ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

第二話 カオスは大変なものを残して行きました

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「・・・ゴーゴン君、彼はまだかね?」
「・・・まだでしょう。あとコルベールです。」
「・・・彼が来ると言ってどのくらいたった?」
「・・・5時間ですかね・・・」
もう空には月が二つ出ている
コンコン
「すいまっせぇ~ん、メローネですけど、呼ばれたみたいなんで来ました。」
「来ましたよ・・・」
「よし、ここはガツンと言ってやらねば・・・。ゴホン。入りなさい。」
威厳のある声でオスマンが答えると、志々雄が入ってきた。
「・・・誰?」
「メローネです。いつもの服が洗濯中だったんで・・・」
「そうか・・・それにしても遅過ぎじゃあないのかね?」
「いや、すいません。これで勘弁してください。」
そういうとメローネは2人にパソコンを見せた。
「「こ・・・これは・・・」」

新ゼロの変態第二話 カオスは大変なものを残して行きました

「いやホントすいませんね。待たせちゃって。」
「いーんじゃよ!いーんじゃよ!しょうがないって!」
鼻にティッシュを詰めたオスマンが答える。
「で・・・話とは?」
「教えておやりなさい、石のゴーレン君。」
「『ディオガ・ゴルゴジオ』!!・・・君の左手のルーンのことです。」
「・・・これか?」
包帯を取って左手を見せるメローネ。
「はい。その模様が問題なのです。変わった模様だと思い独自に調べた結果・・・」
鼻にティッシュを詰めたコルベールが続ける。
「伝説の使い魔『ガンダールヴ』のものと同じだったんだよ!!」
「な、・・・そうなんだ。」
「えぇ。ガンダールヴはありとあらゆる武器を使いこなしたと言われ、『神の盾』とも呼ばれています。」
「あらゆる武器を使いこなすねぇ・・・」
メローネはベイビィ・フェイスが強化された原因はこのルーンの所為だと判断した。
パソコンが武器に含まれるかは疑問だが。
「ところで・・・他にも聞いていいか?クラウザーさんはどうなった?」
「彼は『ちょっとヘルヴィタSATUGAIしてくる』といってどこかへ行ってしまった。」
「な・・・あんたいつのまに・・・」
「ほっほっほ。術が甘いぞコルベール君。」
石化から抜け出したオスマンにメローネは尋ねる。
「そうか・・・ボスはどうなった?」
「あれからアルヴィーズの食堂でミス・モンモランシーに『だましたな貴様!!』といってドロップキックを放ったが
 運悪く足の小指が机の角にぶつかってショック死したのを見てから見たものはおらん。」
「そ・・・そうなのか・・・」
そしてメローネは最も重要な質問を投げかけた。

「あんた・・・別世界の存在を信じるか?」
「それは・・・君が元いた世界のことかの?」
「あぁ。嘘だと思うのも無理はないが・・・証拠ならある。」
「信じとるよ。」
「は?」
メローネはネギま!の一巻を取り出す手を止めた。
「信じとるが・・・それは何かの?」
「・・・漫画だ。オレのもといた世界の、ジャッポーネというところのだ。
 もっとも、これはギーシュの部屋にあった本を『組み立て直して』創ったやつだがな・・・」
「ほう、それでハルケギニア語なのか。」
「なぜかな。まぁ、文字の勉強になる。セリフは全て暗記しているからな。」
「なかなかええもんじゃが、途中で終わっておるぞ?」
「それはだな・・・」
メローネは雑誌のことなどを心底丁寧に説明した。
「・・・だからそうなってるわけだ。で、なんで信じてるんだ?」
「会ったのじゃよ。昔別世界から来た男と。」
「なんだと!?詳しく教えてくれ!!」
「でもなぁ・・・これ以上しゃべっちまうと大変なことになるかもなぁ・・・」
物欲しそうな目で見つめるオスマン。
「・・・わかった。1学期終了まで貸してやるから、早く教えろ。」
「わかればいいんじゃ。ほっほっほ。」

「あれは数十年前の事じゃった。若かった儂はある森を探索していてワイバーンに襲われたんじゃ。
 あれはやばかった。死ぬかと思ったワイ。・・・でその時ある男がワイバーンを倒したんじゃ。
 ほんと凄かったぞ。杖のようなもので持っていた球をぶつけるとワイバーンが吹っ飛んでいったからの。
 その時男は怪我をしておった。・・・うほっ!この女の子可愛いの!ハルナちゃん?これ良くね?
 ・・・あーすまんすまん。それで怪我をしておったから学院の医務室に連れ帰ったのじゃが・・・」
「・・・死んだのか」
「あぁ。死ぬ間際に『此所は何処だ?オレは戻らなければならんのだ!手塚と・・・決着を・・・』といっておった。
 そして球の方は彼と一緒に墓に埋め、杖は儂が『破壊の杖』と名付け、宝物庫に保管しておる。」
ネギま!を読みながらオスマンが語った。
「そうか・・・」

他にもいろいろ話を聞いていると、ふとメローネはカオスの遺言を思い出し、コルベールに尋ねた。
「おい。ここ最近、妙な事件とか起きなかったか?」
「いえ。この学院では・・・。ですが・・・」
「ですが?どういう事だコルさん。」
「『魔竜軍団』というものを知っていますか?」
「なんだそりゃ?マリュー艦長のファンクラブか?」
「トリステインに突如現れた盗賊団じゃ。構成員は小型のドラゴンらしい。」
オスマンが口を挟む。
「そうなのか。でそいつらがどうしたって?」
「集落を襲って全滅させ、馬車で移動していた貴族の一家が襲われたんです。。
 存在自体は都市伝説のようなものですが・・・。」
「じゃがおかしなことに死体が一つも見つかってない。周辺には爪のようなもので切り裂かれた馬車などがあったのにな。
 だから死体は全部食われたとか魔竜軍団の正体は人をドラゴンに変えるメイジだとか憶測が飛び交っておっての。
 でもメイジは無いじゃろう。そんな魔法存在せんて。」
「人をドラゴンに変える程度の能力か・・・。そいつらの被害が初めて出たのは?」
「4日前です。・・・貴方が決闘した次の日ですね。」

『ぼくたちはぁ・・・ただでは死なない・・・』

「・・・まさか・・・な。」
メローネは頭に浮かんできた考えを否定し、念のため聞いた。
「ここら周辺の地図はあるか?あったら被害があった場所を教えてくれ。」
「被害件数はさっき言った2件です。場所は・・・」
コルベールの付けた印は、一直線にトリステイン魔法学院に向かっていた。
「・・・気のせいだ。」
「・・・ないですよね。」クシャクシャ
「・・・アッハッハ!偶然じゃろ。そもそも魔竜軍団なんて都市伝説じゃぞ!」ポイッ
「ですよね~。ただの盗賊ですよね~。じゃあ、今日はこの辺で~」
「さようなら。」
「ホッホッホ。また来てもよいぞ!」
メローネは現実から逃げるように学長室を去った。

「あっはっはっはっは~。いや~大変だった。」
汗だくで笑いながら廊下を歩くメローネ。格好が格好なので怖い。
すると彼は一つのことに気がついた。
廊下の角からジーーっと見つめられている。彼は暗殺者である。普通気付かないわけがない。
(なんか視線を感じると思ってたんだよな~。だれだよ一体。)
振り向くと・・・キュルケの使い魔、フレイムがいた。
「なんだよ、お前か火トカゲ。びっくりさせんなよ。」
そう言いながらメローネは考えていた。
(こいつはキュルケの使い魔だ。ということはキュルケがオレを監視させている。なぜに?)
そう思っているとフレイムが包帯を引っ張った。
「へ?こっち来いってこと?」
のそのそと移動するフレイムに、仕方なくメローネはついて行った。

「扉を閉めてくださる?」
メローネは訳がわからなかった。フレイムにキュルケの部屋に連れてこられたらと思ったらこれである。
黙って閉めるメローネ。突如ついて行く蝋燭。
そこにはセクシーな下着姿というなんともセクシーな姿のキュルケがいた。あ、セクシー二回言っちゃった。
「あなたは私のこと、はしたない女だって思うでしょうね。」
「うん。」
「でも仕方がないの。私の二つ名は『微熱』。微熱はすぐに情熱へ変わるの。」
「いや、微熱はほっといたらすぐ高熱に変わるから。重病かも知れないよ。はやく医者に行け。頭の医者に。」
「つれないのね、あなたって」
悩ましい動きで近づいてくるキュルケ。頭が爆発しそうなメローネ。
(まずい!なんだかわからんがとにかくまずい!)
メローネはキュルケの話をほとんど聞けなかった。いっぱいいっぱいなのである。
(ろくにフラグも立ってないのにこうなるキャラはヤバイ!直感だがヤバイ!)
話によると、要はギーシュを倒したメローネに惚れたらしい。本当に大丈夫であろうかこの女?
さらにメローネは何人もの男達が窓から部屋に入ろうとして撃墜されていくのを見た。
(くそ!コトを済ませるのはたやすい!だがそれではキュルケルートに入ってしまう!そしたらタバタンの好感度が無駄になる!)
大富豪しただけでこの有様である。
(それにこのルートはバッドエンド直滑降の気がする!いやデッドエンドかも知れん!タイガー道場送りになりそうだ!
 さっきの男達に刺されるかも知れん!ジェットマンかも知れん!)
キュルケは相変わらず話しかけてくる。
(どうする!この状況をどうやって打開する!?・・・こ、これだ!)
メローネはキュルケの肩を掴むとこう言い放った。
「すまないが・・・今のオレは巨乳派じゃあなくて貧乳派なんだ・・・」
愕然とするキュルケ!部屋を出るメローネ!
だがキュルケは諦めてはいなかった!
「あぁ・・・なんてことっ!彼が貧乳派なんてっ!でもいいわ!ますます燃えてきたわ!
 いつか彼を巨乳派にして振り向かせてみせるわ!」
メローネの発言は、キュルケの情熱という煉獄火炎にニトログリセリンを注いだだけであった。

「やれやれ・・・ひどい目にあった・・・」
キュルケの部屋から出るメローネ。しかしこの後彼はもっとひどい目に遭う!
「メ、メローネ・・・!?」
「はっ!」
そこには・・・ルイズが凄い形相で立っていた。
ルイズはメローネを部屋へ連れ込むと釘宮ボイスとは思えない声で言った。
「あんた・・・キュルケの部屋で何してたの?」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
「あ、あのぉ・・・アハハハハハ、ちょっと大変な目に・・・」
「そんな格好で・・・キュルケの部屋で何をしていた?」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
「こんな格好って・・・ただの志々雄じゃあ無いですかぁ~ハハハハ・・・」
「何をしたかと聞いているんだッ!!」
「うるせぇぇーーーー!!なにもしてねぇーーーー!!つうかなにこの展開!
 前回とかぶってんじゃん!二番煎じじゃん!おもしろくねぇんだよ!」
怒るメローネに対し、ルイズは続ける。
「質問だ・・・どこを蹴っ飛ばすかあててみな・・・」
「み、鳩尾ですかぁ~?」
「NO!NO!NO!NO!NO!」
「す、スネですかぁ~?」
「NO!NO!NO!NO!NO!」
「もしかして・・・股間ですかぁぁぁ!!!?」
「イエェェス!!」
「ノゥとしか言わないはず・・・」

この犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬(中略)ゥゥゥ!!

「あああああああぁぁぁぁあ!!もっと優しく!せめて生足で!ぬふぅ!」

メローネ・・・再起不能になるほど蹴られたが再起可能


時は前後するのだが・・・
「・・・なぁ。私は『尊敬』されるべき地位にいる人間は『尊敬』される器でないといけないと思うのだが・・・
 そこの所、君たち貴族はどう思っている?」
「ひぃっ・・・助けてくれ・・・!命だけは・・・」
「勘違いしないでくれ。私は生命も『尊敬』している。無下に扱ったりしない。
 ・・・このブローチ、結構似合っていると思わないか?」
「た・・・助けてくれるんですか・・・!?」
「人の話を聞かないのはその人を『尊敬』していないと言うことだよ。・・・まぁ、君達が『尊敬』を知らないアホだとしても
 命を冒涜するのは気が引ける。ここは君達の生命に敬意をはらって・・・」
「あ、ありがとうございますぅ!!」
「・・・有効に活用させてもらう。」

ドギュゥゥン!!

「・・・まったく、この世界にいるのは『尊敬』を知らんアホばかりだな・・・
 まぁいい。この世界と『私の世界』を結ぶ方法が見つかれば・・・我が祖国はさらに強大になり
 全世界から『尊敬』されることになるだろう・・・」
男は空に浮かぶ双月を眺め呟いた。


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