ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

第七話 フルボッコ・ギーシュ・シティ②

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気がつくと、メローネはまたしても暗闇のなかにいた。
しかし、以前とは違うものがそこにはあった。
「・・・リゾット・・・!」
彼のリーダーがそこにはいた。
「まさか・・・あんたまで・・・」
「あぁ。『チーム』は全滅した。・・・今のお前を除いてな。」
リゾットが相変わらず感情を込めない声で言う。
「そうか・・・何でオレだったんだろうな・・・
 新たなる命を得られるのなら、オレよりあんたや他の奴らの方にこそ権利がある。
 こんな・・・戦いもしなかった変態なんかよりな・・・」
「『なんで戦わないんだって?オレは暗殺者だぜww?戦うんじゃなく殺すのが仕事だww』
 ・・・お前がよく言っていたじゃあないか。」
「自分ひとり生き残っちまうと何とも情けなくてね・・・。」
「まさかお前、死のうと思ってたんじゃあないよな?
 決闘の前に『息子』を作る時間ぐらいあったはずだ。
 ・・・イヤ。以前のお前なら前もって創っていたと思うんだがな。」
珍しくリゾットが怒りを込めた声で尋ねる。
「そんな理由じゃない・・・。オレがヘタレだっただけさ。
 何の罪のない女を媒体にして・・・『息子』に食わせるのが・・・たまらなく怖かった。
 今までそんな気持ちになったこともなかったのにな・・・。もしルイズ達がこうなっちまったら・・・
 そう考えると・・・怖かったんだ。笑えよ、リゾット。やっぱりオレはヘタレの変態だったんだよ。」
「笑うものか。それはお前が変わった証だ。『殺す者』から『護る者に』。
 それに・・・『オレ達』はうれしいぞ。かつての非情な変態参謀が、女の子達に振り回されているのを見れるんだからな。
 ・・・お前はお前の道を行け、メローネ。オレ達はお前を・・・いつでも見守っているぞ・・・」
メローネはこのとき、初めてリゾットの笑みを見た気がした。
「それと・・・いま現実ではゴイスーなデンジャーがお前を待っているぞ。じゃあな。」
リゾットの不吉な言葉と共に、メローネの目は覚めた。

ゼロの変態第七話 フルボッコ・ギーシュ・シティ②

「くーっくくっくっくっく。さあどうするね諸君!魔法を打てばこの少女も無事では済まんぞ!」
一方現実世界はギーシュのおかげでものすごい状況であった。
魔法を打とうにもタバサを人質に取られていて打てない。しかし放っておけばタバサは死んでしまう。
キュルケはこの状況を何とかしようとしていた。
(でもどうしろっていうのッ!今のあいつはタバサを平気で盾にするわッ!
 でもルイズの魔法なら・・・放出するタイプではないからあいつだけを・・・!
 ・・・ダメッ!タバサにあたらないとは限らない!)
「ほーれ、早くしないと子猫ちゃんが死んじゃうぞぉ♪」
「か・・・は・・・・」
ギーシュは手にますます力を込めた。マズいッ!タバサの瞳孔が開き始めているッ!
キュルケは覚悟を決めた。
「ルイズ、あんたは真似しちゃだめよ。」
「キュルケ、いったい何を・・・」
その刹那キュルケは足下に火球を放ち、その反動でギーシュのところへ飛んだッ!
そしてギーシュの懐へ一瞬で近づき、火球の雨を降らせたッ!!
「ぎゃあああああああ!!・・・なんてね♪」
そう言うとギーシュはキュルケを片手で殴り飛ばした!!

メメタァ!!

人が殴られて出る音を超越した音を立てながらキュルケは20メイルほど吹っ飛んだ!!
「な・・・何なのこのパワーは・・・!」
それよりも驚くべきは、ギーシュにダメージがほとんど無いこと!
いや、ダメージはあるのだが、その肉体が再生しているのだ!髪の毛はチリチリになったままであったが。
さらにギーシュはタバサをネックハンギングしたまま一連の動作を行っていたのだ!
すごい!凄すぎるぞギーシュ!
(くっ!ダメージは大きいけど・・・まだ戦える!)
何とか立ち上がったキュルケにギーシュは言い放つ。
「がんばるじゃないか、ミス・ツェルプトー。だがそれは無駄であると忠告しておこう。
 なぜなら私には・・・」
ギーシュがこの台詞を言い終えることはできなかった。彼の顔が爆発して顎より上が消し飛んでしまったからだ。

「さっさとその手を離しなさい!このギーシュ!!」
そこには杖を構えるルイズの姿があった。
顔がない相手にこんなこと言っても耳がないので聞こえるわけがない。滑稽である。
さらに顔を修復したギーシュの髪がアフロになっていたのである。まさに滑稽である。
「・・・ゼロォ・・・」
ギーシュの顔から笑みが消えていた。台詞を邪魔されたのだ。見下しているルイズに。
「悲鳴を上げろ。豚のような。」
そういうとギーシュはタバサをルイズに投げつけた。
「!!!!」

「・・・?」
ルイズが目を開けると、見たことのある光景が広がっていた。
自分を庇う人影。しかし、その人影は今度は倒れることは無かった。
「大丈夫かい、タバタン。」
「モハメド・アブドゥル?!」
「NO!I AM NOT!!!」
全身タイツにパソコン!変態闘気と2次元闘気(オタクイック・オーラ)!
そいつは・・・変態だった。

「貴様・・・生きていたか・・・」
「オレがいつ死んだんだ?このサイバイマン」
「あいかわらず不快な奴だ・・・」
キュルケが近づいてくる。オレの胸に飛び込んでくる気か。
ルイズも近づいてくる。可愛い奴め。
「タバサ!大丈夫!?」ドガッ
「この変態!起きてるならさっさと起きなさい!!」バキッ
現実は甘くないのである。

「けほっ・・・けほ・・・」
「おーい、タバターン、声出るか~」
「・・・・(コクリ」
(そういや滅多にしゃべりませんでしたね・・・)
そのときメローネが倒れた。
「あれ・・・どうしたんだ・・・」
「やっぱり・・・そもそもさっき立ってたほうがおかしいのよ・・・
 両手両足あいつに折られたんだもの・・・」
「へ・・・そうなの・・・?そういうんじゃあなくて力が入らないだけなんだけど・・・」
「・・・へ?じゃあこれは?」
ルイズは思いっきりメローネの足を蹴った。
「痛った!スネ!スネに当たった!おふぅ!」
「ホントに折れてないみたいね・・・」
「ファッファッファ。起きて早々倒れるとは、期待はずれもいいとこだ。」
ギーシュは何も疑問に思わないらしい。気付いていないだけか。

「キュルケ、質問がある。」
メローネはギーシュを無視して尋ねた。
「もし魔法を失敗したら普通はどうなるんだ?」
「え・・・そうね・・・。魔力がなければ魔法すら出ないはずだし、魔力があったら威力は落ちても術はでるわ。」
「おい、何の話だ?」
「ククク。そうかい。そいつは朗報だ。」
「おい、無視すんな。」
「聞いたかよルイズ!キュルケの言うことが本当なら、お前の魔力はゼロなんかじゃあない!
 どんな呪文でも爆発が起きるのは失敗してるからじゃあない!」
「こ・・・こんなときに何いってんのよ!」
「現にオレだって召喚できた!成功率もゼロじゃあねぇ!胸は・・・どうにもならんが。
 とにかく!お前がゼロだなんて言われる筋合いはねぇ!胸を張れ、ルイズ!」
メローネが立ち上がる。
「お前は無駄な努力なんかしちゃあいない!無駄じゃあない努力はいつか実を結ぶ!
 自分を信じろ!!お前が信じる誰かでもねぇ!!オレが信じるお前でもねぇ!!
 ――お前が信じるお前を信じろ・・・!!」
「メローネ・・・」


「ファッファッファ。どこまで愉快なんだ貴様は!自分の運命を知って未練を残さないようにという訳か?」
ギーシュが笑う。
「貴様、気付いているのか?知らず知らずの間に貴様の言葉により死の運命へ誘われていることを!」
「別に・・・この前言いそびれた台詞を言っただけだ。
 それに運命を信じてろくな事になった試しがないんでね。そういうのは信じない。」
「なるほど・・・運命に贖う『覚悟』はある訳か。だが運命はすでに決まっている!
 地獄行きが1人減ったら閻魔様も困るだろう。この私がきっちり地獄へ送ってやろう!」
そういうとギーシュは石礫を1発放った。しかしそれは――石礫というには、あまりにも大きく
でかく、そして巨大だった。それはまさに岩だった。
そのとき彼が何を考えていたのかは解らない。だが彼は自分たちを押しつぶそうと飛んでくる岩に
左手でパソコンを向け、叫んだ。
「ベイビィ・フェイス!!!」

「そんな・・・バカな・・・」
ギーシュは驚いてびっくりしていた。死に損ないの変態が、直径2メイルはある大岩をバラバラにしたのだ。
その破片は計算されたように・・・彼らに当たることもなく・・・すべて地面に落ちた。
「これは・・・!『息子』の能力・・・!!なぜ本体が使えた・・・!?
 しかもえぐる射程も速さも息子より上・・・どうなったんだオレのスタンドは・・・?」
メローネの頭は混乱していたが、同時に目の前の化け物を倒す策を考えていた。

「・・・この私を・・・本気にさせたな・・・」
ああ!もう嫌がらせとしか思えない!そう言い放つギーシュの口から妙なものが出てきた。
「なんじゃありゃああああああ!!!」
「黒い・・・ギーシュ・・・?」
「そうだ。僕はギーシュ。哀れなギーシュ。首をへし折られたかわいそうなギーシュ。」
「僕はギーシュ。哀れなギーシュ。目をえぐられて奴隷にされたかわいそうなギーシュ。(ニコニコ」
「僕はギーシュ。哀れなギーシュ。社会的に抹殺されたかわいそうなギーシュ。」
「僕はギーシュ。哀れなギーシュ。全身にナイフを刺されたかわいそうなギーシュ。」
「僕はギーシュ。」「哀れなギーシュ。」「私はフーケ。」「僕は富竹ジロウ。フリーのカメラマンさ。」
なんと ギーシュ達が がったいしてゆく !
「「「「しかし我らはギーシュに非ず!ギーシュでありギーシュに非ず!名を付けるなら・・・
 『カオス』。そう、我らは『ギーシュ=テラ=カオス』!!!そう呼べ!!」」」」

「なによ・・・あれ・・・」
「禍々しい・・・モッコス様より禍々しい・・・」
「・・・危険。」
「なぁ、お前ら。他に突っ込むところはないのか!?なんでギーシュが合体してあんなマッチョになるんだ?
 あれか。富竹か。富竹のおかげなんだなオイ!」
彼らの前に現れた身の丈5メイルほどの筋骨隆々の化け物を前に、誰もが脅えていた。
胸筋には巨大な薔薇とその中心にあるギーシュの顔。腹筋にはギーシュの顔。両手の平にギーシュの顔。
その顔は富竹。
こんな化け物を相手にして、広場の誰もが恐怖していた。
「さぁ、どうするK1君。」
「富竹自重しろ(まずい・・・勝算はあるんだが・・・富竹だぜ、オイ・・・
 まだ策は練りあがっていない・・・おのれ富竹・・・)」
変態すら諦めかけようとしたその時、観衆のなかから人影が現れた。

「うわぁぁぁぁぁああああああ!!」
1人はマリコルヌだった。必死に走ってギーシュ本体(アフロ)を拾って逆サイドの観衆に突っ込んだ!
「はぁ・・・はぁ・・・ギーシュは無事だァ!!わかったら気にせずそいつをブッ倒してくれェ!!」
「『風上』・・・お前・・・」
「なんだ?あれくらいの変態にビビるとは、お前それでも変態か?」
現れたその男は、以前シュヴルーズの授業で消し飛んだ男だった。
「オレはディアボロ。『ボス』と呼べ。話は変な巻き毛の女から聞いた。
 あの富竹を倒せば願いが叶うらしいな。・・・あいつはオレの獲物だ。」
(こいつ・・・モンモンにだまされてる・・・ま、時間稼ぎにはなるか・・・)
メローネは知らなかった!目の前の変態が追い続けていた標的であることを!
ディアボロは忘れていた!ジョルノ以外の裏切り者の顔を!
「・・・だからお前の出る幕もない。」
「貴様・・・誰に口を聞いている・・・SATUGAIするぞ・・・」
「な・・・まさか・・・」
「レイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプ」
「一秒十回レイプ・・・本物だ!本物のクラウザーさんだぁああああ!!」
タバサが絶叫した。
「ク・・・クラウザーさんともあろうお方が・・・なぜオレなんかの手助けを・・・」
メローネの声も震えている。
「イヤ・・・デスメタル好きの豚を見殺しにしたとあっては帝王の沽券にかかわるからな。」
「ありがとうございますクラウザーさん!作戦を立て終わるまでお願いします!
 あとは後ろの方で君臨されていれば結構ですから!!!」
「そ・・・そうか・・・別にオレが倒してやってもいいのだが、貴様の顔を立ててそうしてやろう。
 ・・・顔を立ててやるだけだぞ?怖いとかそういうんじゃあなくて。」
「申し訳ございませんクラウザーさん!!!オレなんかに気を遣っていただいて!!!」

「何人か増えたようだけど、それでも三四さんは僕のものだよ。」
「やかましいぞ富竹ェ!!お前この状況がわかってんのか?
 ――お前の敗北フラグだ、富竹。」
「上等だK1君。君たちのその希望を絶望に塗り替えあげよう!」

勝利条件―――カオスギーシュの撃破。

敗北条件―――ディアボロ以外の仲間の死亡。
       クラウザーさんが攻撃を受ける。


次号・・・決戦開始!!!


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