ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

アンリエッタ+康一-5

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匿名ユーザー

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前回の康一君…ジョジョアゴで名も無きメイジをブッ飛ばした。


夜も更けた王城の一室。
その部屋の外に幾人もの魔法衛士隊員が集められ、厳戒態勢の守りの中にアンリエッタと康一は居た。

「曲者は捕らえたうえ、杖を奪ってから牢屋に押し込みました。重症ですが厳しく追求する所存であります」
「ではそのようにお願いします。隊長殿」

報告を終え、敬礼をして部屋を去るマンティコア隊隊長。
その足取りは心なしか重そうだった。

ドアが閉まり二人きりになると、アンリエッタは一つ溜息のようなものをつく。

「やっぱり、まだ混乱してますか」
アンリエッタは傍に立つ康一の顔を見て躊躇いながらも言った。
「そう、です…ね。やはりまだ少し」

アンリエッタは襲撃のあと、騒ぎを聞きつけ衛士がやってくるまでのあいだ康一の腕の中で震えていた。
メチャクチャになった私室からこの部屋に移り、現在は傍目から見ると落ち着きを取り戻したように見える。
しかし自分の命が狙われ危うく命を落とすところだったのを考えると、アンリエッタは今必死で王女になりきろうとしているのだろう。

「それと慌しくてお礼も言えておりませんでしたね。私の命をお救い下さり、本当に感謝いたします」
「いやァ、使い魔の仕事ってヤツをやっただけなんで大したことないですよ~」
いとも気楽に、手を振りながら話す康一に苦笑しアンリエッタはちょっぴり気が楽になる。

狙ってやってるのではないのだろう。
人柄、性格、心。積み重なって生まれた、ほっとするような雰囲気。
改めて、本当に「いい人」だとアンリエッタは思った。

「ところで、質問があるのですが…」
「あぁ、どうやってさっきのヤツをブッ飛ばしたかですか?」

何を聞こうとしているのか、心を読んだようにあっさりと言いのける康一。
どうせ聞かれるだろうと予測していたので、言ってみただけだがアンリエッタは結構驚いた。

「「スタンド」っていう能力なんですよ。ここで言う魔法みたいなものです」
「スタンド…。魔法みたいな、と言うことは魔法ではないのですか?」

ん~。と困ったような難しいような顔をして康一は首を捻る。
「ちょっと長くなっちゃうんですけど、いいですか?」
小さくコクンとアンリエッタは頷いた。

「別の世界から来た、ですか…」
アンリエッタは自分の常識からして、あまりにも荒唐無稽な説明をうけた。

自分の召還した使い魔の平民は別の世界から来た。
その使い魔はスタンド能力というチカラを持っている。
そしてスタンド能力で自分の身を守り抜き、曲者を倒してみせたのだと。

信じられないような話しで、こちらに来て説明を受けた康一と同じような状況だった。
にわかには信じがたい。

しかし彼女は信じたッ!否、信じるより先に信頼があったッ!

今日初めて会った自分を命を掛けて守った。
そんな使い魔への信頼がッ、どんなに荒唐無稽で無茶な話しであろうと、そんなことはどうでもよくさせたのだッ!

そしてこの世のどんなことより確かなことは。
自分の召還した使い魔は、ヒロセ・コーイチは本当に頼りになるヤツだということだけなのだ。

こうして広瀬康一は、どんなお偉方や金持ちよりも頼りになる……アンリエッタの使い魔になったのだ!!


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