ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

絶頂の使い魔-3

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
「ちょっとギーシュ、人の使い魔の教育方針に口ださないでくれる?」
どうやら目の前の金髪の人はギーシュというらしい
「ミス・フランソワーズ、ここで人の目に付いているのが分からないのかな?」
よくよく後ろを見るとこちらを見て笑っている人たちがいる
「う・・・」
「教育をするのはかまわないが笑いものにされるのは君もよろしくないと思うのだが」
ギーシュさんがこちらに手を出す
「あ、どうも」
その手をとり立ち上がる。いい人なのかもしれない
「平民風情が貴族に手を出してもらったんだ。光栄に思うことだね」
・・・この世界は平民とか貴族とか階級に拘り過ぎている面があると思う
同じ人間なのにこう気を使う必要があるんだろうか
「まあ使い魔探しはこれで終わらせてもらうよ。僕には僕の用事があるからね」
「別に協力してとは頼んだ覚えないけどね」
「それじゃあね。ゼロのルイズ」
「・・・ドッピオ、さっさと部屋に戻るわよ」
「・・・はい」
ゼロのルイズと呼ばれたとき、ルイズさんに怒りの表情が見えたのは気のせいではなかったと思う

その後大きな食堂で食事を取った後部屋まで2人は帰ってきた
二つの月が登り日は暮れていた
部屋に入るなりルイズは指を鳴らしランプを付ける
ランプに驚き珍しそうに眺めながらさっきから口を開かない少女の事を考えていた
沈黙が気まずくてたまらないため何か話しかけようとあれこれ考えているとベッドに座っていたルイズは頭を上げて言った
「うん、やっぱあんたが何だろうと関係ないわ!!」
「…いきなり何の話ですか?」
貝のように口を閉ざしていたルイズに仗助は驚く
「あんたがその…精神障害でも平民であり私の使い魔よ!!その事実は全てに優先するわ
 そうよ!!こいつをどうしようかなんて考える必要が無かったのよ!!」
ルイズは先程までの悩んでいた顔とは別人のように明るく楽しそうに言いうんうんと頷いた
「悩みが解消されたのはめでたいですけど、言っていることがわからないんですが・・・・・」
半分呆れ顔のドッピオをルイズはビシッと指差し叫ぶ
笑いながら何かを投げてよこしながら
「それ、よろしくね」
「わっと・・・なんですか?これ」
「洗濯物よ。洗っておいてね」
「え!!パンツもですか?」
「使い魔らしくご主人様の身の回りの世話ぐらいしなさいよ!!じゃ寝るから」
言うだけ言うとさっさとベッドに潜り込み指を鳴らし灯りを消してしまった
その後ドッピオは数回言葉を交わしたが無駄だったため諦めて洗濯をすることにした

とわ言ってもドッピオは洗濯と言うものを出来るかどうか不安だった
「・・・すいませーん」
道具も無い以上、出来るわけも無い
昼間の脱走のうちに見て回ったところの一つ、メイドさんたちが働いていた所についた
「・・誰かいませんかー?」
だが無人、夜も少々遅い時間に入ったためか無人だった
「・・・ちょっとだけ借りて行きまーす」
おそらく洗濯に必要と思われるものを拝借し、後は水道と思われるところに戻るだけです
「誰かいるんですか?」
「うわああ?!」
「きゃ・・?!」
無人と思ったら見回りと思われる人に見つかってしまったドッピオはつい叫んでしまいます
誰だって夜に人がいないと思っていたのにいきなり声をかけられたら驚きます
ちなみにちょっとドッピオは拝借するのに罪悪感がありました。吃驚するのも当然です
一方見回りの人も驚いています。いきなり叫ばれたら誰だって驚きます
「す・・すいません!すぐに戻しますから!」
「こちらの方こそすいません!いきなり来てしまって」
ゴチンッ!
「イタっ!」
「っ・・!」
反射的に謝った二人の頭と頭がぶつかってしまいました
「・・重ね重ねすいません。僕は洗濯に必要なものを取りに来たんですけど」
「っ・・お洗濯に必要なものをですか?」
暗がりの中、よく見るとその人はメイドさんでした
「・・あの、どういう物がいいか教えてくれませんか?」
「お洗濯をですか?」
「・・・えっと道具さえ教えていただければこっちでやろうと思ってるんですけど」
「・・お洗濯の道具でしたら・・あ、これは食器用の洗剤です」
「あ、すいません・・」
「お洗濯でしたらこちらの洗剤を使ってくださるといいと思います」
こうして妙な譲り合いの会話がしばらく続きました

「いろいろ教えていただいてありがとうございます」
「あ、いえそんなに気になさらないでください」
「えっと・・・それじゃ僕はこれで!」
ドッピオは自分がいろいろ間違っているのを指摘されて恥ずかしくなっていました
少し逃げるように洗い場に行こうとしますが
「あ、あの!洗い場だったらこっちのほうが近いですよ!」
と、また指摘されてしまったのでした
「・・ありがとうございます。それではこれで」
「あまりお気になさらないでください」
近いといわれた洗い場に歩みを進めるドッピオでしたが
(・・あ、名前とか聞いておいたほうが良かったかも)
なんてことを考えていました

「・・ふう」
ドッピオはドッピオなりに洗濯を頑張ってみましたがやっぱり素人、洗濯物は半分も終わっていません
「・・・やり方が悪いのかな?」
洗濯板にこすって汚れを落とすのですが良く洗わないと汚れが落ちません
「・・・力を入れるとダメみたいだし」
少々力んでしまってほつれてしまった服も少しあります
「うーん、どうすればいいんですか?ボス」
左手に石をもって言ったドッピオにディアボロは
(私が知っていると思うか?)
と、予想どおりに答えます

「・・・あの」
と、ディアボロ以外から話しかけられました
「貴方は・・・えっと」
「シエスタです。その、お洗濯で困ってるように見えたんですけど」
事実困っていました。家事スキル0のドッピオとディアボロがやっても上手くいく訳がありません
それでもディアボロよりもドッピオのほうが上手と言えば上手でした
ディアボロは力を入れすぎてしまい服をほつれさせてしまうのです
ドッピオは力を入れて服をダメにしてしまうのが怖いため、ゆっくり丁寧にやろうとします
ですが結果として遅くなってしまいます
「シエスタさんの言うとおりです・・・ちょっと困っていまして」
「・・良かったら教えましょうか?」
「え?いいんですか?!」
「よろしければなんですけど」
「もちろん大歓迎です!」
ドッピオに洗濯物の救世主が現れました。今のドッピオには女神にも等しいでしょう

「ここはこうやったほうが早く・・・」
「じゃあこれはどうしたらいいんでしょう」
「前もって薄めた洗剤水の中に入れておけば落ちやすくなります」
「なるほど・・・」
シエスタ開催、お洗濯講座も少し立つとドッピオは家事スキル0から3くらいまであがりました
ちなみに家事スキルは10まで、10基準はシエスタです
(・・・ふむ)
ディアボロも少々関心があったのか邪魔をせず、お洗濯講座を聞いていました
「こんな感じなんですけど・・・」
とお洗濯講座が終わるころにはもう残りの洗濯物はなくなっていました
「教えてくださってありがとうございます」
「え?」
ドッピオは感謝の表れをと思って礼をしました
「そ、そんなこれくらいで、お礼なんていいですよ」
「いえ、最初の僕と比べたら要領も分かるようになったんです
 シエスタさんのおかげです」
ドッピオは本当に感謝していました
「・・・お礼だけで十分ですよ。道具は私が後で戻しま「いえ、そこまで迷惑かけられません」
シエスタの言葉をさえぎってドッピオは言いました
「教えてもらった上にそこまで迷惑かけられません。
 昼間とかも働いてたんですからもう寝てください」
「・・・それではお言葉に甘えさせていただきます。
 あ、その前に」
「なんですか?」
「お名前を聞かせてもらってもよろしいでしょうか」
「・・ドッピオです」
「ドッピオさん、おやすみなさい」
「はい、おやすみなさい」
こうしてお洗濯によってドッピオに新しい知り合いが出来たのでした

洗濯物も干しました。後は眠るだけなのですが
(ドッピオ、大丈夫か?)
「・・大丈夫です。ボス」
ドッピオは眠りの限界寸前のようでした。洗濯に時間をかけすぎたのです
(・・それにしても)
ドッピオは昼間に考えたことをまた考え始めました
(・・・二つの月、地球とはまったく違う世界)
ここでボスと一緒に静かに暮らしていく、だけどボスは野望を果たそうとするだろう
(・・・ボス、ここで静かに・・・)
ドッピオの意識は緩やかに落ちていった

(・・・・・・)
ドッピオが眠りについたとしてもそれは意識が眠りついただけであり、ディアボロ自身は起きていた
もっとも表層意識にディアボロが来たわけだが
(・・・ドッピオ)
ドッピオの考えが頭に浮かぶ。そう、ドッピオの考えはディアボロにも分かっているのだ
それをドッピオは知らない。自分の心の内にだけ留めていると思っているものもディアボロには知れている
(・・・何を考えている。俺は俺の野望を果たすだけだ)
次があるか分からない。だからこそここで我が野望を果たす
だがここでゆっくり暮らすのも悪くは無いと思ってしまう
(・・・今は、今はここで)
そう、まずは情報を集めてから
そう自分に言い訳をしながら、ディアボロも眠りに入るのだった


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