ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

ファミリア―・ザ・ギャンブラー-2

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 「知らない天井だ。」
 ダービーが目を覚ました頃には、あたりはすっかり暗くなっていた。
 「やっと目がさめたの?まったく使い魔のくせに、ご主人様のベッドに何時まで……。」
 「それだ、その使い魔とはいったい何なのだね。それから魔法学園とはいったい……。」
 ルイズの説明した内容は常識的に考えればあまりにも眉唾だった。しかし、窓の外
の2つの月を見ているとダービーは信じるより無かった。
 「つまりこうゆうことか、『生活費は面倒を見てやるから召使になれ』。」
 「まあ、そんなとこかしら。」
 ――不服だがしかたがない。私にはこの世界での生活基盤がない。得意のギャンブルも元手かなければお手上げだ。
 「いいだろう。使い魔とやらになってやろう。」
 「それじゃあ、とりあえず食事に行きましょう。夕食の時間よ。」
 「グッド!」
 ダービーのおなかはペコペコだった。

 学園の食堂のテーブルには豪華な飾り付けがしてあった。いくつものローソクが立てられ、薔薇の花が飾られていた。
ただしそのテーブルにダービーの席はない。
 「あたりまえでしょ。この『アルヴィーズの食堂』に平民が入れるだけでもありがたいと思いなさい。」
 ルイズはしれっと言い放った。
 「ふんっ」
 ダービーは自分のパンを口に放り込むと、厨房に向かった。

 「ここの責任者は誰だね。」
 「責任者は俺だがいったい何のようだ。」
 怪訝な顔をしたマルトーが答えた。
 「わたしのマスター、ミス・ヴァリエールはわたしにろくに食事も与えてくれないのですよ。
だからね…わたしとチョッとしたつまらない賭けをしてくれませんか?」
 「賭け?」
 「貴方が勝ったら皿洗いでもなんでもやりますよ。」
 「おもしれぇ!お前が勝ったら貴族どもの食事よりもはるかにうまいものを味わわせてやる!」
 「グッド!」

 「ポーカーでいいな。」
 そう言いながらマルトーはカードを配った。
 「マルトーさん、お互いイカサマは無しにしましょう。」
 ダービーはマルトーの腕をつかんだ。
――こいつ、俺のセカンドディールみやぶるとは……。
 「もうアンタにカードを切らせるわけにはいかんな、誰か他にディーラーを!」
 「おい!シエスタ!」
 「すみません、今からケーキを配りに行く所なんです。」
 「ふむ、ではしばらく待つとしよう。」
 しかし、30分たってもシエスタは帰ってこなかった。
 「ちょっと様子を見てこよう。」
 一刻も早く何か腹に入れておきたいダービーは再び食堂へむかった。

 食堂ではケーキの乗ったお盆をもったメイドが金髪の貴族に因縁をつけられていた。
 ――あれか……。
 「少年、すまないがあとにしてくれ。こちらには生活がかかっているのだ。」
 ただでさえイラついていたギーシュは少年扱いされたことに腹を立てた。
 「『ゼロのルイズ』の使い魔の平民か、君は貴族に対する礼儀も知らんらしいな!」
 「フン!だったらどうしようと言うのかね?」
 賭けを邪魔されたダービーは挑発的に答えた。
 「この僕直々に教えてあげようッ!『貴族に対する礼儀』をッ!決闘だ!」
 「決闘?つまり『魂』を賭けた戦いという事かね?」
 「そのとおりだ!」
 「グッド!」

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