ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

使い魔は刺激的-1

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マリコルヌ・ド・グランドプレ――現在17歳、彼女なし、童貞
この物語は彼の熱き恋のHistoryである!

「ルイズの奴、平民なんか召喚してるぜ!」
「うるさいわね!この風邪っぴきッ!」
「誰が風邪っぴきだ!僕は『風上』のマリコルヌだぞ!」
「マリコルヌ君。時間がないですからちゃっちゃと済まして下さい」
 落ちこぼれの同級生を茶化していた一人の生徒が教師に促される。
 トリステイン魔法学院と呼ばれるこの場所は貴族の子息たちが集う学び舎である。
 ただし、この学院で教えることは魔法学院の名の通り、この世界で絶対的権力を持つ
 貴族たちのその立場を支える魔法と言う技術を教える場所であるのだ!
 今日はその生徒たちの使い魔となり、そして彼らの今後を左右する重要な儀式
 『サモン・サーヴァント』が行われていた。
「さて、『ゼロ』のルイズにこの『風上』のマリコルヌが
 本当のサモン・サーヴァントを見せてあげよう」
「うるさいわね!失敗するところを見ててあげるわ!!」
「『ゼロ』の君と一緒にしないでもらいたいなぁ」
 嫌味にニヤつきながら呪文を唱え、彼の前にゲートが現れる。
 しかし一向に使い魔となる生物が現れない。 
「あれあれ?風邪っぴきの使い魔さんが出ていらっしゃらないわ?
 ひょっとして使い魔になりたい生き物がいないのかしら?」
「う、うるさいな今に出てくるさ!それから僕は『風上』だ!」
 それからしばらく待つも一向にゲートを通ってくる気配がない。
 周りの同級生たちと教師の視線が突き刺さり、マリコルヌの心に
 不安と言う名の雲が広がっていくその時であった。
 ゲートの表面に変化が訪れ、一体の生物が姿を現した。
「きッ来たあー!ほら見ろ来たじゃないか!……あれ?」
「ひょっとしてコレって平民じゃないの?」
「君まで平民を呼ぶなんて……どうしたんだいマリコルヌ?変な顔をして」
 マリコルヌは自分が呼んだ平民の少女に釘付けとなった
 一目惚れというヤツである。

「マリコルヌ君まで平民を呼ぶとは……」
「なによ、自信タップリに言ってこの有様?なっさけないわね」
「本当にどうしたんだいマリコルヌ?顔が真っ赤だよ」
 級友の嫌味や心配の言葉など耳に入らず、マリコルヌは女性に見入っていた
 露出過多な服装に包まれた、猫科の動物を思わせるしなやかな肢体
 気の強そうな顔立ち、その全てがマリコルヌの心臓を震わせ、
 脳髄に走った熱い衝撃は彼を燃え尽きさせた。
「マリコルヌ君、早く契約を済ませなさい」
「……ハッ!?サーイエッサー!マリコルヌ契約を行いますですサー!」
 鼻息荒くジワリジワリとにじり寄るマリコルヌ、その姿はハッキリ言って変質者のそのものだ。
 そして少女の唇に自分の唇を合わせようとしたその瞬間!
 彼の口に『見えない何か』が突き込まれた!
『テメェー!ナニキスシヨウトシテヤガンダァーッ!コノブタ野朗ガァー!!』
「おぶべッ!?」
『シャブレ!ワタシノ拳をシャブレ!コノドグサレガァッ!!!』 
「おごごごご?!」
 周りにいた者たちは何が起こったのかわからなかった。
 契約を行おうとマリコルヌが顔を近づけたら、何故か口を限界まで開けて
 地面に横たわったのだ!
 しかし、すぐにそれは間違いと気付いた。なぜならマリコルヌが何もない空中に
 手を掲げて必死になって『何か』を掴もうとしていたからだ!

「マリコルヌ!何をやっているんだね?!」
「なんだか判らんがとにかく彼を助けねば!」
 マリコルヌを助けようと教師や生徒が走り出す。
『コッチニクンジャネェー!コノコッパゲガァ!!』 
「なんだ?!足が動かんッ!」
「うわわわ!?助けてくれ!僕のモンモランシー!」  
『ゴキブリホイホイニ捕マッタミテーニ這イツクバッテロ!』
 教師と多数の生徒たちがマリコルヌの手前で突然転んで地面に張り付けられたように
 身動きが取れなくなっていた。
 それと同時にマリコルヌの口に詰められていた『何か』が僅かに引き戻されるのを
 感じ取り、跳ねるようにマリコルヌは飛び起きそして平民の女性に自分の顔を叩きつけた!
「うぶぶ…ぶはッ!な、何よアンタはッー!!」
 唇を何かで塞がれた少女はその衝撃で目が覚め、自分が見知らぬ男にキスされている 
 ことを知って二度衝撃を受けた。そして更に―――
「うあっ!熱ッ!」
 胸に焼き鏝を押されたような衝撃を受け、三度に渡る衝撃で気を失った。
「お?おお!身体が動くぞ!」
「怖かったよーモンモランシー。君のその胸の中で僕を慰めてくれえー」
 少女が気絶すると同時に張り付けられていた教師たちが起き上がる。
 それを見て満足したようにマリコルヌは微笑むと、ファーストキスをしたことを思い出し
 その衝撃で気を失った。


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