ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

ファミリア―・ザ・ギャンブラー-5

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 「モンモランシー!どうして?」
 「ギーシュの魂ならこのモンモランシーが先に賭ける権利があるでしょ。
あんなのでも私の元彼なんだから。」
 "元"という所を強調してモンモランシーは言った。――それにここで恩を売っておけば後々動かしやすいしね…フフ。心の中で付足す。
 「私は水系統のメイジ! よって水を使った賭け、『グラスとコイン』での勝負を希望するッ!」
 「グッド!」
――かかったな、アホが! この『グラスとコイン』は私の得意の賭けッ! はっきり言ってやりこんでいるッ!
 モンモランシーは何処からか持って来たテーブルの上でグラスに水を注いだ。そのかおには不敵な笑みが浮かんでいた。
――このグラスの大きさ、水の量から考えて、9枚、それ以上多くも少なくも無く、きっかり9枚だけコインは入る。
この勝負もらったわね…アハハハ…フハハ

 「君がイカサマをしているとは言わないが、念のためグラスとコインをあらためさせてもらおうか。」
 「どうぞ、自由に。」
 イカサマなんてしなくても私は勝てるのよ、フフン! とでも言いたそうな顔でダービーにグラスを渡す。
 ――さて、ギーシュの魂が戻ったら二股かけてたお仕置きをたっぷりしてやらないと。とりあえず高い秘薬でも買わせないとね。あっ新しい靴もほしいなぁ。ドレスもほしい。えーいみんな買わせちまうか!
 モンモランシーは完全に自分の世界に入っていた。

 所変わって、ここは学院長室。
 「大変ですぞ、オールド・オスマンッ!」
 頭の中身ではなく外見が気の毒な男、コルベールがまくし立てた。
 「『ヴェストリの広場』でギャンブルをしておる生徒がいるようです。」
 「なんじゃ、そんな事か。賭け事なんぞわしも昔は良くやった物じゃ。
 おおそうだコルベール君久しぶりに麻雀でもやらんか。」
 「いいですね~。さっそく面子を集めましょう。」
 「ミス・ロングビル! 大丈夫じゃよ教えてあげるから。」
 「ギトー君! きみは付き合いという物をもっと大切にせねばなりませんぞ!」
 事の重大さを誰一人として理解していなかった。
 …
 ……
 ………

 「さぁ、貴方の番からよ。」
 「コインは一回に何枚入れてもかまいませんかね?」
 「結構、一回で入れるならね。」
 ダービーは中指と親指で7枚のコインをつかんだ。群集がざわめく。
 「7枚か!? コイン7枚も入れるのか? 7枚…このイヤしんぼめ!」
 「静かに! テーブルに手を触れないでくれ。」
 誰もが固唾を飲んで見守るなか、7枚のコインは、静かに、グラスの底へと沈んだ。
 「ものすごい精神力ね正直驚いたわ。」
 ――でも、これで私の勝利は確実な物となったわ。あと2枚。これなら私の小さな手でも確実に入れることが出来る。1枚や2枚でちまちまやられるよりも遥かに良いわ。これでチェックメイトよ!
 モンモランシーが2枚のコインを指にはさみグラスへと運んだ。

 「貴方に言いたいこことが2つある。ひとつ、あなたは考えていることを顔に出しすぎる。ふたつ、対戦相手の動きは良くみるべきだ。」
 ダービーが口を開いた。
 「なにがいいたいの?」
 「『今後』の教訓にしてくれればいい。『今後』が有るのならね。」
 その場の空気が唸りを上げるような感覚が彼女を襲った。もしかして、まずいのかしら。そう思った時にはすでにコインはモンモランシーの手から離れていた。
 グラスから、音も無く、水があふれ出した。
 グラスの底に小石がかませてあったことに気付いた者はいなかった。

 「さあ、次は誰だね?」真直ぐにルイズの目を見据えダービーが言う。
 「私が行くしかない様ね。誰かッ! 二人の死体に固定化の魔法をッ!」
 今更ながら固定化の魔法がかけられる。ギーシュの死体はちょっぴり腐りかけているようだった。
 「賭けるわッ! アタシの魂をッ!」
 「グッド! それでは私はまずギーシュを賭けよう。」
 ダービーがテーブルの上にギーシュのコインを弾く。
その時、意を決したようにシエスタが申し出た。
 「ミス・ヴァリエール! 私の『魂』を貴方に預けます。私の『魂』も賭けてください!」
 「なんですって! 貴方、本気なの!?」
 「この決闘、もとはと言えば私の責任です。貴族様の『魂』に比べたら下等な『魂』かもしれませんが私の『魂』を賭けてください!」
 ルイズはしばらく悩んだが、シエスタの気迫に押され了承した。
 「わかったわ。貴方の『魂』少しの間借りておくわ。」
 「いいでしょう。『魂』に貴賎など有りません。私もさらにモンモランシーをレイズしよう。」

 「それではゲームを開始しましょう、何にします何でもかまいませんがね。」
 「何勘違いしてるの!?まだアタシには賭ける物が残ってるのよ。」
 「……どうゆうことだ?」
 「アタシはさらにそこにいるマリコルヌの『魂』を賭けるわ!」
 抗議の声をあげようとするマリコルヌにすかさずタバサが『サイレント』の魔法をかけた。
 「これでマリコルヌは自分の『魂』をかけられてもアタシに文句は言わない!
 さあダービー…アンタにもマリコルヌの『魂』に見合ったものを賭けてもらうわ。」
 ルイズが続ける。
 「それはッ! 『掃除、洗濯、その他家事全般』を毎日やってもらう事よッ!使い魔は使い魔らしくね。」
 「……グッド!」

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