ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

マジシャンズ・ゼロ-16

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-コルベールの(過去)驚愕
「どうやら新薬の効き目は高そうだな」
コルベールは昼食を終え朗らかな気持ちで食後を過ごしていた。
問題児だらけの現二年生が入学してから、ますます輝きをましてきた頭。
対抗するため新しく作った毛生え薬の効果も上々で、思わずスッキプでもしたくなる気分だった。
……決闘しているバカがいると知るまでは。
「何だってーーーーー!?」
昼休みの廊下にコルベールの叫び声が上がる。

これが生徒同士の決闘なら、ここまでコルベールは驚かなかった。
大きなケガでもされたら問題になるが、基本的にマンモーニだらけの生徒達。そこまでする度胸なんてない。
ちょっと魔法でも打ち合い、杖が落ちれば終わる。所詮、子供の遊びの領域を出ない。
ストレスによる髪へのダメージの心配でもしながら、オスマンにゆっくり報告すればよかった。


しかし、コルベールに悪寒を与えるアノ男-ミス・ヴァリエールの使い魔が相手では変わってくる。
周りの戦場を知らない-マンモーニ貴族、ボンクラ教師共は気付いていないが。
軍人として過去、幾多もの修羅場を潜り抜けてきたコルベールには解る。
(あの平民は危険だ!)
コルベールは決闘している広場に急いで走っていった。
「先生?」
教えに来た生徒を置き去りにし。

広場に到着し、目に入って来たのは炎の化身だった。アノ平民の背後に立つソレから発せられる圧倒的な炎。
(コレか!?私が感じたものは!)
土属性ではないコルベールでもギーシュの錬金は中々の精度と分かる。また……焼き尽くした異常性も。
とっさに杖を握り締めるコルベールだったが、ギーシュに危害を加えていないのを見て緩める。
そして、改めて炎の化身-マジシャンズ・レッドを見た。
スクエアクラスでも到達できないだろう領域。まさに極限の炎……精霊に近い存在。
(……ようやく分かった。なぜアノ平民を危険視していたのか)
忌まわしい過去。少しでも清算しようと世のため人のため、努力し研究している今。
(私は彼が怖かったのでない。沸き立つ『血』が。魔術師としての『本能』が怖かったんだ)
自分は根本的には変わらず、過去のままだったことに気付きコルベールは立ち尽くした。

-オスマンの(セクハラ失敗?)動揺
水パイプを吹かし、至福そうな顔をしている老人。
彼こそ本編初登場で名字不明、実力不明、年齢不明と不明だらけの爺。
トリステイン魔法学院で一番偉いオールド・オスマンことオスマンである。
使い魔はネズミのモートソグニル。女性のパンツを覗くのが特技。
某秘書に『エロ爺』と影で呼ばれるほどのスケベ爺だ。さすがに生徒にはセクハラしないが。

今日はどんなセクハラをしようか考えていると、その標的-ミス・ロングビルが慌しく入室してきた。
「大変です!生徒が中庭で決闘騒ぎを…!」
「まあまあ。落ち着きなされ」
乱れる息で続けるロングビルを落ち着かせる。
「そんなに慌てて。慌てるのは『婚期』だけでいいじゃろw」
……いや、セクハラする。
「…ッな!?」
ロングビル。23歳。仕事と趣味が忙しく彼氏なし。ゼロ魔世界では行き遅れに入る年齢。
会っていきなりのセクハラに絶句するロングビルに、さらに追い討ちでセクハラする。
「ほれほれ。何事も慌てない慌てない。がっつくから男が逃げるんじゃ」
ビシィッ!ロングビルの額に大きな青筋が立つ。
「何ならわしの嫁さんにならんか?」
いつの間に移動したのか、オスマンは尻を揉みながら言う。
「いや~相も変わらずいい尻じゃwここだけは若さに満ちておるの~w」
ビシィビシィッ!青筋が増え、微妙に振るえだすロングビル。
「今日もパンティは純白かね?それとも、わしが送った黒を履いてくれてるのかのうw」
ぷっつッーーーん!頭の中でロングビルは、何かが切れた音を聞く。
「どれ。こんどは胸でmバギィッ!
胸に手を伸ばそうとしていたオスマンに、綺麗な右ストレートをかますロングビル。
ぐほォ!と声を上げ机に吹っ飛ぶオスマン。……老人にするパンチじゃない。
そのままロングビルはイスを掴み暴れだし、部屋を破壊し始める。
「こんな職場辞めてやるー!死ねーエロ爺ィ!」
「ひいい~。落ち着くんじゃ、やめて~。部屋が壊れる~」
こうして決闘は放置されることになり、学院長室は無残な姿になることになった。


-キュルケの(新しい恋)暴走
キュルケも決闘を見ていたが、彼女は決闘自体に興味はなかった。
いくらガタイがよくても所詮平民。魔法のある貴族に勝てるはずがない。
使い魔のブ男が無様に負ける姿を見て、ルイズをからかうネタにしようと思っていただけだった。
実際、ワルキューレの攻撃を避けるアヴドゥルを、つまらなそうに見ていたキュルケ。
避けられまくり、ギーシュが埒が明かないと思ったのか、ワルキューレを7体に増やしたので、
-かわいそうだけど、次の攻撃で保健室のベッドに行く運命なのね
そんなことを考えながら、冷たい目でキュルケがアヴドゥルを見ていた。
あの『炎』を見るまでは……。

炎が上がった。
(……え?)
眼前で上がった炎。アヴドゥルの傍に立つ炎の化身?。それらに、キュルケは呆気に取られる。
キュルケはただ、ぼーっとアホの子のような顔で見ていた。
決闘が終わっても正気に戻らないのを心配し、タバサが揺さぶってようやくキュルケは我に返る。
「(頭)大丈夫?」
心配げにタバサは声を掛けるが、キュルケは黙ったまま答えない。
なぜなら、彼女は今、人生最大の『熱』に浸っていたからだ。
(何なのアノ『炎』?私…いえ、スクエアの『火』とも違う)
ゾクリッと、キュルケは体が震えるのを感じる。そして、徐々に震えは大きくなる。
(灼熱のごとく力強いあんな『炎』…見たこと無い!)
体をキツク抱きしめるようにしたキュルケにタバサは…アレ?コレやばくね?と思い。
頭を殴り正気にしようと杖を振りかぶった時、キュルケが久々の声を発した。
(武骨だけど優しい顔。逞しい体。メイドの為に戦う優しさ。種族を超えフレイムとも馴染みあう大きな器。
それに、アノ灼熱の『炎』……ふふふ………燃えてきたわ」
目を見てコリャだめだと判断したタバサは、あっさり見捨て一人で戻る。
キュルケは見捨てられたことにも気付かず一人、決闘の後始末で大忙しの中庭で吼える。
「キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー……ついについに!運命の相手を見つけたわッ!」
だっしゃー!右手を天に突き上げる。
「燃え上がれ恋のヒストリーーーーー!!」
恋の『微熱』は『魔術師の炎』により『業火』となり、空高くまで燃え上がった。

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