ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

白銀と亀な使い魔-9

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匿名ユーザー

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ここらでポルナレフの一日を簡単に語ろう。
朝起床したらバケツに水を汲んできて、それからルイズを起こして洗顔させる。その後着替えさせ、一緒に食堂に行く。その時こっそりと厨房に回り食事を頂く。
授業にはついていかず、午前中に掃除と洗濯を済ませる。亀の中に洗濯機があるのだが、亀も鍵もルイズが所持しているので使えない。
昼食をまた厨房でもらった後、食後の運動として決闘の真似事に付き合う。機嫌がいい日は杖を折るだけ、悪い日は良くて切り傷、悪くて針串刺しの刑ですませる。
夕方になればまた厨房に行き食事をもらう。
その後ルイズや亀と部屋に戻り、またルイズの身の世話をしたあと、藁の中で寝るのだ。
なお、今後の事も考え、開いた時間を使って、ハルケギニアの文字や地理等の常識的知識を勉強している。
シエスタやマルトー達が暇な時は彼等に教えてもらい、そうでない時は図書館に行き適当な本と自分の知識を照らし合わせたり、知り合いがいたらそいつに教えてもらったりするのだ。(主に決闘相手)
特にハルケギニアの言語はラテン語系のそれとは似て非なる物だったが、一週間足らずで簡単な文なら読み書き出来るようになった。

そして今日も決闘が終わったその足で図書館に来ていた。
「学校の図書館で勉強か…何だか学生に戻ったような気分だな。」
ポルナレフは本から顔を上げ呟いた。
彼は既に三十を過ぎている。学歴も高校までしか無かったので、それだけ学校が懐かしく思えたのだ。もっとも体育会系の彼は図書館で勉強なんてあまりしたことが無かったのだが…。

そう物思いに耽っていると、廊下でドタドタ走る音がし、誰かがドアを破壊するかのような勢いで開けて入ってきた。
ポルナレフが迷惑そうにドアの方を向くと、それはルイズだった。
「ハァ…!ようやく…ハァ…見つけ…た…!」
息を切らしつつ、ルイズはポルナレフを睨み付けた。
「図書館では静かにな。あと廊下は走るな。」
ポルナレフは明らかに場違いな指摘をあえてしてみた。
「黙りなさい!誰のせいだと思ってんの!」
当然ルイズはキレた。そのツッコミにポルナレフは10点中3点と心の中で酷評を下した。
「ひょっとして俺か?」
「あんたよ!何でかは知らないけどミスタ・コルベールからあんたを学院長室に連れてこい、て言われたの!」
「学院長室に?」
ポルナレフは驚いた。何故自分が呼ばれねばならない?
自分は一生徒の使い魔であれ、一応ここの生徒では無い。決闘なんて一方的に相手がやってくる物で自分に非は無いはずだ。あ、でもマリコルヌだけはやりすぎだったか。
とはいえ、学院長がお呼びなのだ。行かねばなるまい。
面倒臭そうに立ち上がるとそのまま図書館から出て、ルイズの後について行った。
学院長室に向かう途中、ふとポルナレフは気付いた。
「お前…亀はどうした?確か今朝授業に連れていったよな?」
「え…あ…そ、その」
「まさか爆発の餌食に……」
「まさかそんな訳ないでしょ!ただいつの間にかいなくなってただけよ!」
ルイズは顔を真っ赤にして言った。
「主人なら自分の使い魔(自分含む)ぐらいちゃんと管理しろ。」
「うるさい!」
そんなやり取りを交わしつつポルナレフは南西の方角に亀の気配を感じた。

ポルナレフはチャリオッツが戻ってきて以来、何故か亀の位置がだいたい分かるようになったのである。
おそらく亀も同じくポルナレフの位置が分かっているのだろう。
だからといって何のメリットもないのだが、ポルナレフはこの現象に関してジョースターやディアボロの血統を思い出した。
彼等は血の繋がり故か互いの位置が分かる。
かといって彼等みたいに亀と自分に同じ血が流れているとは思えなかったが、一つだけ思い当たる節があった。
それはトリッシュに化けたディアボロのもう一つの顔、ドッピオである。
あの時、既に視覚を失い、魂の形を見ていたブチャラティの目をディアボロはどうにかしてごまかした。
ブチャラティはあの時確かにトリッシュだと言った。
ポルナレフはディアボロがドッピオに自分とトリッシュの魂が似通う部分のみを渡したのではないだろうかと推測していた。(事実そうなのだが)
それならトリッシュがドッピオなのにディアボロの存在を感じたのも納得がいく。
つまり、互いの位置が分かるのは血統云々というより、魂が繋がっている、あるいは共鳴を起こしているのではないか。
それも自らの魂を具現化出来るスタンド使いだからこそ、出来るのではないだろうか。
それならレクイエムの時には魂が入れ代わり、それ以後亀の中で幽霊として過ごしていた自分と亀の魂が繋がっているということがありうるかもしれない。
だから亀だけでなく自分にも使い魔のルーンが刻まれたのか?
ポルナレフがそんな事を考えているうちに、ルイズが亀を見つけた。
「ようやく見つけたわ。ほら、こっちに来なさい!」
ルイズは逃げようとした亀を捕まえた。
それを見て、亀の位置なんて分かったところでしょうがない、現に自分よりルイズが先に見つけたではないか、とポルナレフは思った。


「君がミス・ヴァリエールの使い魔君とやらかね。ご存知だとは思うが、わしはトリステイン魔法学院学院長オスマンじゃ。
こちらは秘書のミス・ロングビル。」
「始めまして」
ロングビルはペコリとお辞儀した。
「J・P・ポルナレフだ。」
ポルナレフもお辞儀した。
「さて、ポルナレフ君。君を呼び出したのは君に聞きたいことがあるからじゃ。なに、そんなに固くなることはない。
別に校則違反の決闘を責めてるんじゃないから。」
ポルナレフはホッとする反面、決闘のことを責めるので無ければ一体なんの用事だろうと疑問に思った。
「君に聞きたいのは…あのゴーレムのことじゃ」
「『ゴーレム』?ギーシュのワルキューレのことか?」
「違う違う、あんな物じゃ無い。わしが言っておるのは決闘の度に君の側にいる『見えない』ゴーレムじゃ。」
オスマンは『見えない』殊更強調して言った。ポルナレフは一瞬ドキリとしたが、冷静を装い、
「私の側に立つ見えないゴーレム?何のことだ?」
と返答しつつ、チャリオッツを呼び出し、オスマンにその剣先を向けた。
いざとなったらオスマンの喉をかっ切る覚悟である。
「隠しても無駄じゃよ。のぉ?ロングビル。」
「ええ。大人しく認めた方がいいですよ。」
ガサガサと後ろで物音がした。
「何故なら貴方は既に死地にいるのですから。」
ポルナレフが後ろを振り向くと、そこにいたのは杖を構えたコルベールだった。前をみるとこれまたいつの間にか杖を構えたオスマンとロングビルがいた。
まさに前門の虎後門の狼、絶体絶命である。
「成る程…それほどこいつを危険視するか。」
ポルナレフはそう呟くと、静かに両手を上げ降参の意志を示した。その様子に三人ともホッとして杖を下ろした。
「それじゃあ、教えてくれるのかね?」


「仕方あるまい。貴様らの望む通り教えてやろう…だがその前に聞きたいのだが、何故あれを知っている?見えないはずだが…?」
「そこの遠見の鏡に映っておった。そのままでは見えん事は使い魔を使って確認した。」
「さてはあの白鼠か…あと、ミス・ロングビル。」
「何ですか?」
ポルナレフはつかつかとドアの方に歩いていくと思いっきりドアを開けた。
「キャッ!」
少女の悲鳴らしき声がした。
その声にオスマン達がドアの向こうを見るといきなり開いたドアに鼻柱をぶつけ、床に後頭部を打ち付け昏倒したルイズの姿があった。
鼻血がヤバイ位出ていて、せっかくの美少女がもはや間抜け面である。
「盗み聞きしている輩を何処か遠くへ連れていってくれ。」
「何故私が…」
「すまんがロングビル、彼女を医務室に。」
「…分かりました。」
ロングビルは私だけ話を聞かせないつもりか畜生、と心の中でプッツンしながらルイズにレビテーションをかけ、医務室へ運んでいった。
「さて、それじゃあ何から話せばいいんだ?ロングビルが帰って来るまでに終わらせたい。」
「何故じゃ?彼女にも話を聞く権利は…」
「ロングビルが帰って来たら、その頃にはルイズも帰ってくるからだ。」
ポルナレフは一週間、ルイズを観察した上で、運んだ人が医務室から戻ってくるより先にここに来れると判断した。(あくまで予測である)
だから、一番重要でなく、かつ片道の時間が長くなりそうなロングビルを指名したのだ。
オスマンは、よっぽど嫌いなんだな、と同情しつつポルナレフに全てを話すように言った。


To Be Continued...

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