ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

マジシャンズ・ゼロ-12

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「マジシャンズ・レッド」
静かにアヴドゥルはスタンド-マジシャンズ・レッドにワルキューレへ炎を吐かせる。
一瞬にして炎に包まれるワルキューレを見つつ、アヴドゥルは戸惑う。
(おかしい。わたしは消し炭にするつもりで炎を放った…)
ワルキューレは炎でドロドロに溶け動きを止めたが、辛うじて原形を留めている。
マジシャンズ・レッドの炎は優に数千度を超え、合金製の鉄格子をも瞬時に溶かす。
本来ならありえない現象に、過去に出した結論『炎がスタンドには効き辛い』を引っ張り出す。

マジシャンズ・レッドの炎は元が生命エネルギーのため、同じ生命エネルギーが元のスタンドには効き辛い。
これはゲブ神や、ポルナレフとの対戦から解る。
ゲブ神戦では、幾ら素早く動くとはいえ水を瞬時に蒸発できなかった。
数千度の炎だ、多少避けたところで『唯の』水なら絶対に蒸発する。
ゲブ神が一体化し、砂漠で自然蒸発することないよう強化されたから一部の蒸発ですんだ。
ポルナレフの時は、まともに土中を進んでも衰えない炎を数秒受けたのに軽度の火傷。
人間、皮膚の温度が70℃の場合1秒で火傷を負う。
幾らポルナレフが人間離れしていようと数千度を数秒受け、軽度で済むはずが無い。
炎からチャリオッツに守られていたはずだ。
以上よりマジシャンズ・レッドの炎は、スタンドに効果が薄いことが解る。
もちろん、他ならどんなモノでも燃やすことができることに変りは無い。

(どうやら、スタンドと魔法は近い性質を持つようだな)
なら、ワルキューレに効き辛いのも納得いく。
冷静にアヴドゥルは、
「ムウン!」
さらに炎をぶつけ、ワルキューレを今度こそ消し炭にし、
「占い師のわたしに預言で闘おうなどとは…10年は早いんじゃあないかな」
固まったままのギーシュに、アブ的には渋い顔でキメ台詞を決める。
自分が『占い師』だと、まだ誰にも言っていないのを忘れて。

「……何アレ?」
信じられないものを目撃し、呆然と呟くルイズ。
周りも絶句していることから、みんなにも見えてるんだろう。
アヴドゥルの背後にいつの間にか現れた、2メイルはある鳥頭の巨人。
炎を纏い佇むそれは、口から吐いた炎でギーシュのワルキューレを『意図も容易く』火達磨にした。
ギーシュのメイジとして力量が、ドットでも高くないのは事実だ。
だが、錬金だけは得意で学年でも上位だというのも事実だった。
「ば、バカな!?僕のワルキューレが!?」
そのことを一番理解しているギーシュの驚きは、ルイズや周りの比ではなかった。

(どうやら『見える』ようだな)
マジシャンズ・レッドへ向けられる、畏怖の視線からアヴドゥルは判断する。
性質が似ているなら『見える』のが道理だ。
まだ呆然としている周りを見回し、ルイズに視線を移す。
向けられた視線にルイズは、
(何で今まで黙ってたのよ!)
呆然とした表情を止め、吊りあがった目に言葉を載せアブドゥルを睨み付ける。
(やはり、口だけではないようだ)
アヴドゥルは、ただ一人表情を変えたルイズに心中で笑みを浮かべ、マジシャンズ・レッドの能力がバレても大して困らず、
スタンドが見られた以上、説明しないと逆に危険と判断しゆっくり説明を始める。

「これはわたしの生命エネルギーが作り出す、パワーあるビジョンだ」
「傍に現れ立つことから、『スタンド』とわたしは呼んでいる」
「簡単に言うと…魔法のようなモノだ」
ざわめいていた群衆も、アヴドゥルの説明を聞くため水を打ったように静かになる。
「そして、わたしのスタンドの名は『マジシャンズ・レッド』」
声に合わせ空中に炎を吐き出す。
「能力は『炎を生み出し、操る』
「炎だけならメイジにも負けるつもりはない」
アブドゥルの説明は終わる。



「スタンドって何だよ?」
「あいつ平民じゃなかったの?」
「先住魔法なんじゃ…」
「でもエルフって美形って聞いたぞ」
「やっぱり魔物か!?」
説明を聞いても畏怖の視線は消えず、周りがまたザワメク中。
(あんな化け物に勝てる訳ない!スクエアクラスじゃないか、あの炎!)
ワルキューレが一瞬にて燃やされたことにより、ギーシュは怯えていた。
闘争心は折れ曲がり、頭の中は絶望感で一杯満杯、表面張力限界!
―ーーギーシュに「平穏」なんてありませんよ…ファンタジーやメルヘンじゃあないんですから
   こっちにおいで~楽しいよ~w
   一名様~ご招た~いw
変な幻聴まで聞こえてくる始末。
後ろに下がろうにも、無意識に下がっていたのか背中の後ろはすぐ壁。
(怖い。怖い。怖い……)
あの平民が!あの人型が!あの炎が!あの顔が!
ゆっくりと近寄って来るアヴドゥルに恐怖しか抱けないギーシュ。
「僕のそばに近寄るなああーーーーーーーーーッ」
杖を放り棄て、叫びながら頭を抱えて蹲る。



そんなギーシュにアヴドゥルの声が掛かる。
「誰も取って食おうとはしない。そんなに怯えるな」
「へ?」
キメ台詞時の極悪な顔から、殺されると思っていたギーシュは呆然と聞き返す。
「降参か?」
「……こうさん?」
「もう決着は付いただろ?」
少し困った風に聞いてくるアヴドゥル。
その言葉に緊張の糸が切れたのか、
「あは、はははははは」
鼻水を垂らし、泣きながら笑うギーシュの股はいつの間にか、『お茶』で濡れていた。
こうして決闘は誰一人怪我することなく、無事に終わった。


-ギーシュ・ド・グラモン 二つ名『青銅』
             肉体は無傷 
             社会的権威失墜により(精神的に)再起不能
              ・周囲(平民含む)より『生尿(せいにょう)』のギーシュと呼ばれ(平民は裏で)バカにされることに。
              ・ケティに棄てられ、モンモランシーとも疎遠となる。

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