ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

微熱のカウボーイ-2

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ありのまま今起こったことを話すわ!
「召還の儀式を成功させたと思ったら出てきたのは人間で
いつのまにかその人間の使い魔が寝取られていた」
な・・・なにを言っているかわからないとおもうけど
わたしも何が起こったかわからなかった・・・
あたまがどうにかなりそうだった・・・

ってこんなときにこんなこと考えてる暇はないのよッ!
「ツェルプストー!いったいどういうことなの!?訳を言いなさい!」
叫びに近いような声で問いつめる。しかし憎っくきツェルプストーは男にしがみついたままだ。
こらッといいかけて口をつぐんだ。
 ・・・なんと、ツェルプストーが舌を使い始めたのだッ!いつの間にか男の腕も腰に回っているッ!
周りの男が固唾をのんで見守っている。友人の青銅使いなんかは腰がガクガク震えている。・・・暴発したようだ。
女の子の黄色い悲鳴まで聞こえる。手で顔を覆っている子もいるが隙間が空いている。
顔と言わず体中が熱くなっているのがわかる。
「なっなっなっ!なにしてんのよーっ!」
全力で魔法を放った。

『彼』と情熱的な口づけをかわして、もう一段レベルアップ!と思ったときに余計な邪魔が入った。
爆発によって無理矢理引きはがされる。いいところだって言うのに!
吹き飛ばされながらもレビテーションの呪文で華麗に着地する。
吹き飛ばされる『彼』のほうをチラとみる。

血の気が引く。
火照っていた体が急速に冷える。
彼の体がバラバラになったのだ。
思わず目をつぶった。
せっかく運命の人に会えたのに!そんな想いが胸に渦巻く

目を開いた瞬間、それが目の錯覚だとわかった。
片膝を着いて胸をおさえている。どうやら『彼』は無事なようだ。
だが、その様子にわたしは駆け寄る。
「大丈夫!?ダーリン!」
『彼』の胸をはだけさせ、肩を抱き、ギュッと抱きしめる。どうやら痛みは収まったようだ。
心臓が悪いのかもしれない・・・そう思いながら彼の首筋を見る。

そこには使い魔の紋章があった。

うれしい誤算!『彼』はわたしの使い魔になったのだ!
ずっと一緒にいられる!わたしは燃えるような熱を胸に感じた。

彼女の胸の中で今起きたことを考える。
気づいたら砂煙の中にいて、突然迫ってきた女にキスされて、そのまま本気になって、
ぶっ飛ばされたがスタンドで衝撃を緩和、突如首筋の痛みに襲われ、今に至る。
とりえあず、この女は敵ではないようだ。ただのカンだが。
体に活力が戻っている。女がわたしを見つめているがそんな場合じゃない。
立ち上がり尋ねる。
「いったいなんなんだ?ここはどこだ?何故オレはここにいる?」
その質問にはそばにいたピンク少女が答える。
「そんなことどうだっていいわ!あんたは私の使い魔になったのよ。光栄に思いなさい!」
どういうことか尋ねようと口を開きかける。
「なにいってるのよ「ゼロ」のルイズ!ダーリンのマスターはわたしよ!」
「な、なんですって!私が召還したんだから私がマスターでしょ!?」
「でも契約したのはわたしよ。普通、契約するまでが召還の儀式じゃなくて?最後の仕上げをした、わたしがマスターよ!」
「召還して私が呼んだのよ!だったら私の使い魔じゃない!」
「契約したのはわたし!」
 ・・・堂々巡りだ、第一意味が分からない。
とりあえず質問に答えろ。そう言おうともう一度口を開きかけると、神々しい光とともに男が現れた。

「ならばミス・ツェルプストーが召還したものをミス・ヴァリエールが契約すればいいのではありませんか?」

なんという光だ!?新手のスタンド攻撃か!?
銃に手をかけ、身構えているとピンクが答えた。
「先生!イヤよ!ツェルプストーの使い魔なんて!」
どうやら光の男は教師のようだ。女・・・キュルケは
「あら、それでいいじゃない。これでダーリンは私のものよ」
光の男はそれにフォローを加える。
「そのほうがいいでしょう。それともふたりでこの使い魔を共有するのですか?」
流石にピンクもそれには堪えたようで渋々OKした。

オレの質問は華麗にスルーされたようだった。
やれやれ、誰かオレの話を聞いてくれ。

「ささやき いのり えいしょう ねんじろ」

一部では神代の者が呼び出せると言われている古い呪文を唱える。
しかし何のことはない、ただの簡易呪文である。効果は普通のものと同じだが失敗すれば・・・というものである。
ああ、はやく終わらせてダーリン(そういえばまだ名前を聞いてなかったわね)の胸に飛び込みたい、と思いながら儀式をこなす。
まばゆい光があたりを照らす、そして収束。熱気があたりを包む。
現れたのはサラマンダーだった。尻尾の炎からみてかなりのものだろう。
以前の、ついさっきまでのキュルケなら飛び上がっていただろう。しかし今のキュルケは『彼』のことで頭がいっぱいだった。
儀式の間、ミスタ・コルベールと話し込んでいたようだった。何の話だったのだろう。
『彼』は壁にもたれかかっている。すぐに駆け寄る。
視界の端ではルイズが熱そうにサラマンダーと契約しようと顔を近づけている。・・・前髪から煙が。
目が合う。胸が高鳴り、燃え上がる。

「順番が変になっちゃったわね。これからよろしく」

らしくない、と思いながらも顔がにやける。
『彼』も真剣な顔でそれに答える。やっぱり男前!

「ああ、よろしく頼む。
  それと自己紹介がまだだったな・・・オレの名は」

こんなにドキドキしたのはいつ以来だろう?まるで初恋をした少女のように次の言葉を待つ。

「・・・マウンテン・ティムだ。」


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