ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

ディアボロの大冒険Ⅱ-12

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匿名ユーザー

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慌てて立ち上がったルイズの目にもそのゴーレムが映った。
「ななな何!?まさかミス・ロングビルが土くれのフーケだって言うの!?」
(ゴーレムを作られたか……ヘブンズドアーのDISCで今更特殊能力を封印しても意味が無いな)
「そうだ……お前はこれを持って早く逃げろ」
テンパり具合が酷いルイズに冷静に答えながら紙から何かを出して渡す
ルイズの手に渡されたそれは『破壊の杖』だった。
その声と杖の重みに多少冷静さを取り戻したルイズが叫ぶ。
「何言ってんの!?あんたはどうするつもりなのよ!」
「私はあのゴーレムの足止めをする」
そのままデルフリンガーの鞘を抜くと、フーケのゴーレムに歩いて行くディアボロ。
少し散歩しに行く程度の気概で挑む姿には、何の気負いも無い。
後ろでルイズの叫び声が聞こえた気がするが無視する。

ルイズが廃屋の中に飛び込んでから数瞬、キュルケとタバサは小屋から飛び出た人影が巨大なゴーレムを作っていくのを見ていた。
「あれが……フーケのゴーレム・・・・・・ってかあの人って、明らかにミス・ロングビルよねタバサ?」
「間違い無い」
「それじゃあ、じっとしてる場合じゃないわよ!」
辺りに指笛が響き、続いてバッサバッサと羽ばたきながら出て来るシルフィード
「ゴーよ!ゴー!」
キュルケとタバサを乗せた風竜はゴーレムに向かって勢い良く羽ばたく

ディアボロは面白そうにゴーレムを見つめながら歩いている。
「ギーシュのワルキューレを軽く超える物を作るとは……さすが、トライアングルメイジ」
「なあ!如何すんだ相棒!?」
鞘から抜いたデルフリンガーが慌てた声で叫ぶ。
「足止めをすると言ったが?」
「あのゴーレムの大きさを見ろよ!?正気なのか!?」
確かに目の前のゴーレムは物凄い大きさを誇っている。
少し足を止めて顎を手で摩りながら喋るディアボロ。
「まあ……あのゴーレムを倒す手段なら幾らでもあるがな…取り敢えずは足止めだけだ」
「足止めなんかしないで、その倒す手段を使えよ!」
「嫌だ」
「何で!?」
「勿体無い」

デルフリンガーの中でディアボロの言った事が繋がる。
(嫌だの後に・・・勿体無い・・・つまり『勿体無いから嫌だ』って事か、納得だぜ!)
一瞬納得しかけたが、すぐに先程以上の大声で叫び始める。
「ハァァァァァ!?『勿体無いから嫌だ』って何言ってんだァ!?狂ってんのかこの変態!?」
「そう騒ぐな……来るぞ」
その一人と一振りの目の前では。
30メイルのゴーレムがこっちに向かって動き出したのが見えた。
「こんなのが『使い手』なんて嫌だー!クーリングオフしてくれぇ!」
「黙れ」
漫才をかますディアボロ達の目の前でゴーレムが腕を振り上げ―――

バゴォン! 
巨大な破壊音が響く。
原因はゴーレムの右腕がディアボロを殴ったからだ
辺りに土砂が舞い上がり、腕の先にはクレーターが出来あがっていた。
常人ならミンチ確定。それはフーケにもわかっている。
「もう終わりかしら?」
身の程知らずにも掛かって来た平民の変態に哀みと蔑みが混じった表情を向ける、が。

切断音と同時に――――いきなり、何の前触れも無しにゴーレムの手首が斬り飛ばされる。
「!?」
驚くフーケの視線の先。
砂に帰ったゴーレムの手首の跡から、何事も無かったかのように現れるディアボロ。
無傷ではない、だが、30メイルもあるゴーレムの攻撃をくらったにしてはあまりにも傷が軽すぎる。
自分のゴーレムの一撃に平民が耐えた。そのありえない現実に絶句するフーケ。


一見しただけでは余裕の表情のディアボロ。
だが、今の攻撃で彼はフーケのゴーレムを過小評価していた事を知った。
(少し侮りすぎたか・・・・・・ローリング・ストーンズの罠程とは言えないが、中々の攻撃力だ。足止めだけをしている余裕は無いようだな)
死ぬ程の傷では無いと言え、もう3,4回直撃をくらったらどうなるか分からない。
しかも切断した手首の先に土が集まって再生を始めて行くのが見えた。
DISCの無駄な使用は避けたいディアボロは、やや慌てながらもゴーレムを見る、しかし、件の土人形は何故か動こうとしない。
どうやらゴーレムの攻撃に普通に耐えたのが予想外すぎて、フーケは茫然自失となっているようだ。
このまま、間を置かないで攻め続けた方が良いと判断する。

「どうした?続けないのか?」
嘲るように笑いながらゴーレムに向かって再度歩き出した。
それを呆然と見ていたフーケは、歩いてくるディアボロの傷が治っていくのに気付く。
(理解不能理解不能理解不能!?)
自身の理解を超えた男に恐怖の表情を向ける。

「ば、化物!?」
「ふん?薄汚い盗賊にそう言われるとは私も心外だな」
ディアボロは大袈裟に肩を竦めるが歩みは止めない。
「このおぉぉ!」
恐怖を怒りで紛らわし、もう一度ゴーレムに攻撃させるフーケ
今度の攻撃は――足、それも鉄に錬金させている。
異常にタフなディアボロと言えども一撃で半死半生に追い込まれかねない。
しかし、それを見ても、ディアボロは余裕の表情を崩さなかった。
何故なら
(ピストルズはゴーレムを狙う可能性があるな・・・・・・良い角度だしアレを使うか)
ゴーレムの肩に乗ったフーケとの直線状に移動して、間に何の遮蔽物も無い事を確認したディアボロが紙からDISC発動をしようとする。
それはザ・ハンドのDISC!空間を削り取る事によって、フーケを自分の傍に引き寄せるのがディアボロの考えていた事だった!
(あいつ等が居るから全体攻撃DISCは使えん、切り札は勿体無い。
 なるべく無駄な消費は避けたかったが・・・・・・そうも言ってられんな)
足で踏み潰される一秒前には発動が間に合う事が分かっている。
ガオン!から
空間をけずるとる!……するとお~~~~っ!をして
ディアボロの勝利!フーケ編完!と言いたい所だが。そうは問屋が卸さなかった。



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