ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

ディアボロの大冒険Ⅱ-4

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匿名ユーザー

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しばらくして、朝食を終えた生徒達が教室へ移動を始めた。
キレた目をしているルイズもディアボロを連れて教室へ向かった。無言なのが怖い。
教室には、生徒達が召喚した様々な使い魔が居た。
しかし、教室の椅子は貴族の席であり、ディアボロが座る席など存在しない。
仕方なしに、ディアボロは教室の一番後ろに行き、壁を背に立ち続ける。
その後シュルヴルーズという土系統のメイジの教師がやって来て、
生徒達が一年生の時、学んだ魔法の基礎をおさらいさせる。

魔法には四大系統というものがある。
『火』『水』『土』『風』
そして失われた伝説の『虚無』

等の話はディアボロの興味を心地よく刺激しており。
それに、教師が石ころを真鍮に変えた時はさすがに目を剥いた。
(そう言えば…使い魔が選ばれる理由は…)
召喚された直後にU字禿教師が言っていた事を思い出す。
『…現れた『使い魔』で、今後の属性を固定し、専門課程へ進む・・・』
キュルケのサラマンダーはどう見ても『火』以外ありえない……ならばキュルケは『火』の系統なのだろう。
(どおりで嫌な感じがしたわけだ)
とすると、あの教師の言う通りならば。
ここに召喚されている生物は、ほぼ全てが四系統の属性に分類されるはず。
(では……私は何系統なのだ?)

火・水・土・風・虚無。ディアボロの持ち物はほぼ全ての系統に当て嵌まっていて。どれか一つに分類する事が出来ない。
「ふむ」

ディアボロが考え込んでいる最中、教室が突然騒がしくなった。
その原因は、ルイズが前に出て錬金をやる事になったからである。
(……あれが何系統なのか判断できれば、私の系統も逆説的に分かるはずだ)
ディアボロのちょっとした興味。
何系統として呼ばれたのか。ほんのちょっとした好奇心
だが、ルイズの一挙一動を見守るディアボロは、生徒達や使い魔達が机の下に入ったり、教室から飛び出たのを見えていなかった。
ルイズは石に向かって杖を振り――――

ドッゴオォン!
爆発が起きた。

反応が遅れたディアボロは、その爆発をまともに……くらわなかった。
起きた爆風は、ディアボロの体に到達する前に和らぎ。
散弾銃のような小石は体に接触する寸前、燃え尽きた。
ほんの掠り傷程度ですんだディアボロだが。
彼は呆然としていた。

「な、んだと?」

爆心地はルイズ。
それを見た彼は、記憶の中のトラウマの一つが浮かんできた
『何かのアイテムが爆弾になったかも…う~むどうだったかな……?自信がない…』
この後、ディアボロはルイズの二つ名を脳裏に刻み込む事となった。


ドット!ライン!トライアングル!スクウェア!そのランクの中で、
一番下のドットにすら及ばない、魔法は使えるが何時も爆発を起こすメイジ。
成功率ゼロ!だから『ゼロ』のルイズと呼ばれている事。
そして――メイジの実力は召喚される使い魔にも反映されるらしい事。

それを聞いたディアボロは、何故ルイズに召喚されたのか納得した
(私も最初は無能だったからな)
ディアボロは、奇妙なダンジョンに初めて潜った時の事を思い出した。
無装備状態で手探りしながら迷宮を進み、罠や敵の手、それに自分のちょっとしたミスで何回も何回も死んだ記憶。
…………それでも、遅々とした足取りの中で実力を着け、ダンジョンを制覇した誇らしい記憶。
(これからの成長に期待と言う事か)

授業終了後、ディアボロがキュルケからそのルイズの話を聞いていると、
噂をすれば影とばかりに、その本人が不機嫌ですと顔に書いてやってきた。
「ちょっと!私はキュルケに近付いちゃ駄目って言ったわよね!?」
「硬い事言わないでよルイズ、私はアンタの二つ名を懇切丁寧に説明して上げてただけだから」
「よ、余計な事しないで!こいつは私の使い魔!あんたは関係無いでしょ!」

自分の不名誉な二つ名が知られた事を知って、顔が赤くなるルイズ。
面白そうな顔でそれを見つめていたキュルケだが。
さすがに、飽きたのか颯爽とその場を離れて行った

「じゃあね、食事に遅れるから私はそろそろ行くわ」

そして残されたルイズは、いきなりディアボロの足に蹴りを入れた
しかし、その一瞬、ディアボロの周囲に砂が集まって、ルイズの蹴りを明後日の方向に受け流した。
ズダン。
滑ったルイズは華麗に転倒した。

「…何をする?」
「うるさいッ!」

不思議そうに尋ねるディアボロに罵声を返すだけのルイズ。
頭に血が昇ったルイズは、さっきの砂が集まった異常な事には気付いていない。
何も無いところで滑って転んだと言う無様な記憶だけである。
そのまま、体の埃を払うと教室を出るルイズとディアボロ。

食堂への途中、ルイズはディアボロの表情の変化に気付いた。
含み笑いをしている。それがルイズの勘に更に障った。

「なに笑ってんのよ!」
「何も笑ってはいないが?」
「笑ってた!」
「ふん?……まあ、いい。話は変わるが…
 お前は昨日メイジの誇りを熱心に語ってくれていたな……
 それでだが、自分が魔法を使えないのはどう思っているんだ?」

言葉に詰まるルイズ。

「魔法が使えない無能の癖に、お前が言う平民で変態の私から貴族として尊敬されると思っているのか?」
「私だって…私だって努力はしてるわよ!ディアボロ!あんた、ご飯抜きだからね!覚悟しときなさいよ!」
涙が滲む目を向けながらも、捨てゼリフを残すとそのまま目の前の食堂のドアに飛び込んで行った。

「さっきの言葉は流石に厳しかったか?」
ディアボロなりに発破をかけたつもりだが、ルイズは想像以上に痩せ我慢をしていたようだ。

そしてディアボロは、食堂に入らなくては昼食を食べられないという事に溜め息をついた。

このままだと餓死する。さりとて、DISCの無駄な消費は避けたいとディアボロが悩んでいる時。
「あの……どうかなさいました?」
声がかけられた。
振り向くと、そこには夜空に輝く無数の星と同じ数ある男のロマンの一つメイドさんの姿をした少女。
「何でもないが……」
「もしかして、貴方はミス・ヴァリエールの使い魔になったって噂の平民の変態の……」
平民の変態発言を軽くスルーするディアボロ。指摘してもどうにもならないって事もあるが。
「お前もメイジなのか?」
「いえいえ、私は違います。普通の平民です。
 貴族の方々をお世話するために、ここでご奉仕させていただいてるんです」
普通のと言う所を強調して発言するメイド。
そこまでして、ディアボロと同じだと思われたくないのだろうか。

「…………」
「私はシエスタっていいます。貴方は?」
「ディアボロだ」
「そうですか…それで、ディアボロさん。
 こんな所でどうしたんです? 本当に何もお困りでないんですか?」
シエスタの目を見るディアボロ
腹に一物を隠し持ってはいないようだ。純粋な親切心から彼に声をかけたのだろう。
(これは、昼食の代わりを用意してもらえるか?)
「昼食を抜かれてしまってな」
「まあ!それはお辛いでしょう、こちらにいらしてください」
ディアボロがこっちに来て初めて出会った貴族以外の人間。
シエスタの対応を見て、何となく利用できそうだと外道チックな事を考え始めていた。



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