ダービーには自信があった。勝負の厳しさもしらない貴族のモヤシ坊主にはたとえ生身で戦っても負けるはずが無い、そう思っていた。自分に剣を突きつける青銅の女戦士を目にするまでは……。
「僕の二つ名は『青銅』。青銅のギーシュだ。したがって青銅のゴーレム『ワルキユーレ』がお相手しよう。よもや文句はあるまい?」
――くっ、マズイ、マズイぞ本当に魔法じゃないか。
内心、脅えながらダービーが答える。
「まあ待ちたまえこんな所で剣を振り回せば周りの婦女子もただではすまんぞ。
無関係の人間を巻き込むことが『貴族の礼儀』なのかな。」
ギーシュは言い返せなかった。正論である事がギーシュをますます苛立たせた。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
「こらぁ!そこ何をやっている!」
教師らしい男の声が響く、誰かが言いつけたらしい。
「くッ!明日の正午『ヴェストリの広場』に来たまえ。そこで決着をつけようッ。」
ギーシュは教師から逃げるように食堂を後にした。
「グッド!」
「僕の二つ名は『青銅』。青銅のギーシュだ。したがって青銅のゴーレム『ワルキユーレ』がお相手しよう。よもや文句はあるまい?」
――くっ、マズイ、マズイぞ本当に魔法じゃないか。
内心、脅えながらダービーが答える。
「まあ待ちたまえこんな所で剣を振り回せば周りの婦女子もただではすまんぞ。
無関係の人間を巻き込むことが『貴族の礼儀』なのかな。」
ギーシュは言い返せなかった。正論である事がギーシュをますます苛立たせた。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
「こらぁ!そこ何をやっている!」
教師らしい男の声が響く、誰かが言いつけたらしい。
「くッ!明日の正午『ヴェストリの広場』に来たまえ。そこで決着をつけようッ。」
ギーシュは教師から逃げるように食堂を後にした。
「グッド!」
「『ぐっど』じゃないわよ!アンタ自分が何したかわかってんの?今すぐギーシュの所に謝りに行きなさい!」
「それはできない。」
「なんでよ?見たでしょ!?アイツの魔法を!アンタ2秒もかからずに殺されてしまうわ!」
「『謝る』ということは、『負けを認める』ということ。『魂』を賭けた試合でのそれはすなわち『死』を意味する……。
どの道私には彼と戦い勝利するより他に生き残るすべは無いのだよ。」
「あんたバカァ?なに訳のわからないこと言ってんのよ!」
「マスターにもじきに解かる。」
「もぉ勝手にしなさい!」
ルイズは部屋へ帰ってしまった。
「すみません私のために……。」
シエスタがすまなそうに呟く。
「そんなことより早くカードを配ってくれないか。マルトーさんも待ちくたびれているだろう。」
その晩、ダービーは遅くまで最高の料理と最高のワインを楽しんだ。
「それはできない。」
「なんでよ?見たでしょ!?アイツの魔法を!アンタ2秒もかからずに殺されてしまうわ!」
「『謝る』ということは、『負けを認める』ということ。『魂』を賭けた試合でのそれはすなわち『死』を意味する……。
どの道私には彼と戦い勝利するより他に生き残るすべは無いのだよ。」
「あんたバカァ?なに訳のわからないこと言ってんのよ!」
「マスターにもじきに解かる。」
「もぉ勝手にしなさい!」
ルイズは部屋へ帰ってしまった。
「すみません私のために……。」
シエスタがすまなそうに呟く。
「そんなことより早くカードを配ってくれないか。マルトーさんも待ちくたびれているだろう。」
その晩、ダービーは遅くまで最高の料理と最高のワインを楽しんだ。
「もう、さっさと起きなさいよ!」
ダービーの毛布が引っぺがされた。
「うぅ……なんだもう朝か。」
二日酔いなのかしんどそうに頭を抱えたダービーが言った。
「ようやくお目覚め!?アンタ自分の立場わかってないんじゃないの!?なんでご主人様が使い魔を起こしてやってんの!?これは逆であって然るべきじゃない!?」
「『朝になったら起こせ』などといわれた覚えは無いがね。」
「言おうと思ったらアンタ結局、一晩中帰ってこなかったじゃない!とにかく急いで。朝食の時間よ。」
二人はそろって食堂へ向かった。
「そういえばアンタ大丈夫なの今日は『魂』とやらを賭けた決闘なんでしょ。」
「問題ない。手は打つ。」
「ふーん……まッアタシには関係ないけどね。」
ダービーの毛布が引っぺがされた。
「うぅ……なんだもう朝か。」
二日酔いなのかしんどそうに頭を抱えたダービーが言った。
「ようやくお目覚め!?アンタ自分の立場わかってないんじゃないの!?なんでご主人様が使い魔を起こしてやってんの!?これは逆であって然るべきじゃない!?」
「『朝になったら起こせ』などといわれた覚えは無いがね。」
「言おうと思ったらアンタ結局、一晩中帰ってこなかったじゃない!とにかく急いで。朝食の時間よ。」
二人はそろって食堂へ向かった。
「そういえばアンタ大丈夫なの今日は『魂』とやらを賭けた決闘なんでしょ。」
「問題ない。手は打つ。」
「ふーん……まッアタシには関係ないけどね。」
食堂に入るとダービーはわき目もふらずに、ギーシュの元へと向かった。
「ちょっと、どうするつもりよ。」
「挨拶だよ。」
「どうした? 謝る気にでもなったか? 今謝るというのなら、命だけは助けてやってもいいぞ。」
「いや、『逃げるなよ、小便あたま』と言いに来たんだ。」
「き、貴様ッ!!」
ギーシュはダービーの胸倉に掴み掛りぐいぐいと締め上げた。ガタン!花瓶が倒れ大きな音が響いた。
「何をしているんですミスタ・グラモン!やめなさい!」
「先生がやめろと言っておいでですよ。」
「ぐ、貴様本当に殺してやるからな!覚悟しておけよ!」
ギーシュは手を離すと何処かへ消えていった。後ろ姿だけでもキレているのがわかる歩き方だった。
「所詮は貴族の糞ガキだな。」
ダービーはニヤリと笑った。
「ちょっと、どうするつもりよ。」
「挨拶だよ。」
「どうした? 謝る気にでもなったか? 今謝るというのなら、命だけは助けてやってもいいぞ。」
「いや、『逃げるなよ、小便あたま』と言いに来たんだ。」
「き、貴様ッ!!」
ギーシュはダービーの胸倉に掴み掛りぐいぐいと締め上げた。ガタン!花瓶が倒れ大きな音が響いた。
「何をしているんですミスタ・グラモン!やめなさい!」
「先生がやめろと言っておいでですよ。」
「ぐ、貴様本当に殺してやるからな!覚悟しておけよ!」
ギーシュは手を離すと何処かへ消えていった。後ろ姿だけでもキレているのがわかる歩き方だった。
「所詮は貴族の糞ガキだな。」
ダービーはニヤリと笑った。
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