ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

愚者(ゼロ)の使い魔-7

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だれでも歓迎! 編集
虚無の日。それはいわゆる休日らしい。
おれは今日はのんびり過ごそうと思っていたのだが、ルイズのこの一言によってその願いは砕かれた。
「出かけるわよ」
「いつ?どこに?だれが?なにを?なぜ?どのように?」
おれの5W1Hを無視してルイズは部屋をでる。
畜生!おれに安らぎの日は無いのか!おれの人権は何処に言った!
「もともと犬でしょあんた」
そうだった。
「フーケの時は大活躍だったしね。何か買ってあげてもいいわよ」
よし、すぐ行こう!


意気揚々と城下町にやってきたおれだが…
「イマイチだな」
あまり面白い物はなさそうだ。

俺が来たのは単純におやつが欲しかったからだ。
この世界にはコーヒー味のチューインガムは無いらしい。
そもそもガムそのものが無いんだそうだ(ケーキはあるのになー)。
だから代わりの物でも、と思ったのだがこんな所にまともな物は無いだろう。
厨房で甘い物を探していた方が幸せだった。
さらば我が幸福よ。

まあでも、折角きたので色々と見て回ることにした。
人間切り替えが肝心だ。おれ犬だけど。

通りにある店を見回って遊んでいたがあまり面白い物は見つからない。
やっぱ来なけりゃ良かったかなー。
その時、路地裏に人の気配を感じた。
おれは路地裏を覗き込む。そこには何と…

「ヒック。どうせ僕なんてたいした事ないんだー」
酔っ払いがいた。
あれ?でもコイツどっかで見たような…
「ケティには階段から落とされるしー、モンモランシーには爪を剥がれるしー」
あ、やっと分かった。ギーシュだ。
「挙句の果てには唯一の見せ場すら省略されるしー」
そんなこと言われてもなあ。
「僕も、僕にも、僕にだって!」
お、なんだ?メイジの主張?
「出番が欲しいよー!」
ああ、それなら大丈夫だって、実は今回で七回目の投下になるけど、
お前はそのうち四回も出てるんだぞ。
キュルケが四回、タバサが三回。
ほら、キュルケと同点だ。よかったな。

「イギー、行くわよー!」
お、ルイズが呼んでる。じゃあな。
「何かあったの?」
「うん、人生の負け犬を」
「まったくもう、そんなの見てると頭が悪くなるわよ」

クラスメイトにその言い草は無いんじゃねーの?

さてしばらく見回っていたがふいにルイズが話しかけてきた。

「イギー?何してるのよ?」
おれは銜えていた物を見せる。
「キャベツにリンゴ…どこで手に入れたの?…あっ!市場を通った時に盗んだわね!すばしこいヤツ!」
ルイズに蹴られた。何でだろ。

そのまま蹴られた事を理由に逃げ出し、適当な店を見つけ隠れるため中に入る。
「は~い、いらっしゃ~…ってアレ?犬?なんだよ客じゃね~のか。シッシッ!」
おれを追い出そうとする店員(おそらく店主)。何か腹が立ったので
「おいおい、おれは客だぜ~?客にそんな態度でいいのかよ?」
「い、犬が喋った~!?」
おい大声を出すな!

「悪い犬はいねが~~~~」
ほら来た、大声を出すからだ、まったく。
「主人から逃げるような犬はいねが~~~」
「いませーん」
「なら何故にこんな所にいるど~~~~」
「ここで買いたい物があるから~」
必死の言い訳。
「ここで買いたい物?」
「そう、ここで」
「でもここって」
ここって?

「武器屋、よね?」
おいおれ、こんな所で犬が何を買うってんだよ。

「いや、武器が欲しくなったんだ」
「何で?」
「何か買ってくれるって言ったろ?」
「なんで武器なの?」
「ザ・フールだけじゃ辛い時もあるからさ~」
「┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨」
「口で言うな口で」
釘宮ボイスでこれもアリかもな。

しばしの睨み合いの後、何とか言いくるめて武器を買ってもらえることになった。
でもおれに武器なんか使えるのか?と思っていたその時!
「な~にが武器が欲しくなっただ。お前なんかその辺の骨でも買ってもらえ」
バカにされた様な声が聞こえてきた。
店主だと思いそっちを睨むが、店主もまた別の方向を睨んでいた。
とりあえず店主が睨んでいる方向を見てみると…誰もいなかった。
だが店主はその空間に話しかける。
「やい!デル公!お前は黙ってろ!」
「ヘン!そんな事言ったって犬に剣なんか振れないこと分かってんだろ!」

おれはその声の主を特定し、ソイツに飛びかかった。
「イテ!何するんだこの犬コロ!」
「うるせー!」
そのままコイツをザ・フールでぶっ壊そうとする
「おでれーた!お前使い手か?」
「そうだ!じゃあ地獄に落ちろ!」
ザ・フールを使おうとするがその剣に何か言われる。
「待て!お前俺を買え!」
「いいぞ!さっさとくたばりやがれ!」
今度こそザ・フールを使おうとするが
「聞いてねーじゃねーか!」

あ、ホントだ。聞いてなかった。

よく話を聞くとコイツはデルフリンガーと言う名前で、意思を持っている武器らしい。
そして握っているヤツの実力も分かるのだとか。
つまりおれは実力者って事だ。良く分かってるなコイツ、気に入った。

「ルイズ、コレが良い」
「コレって…ちゃんと使えるの?」
「大丈夫だよ。で、いくら?」
後半は店主に向かって言った。
「それだったら新金貨で50になります。
あと普通は鞘に入れればおとなしくなりますけど…そいつは勝手に出てきたりしますよ?」
「別にいいぜ」
おれがそう言い、ルイズが金を払う。

これでインテリジェンスダガーのデルフリンガーはおれの物になった。


To Be Continued…

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