に思っている。
しかし貴族の証明たる魔法が扱えないのだ。
『誇り』を持つが故に、魔法が使えないと言う事実が彼女を傷つける
自分が彼女になにかしてやれる事はないのだろうか?
「ん?」
ふと視線を感じたので思考を中断し、そちらの方を向く。
「あれは…キュルケさんの使い魔だったか…どうかしたのかい?」
近づこうとすると、どこかに走り去ってしまった。
「なにやってんのよ。掃除は終ったの?」
振り返るとルイズが教室に入ってきて、こちらを見ている。
「ああ、ルイズか。今そこにキュルケさんの使い魔がね」
「キュルケの~?」
露骨に嫌そうな顔をするルイズ。
「掃除ならもうすぐ終るけど」
「まったく、グズなんだから…ホラ」
そう言って何かが入った包みを育郎に渡す。
「これは?」
「アンタの昼食よ、もう昼からの授業も始まるから食堂に行く時間もないでしょ?
 ご主人様がわざわざ持ってきてあげたんだからありがたく思いなさいよ」
包みの中を見るとサンドイッチが入っている。
「…ありがとう、ルイズ」
「使い魔の面倒を見るのはメイジの役目なの!か、勘違いしないでよね!」


その夜、トイレから部屋に戻ろうとすると、部屋の前にサラマンダーが居た。
こちらに気付くと、きゅるきゅると鳴きながら近づき、育郎のズボンをくわえる
「な、なんだい?」
等といっても答えるわけもなく、そのままグイグイとズボンを引っ張る。


「ふふ、準備完了ね…」
部屋の明かりを消して、キュルケは一人ほくそえんだ。

あのルイズの使い魔… す ご く い い !

今日の出来事から、自分の使い魔を使って育郎を観察していたキュルケは
さっそく育郎を自分の新しい恋人にすることを決め、使い魔のサラマンダー、
フレイムに育郎を連れてくるよう命じたのであった。

顔も良いし、優しいし、なによりもあのルイズの使い魔ってのが最高ね!

家同士の因縁で、ルイズとの仲は最悪といって良い。
そのルイズから使い魔を奪い取ると考えただけで笑いがこみ上げてくる。
ほえ面をかくルイズを想像していると、部屋のドアが開き、誰かが入ってくる。

きたわね…

当初の予定道り、少しずつ蝋燭をともしてゆき、ムードをだす。
闇の中、淡い光にともされて、足がグンバツ、胸が何想像してんのさ!な美女が
下着姿で現れるのである。大抵の男はこれだけでやられてしまう。

「ようこそ、こちらにいらっしゃ…ってあれ?」
「なにやってのんのよ、キュルケ!」
しかして暗闇から現れたのは、育郎ではなくルイズだった。
「ちょっと、なんであんたがいるのよ?あんたの使い魔はどうしたの」
「あいつが何時までたっても帰ってこないから、もしやと思えば…
 やっぱりあんた、私の使い魔をたぶらかそうとしてたのね!」
「あら、恋愛は自由よ…悔しいならあなた自身の魅力で繋ぎ止めればいいのよ
 ま、その胸じゃ無理だろうけど」
「なんですってぇぇぇぇぇ!」
一触即発の空気が流れる中、育郎は


「すいません、こんな時間に。えっと…」
「あ、シエスタって言います。
 お気遣いなさらなくても結構ですよ、使い魔に食事を出す事も私達のお仕事ですし」
きゅるきゅる
出された肉を美味しそうに食べるサラマンダーを見て、育郎は微笑んだ。
「やっぱりお腹がすいてたんだな…」
そんな育郎の横顔を見ていると、シエスタは
(この人、よく見ると結構格好いいかも)
なんて事を思ってしまい、少し頬が赤くなってきた。
「何か、僕の顔についてますか?」
「い、いえ!あの…イクローさんもどうですか?余り物ですけど
 ミス・ヴァリエールから申し付けられた量では足りないでしょうし」
「…いいんですか?」
「ええ、平民同士は助け合わないと!」
「それではお言葉に甘えさせてもらいます。本当にすいません」

フラフラ ア、アシガモツレテ
大丈夫ですか!?
ゴロニャン

なんだかんだでいい思いをしていた。


ルイズ・キュルケと壮絶なダブルKO
キュルケ・同上
ぺリッソン・キュルケとルイズの争いに巻き込まれてリタイヤ
スティックス・同上
マニカン・同上
エイジャックス・同上
ギムリ・同上
マリコルヌ・使い魔と散歩をしていたら、上の5人が次々に降ってきてリタイヤ


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