ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

マジシャンズ・ゼロ-7

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匿名ユーザー

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洗い物も終わり、マジシャンズ・レッドによる乾燥を行いながらアヴドゥルは考えていた。
昨日、中途はんぱに止めてしまった、仲間の夢について。
今でも鮮明に残っている…DIOを倒した承太郎の姿。
ジョセフ、ポルナレフの健闘。
そして、イギー…それに……花京院の死。
(占星術が……いや、『天の意』が知らせてくれたのかもしれないな)
そう結論を付けることにした。
そもそもスタンドなんて異能を生まれつき持ち、今度は異世界旅行。
まともに考えるものじゃない。
結果は『結果』と認識するのが占い師である。
確かに自分も含め犠牲はあった。
だが、自分達は巨悪に勝ったのだ。
アヴドゥルは仲間の冥福を祈り、そして勝利を祝福した……洗濯物の乾燥をしながら。

洗濯物の乾燥も終わり、きちんと折りたたみ籠に入れる。
空を見る限り、ルイズに言われた起こす時間が迫ってきたようだ。
「ふむ。そろそろ起きる者も増えてくるだろう。急いで戻らなければ」
痴漢扱いは勘弁だ、そうでも言いたげに足早に部屋へと戻って行く。


無事部屋に戻り箪笥に洗濯物を直し、まで寝ているルイズを見る。
「くー…むにゃ…、……んふ~w」
にへらッ、とでも表現したらいいんだろうか。
ルイズは直してやった毛布をまたずらし気持ちよさげに寝ていた。
「………さて」
まさか、ポルナレフのように叩き起こす訳にもいかず。
無難に声を掛け起こすことにするアヴドゥル。
「おい。朝だ、起きるんだ」
何回か声を掛ける。
すると、意外と寝起きはいいのかすぐにルイズは目を覚ました。
「……ほへ?あんた誰?」
訂正
まだ、寝ぼけているようだ。
「忘れたのか、自分で使い魔と言っただろう」
少々の呆れを込め言ってやると、寝起きでも侮辱には反応するのか、顔赤らめ反論してくる。
「ふん!ちょっと起きたばかりだからど忘れしただけ!あんた使い魔のくせに偉そうよ!」
承太郎なら怒鳴りかねない反論に、アヴドゥルは溜息を付く。
「分かった。そう、朝から怒鳴るな」
まるで子供を諭す言い様に、ルイズは口を出しかける。
しかし、あまり口論して朝食に遅れてはいけないと考え直し口を閉じる。
(ふん!まあいいわ、朝食でしっかりと上下関係を教えてあげるんだから)

約束された勝利があるため機嫌を直し、着替えるためベッドから降りる。
「…よっと。もういいわ。あんた寛大で聡明なご主人様に感謝しなさいよ!」
ツン全開のルイズにアヴドゥルは苦笑を浮かべる。
だが、次の瞬間にはその苦笑も凍りついた。
「さっさと服を持ってきて着替えさせなさい」
いきなり何のたまるんだコイツ。
「ん?聞こえなかったの着替えさせろって言ってるの」
「いや、待て。確かに昨日、貴族は使用人がいる時は着替えを自分でしないと言っていたが……」
昨日の話を思い出しながら言うアヴドゥル。
「ええ、だから着替えさせろって言ってるの!」
「いや。わたしは男だぞ。嫁入り前の娘が…「使い魔に性別なんて関係ないわ。あんたは『犬』と同類なの」
アヴドゥルに意見に被せての、きついルイズ嬢のお言葉。

人間育った環境というものは大きい。
イスラム系の女性が多いエジプト、カイロ出身のアヴドゥル。
しかし、様々な国へ行ったことにより、肌を露出する程度は理解があった。
だが、着替えを手伝うのはさすがに抵抗がある。
っていうか、特殊な性癖の人以外、抵抗を覚えるだろう。
だが、ここで説教してもルイズが聞くとは思えない。
アヴドゥルは諦め、大人しくルイズの着替え、顔洗い、髪の櫛入れを手伝った。
(ポルナレフに譲ってやりたいな、本当に)
櫛を入れながら青空を見上げる。
『YES I AM』
かつての自分の名言と共に、薄くぼやけいい笑顔のポルナレフがGJをしていた。

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