ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

ゼロの番鳥-9

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食堂に着いた私は驚愕した。
(マスターが居ない!?)
あの眠りの深さから見ても後一時間は起きないと予想していたが。
マスターの姿は何処にも無く、辺りには爆発の後だけがある。敵に襲われたのだろうか!?
下僕を調達するためとは言え、マスターから目を離した私の許されないミスだ。
自分で自分を殺したくなったが、すぐさまマスターの捜索を開始しようとする。

「あ!ペットショップさん!」

声が私を呼び止めた。
振り向くと、私に何故か感謝の言葉を述べたメイド服の女の姿が見える。
マスターの安否が気になる私はそれを無視して食堂から飛び去ろうとするが。

「ま、待ってください!」

慌てたように呼び止めて来た。何の用だ?
・・・・・・もしかしたらマスターの事で何か知っているのか!
私は期待を込めた視線をメイド服に向ける。

「ミス・ヴァリエールから食事抜きにされたと聞きまして、残り物ですがこれをどうぞ」

メイド服は盆に乗っている肉を差し出した。
そんな女に私は失望を止められなかった、確かに腹は空いている。
だが、そんなくだらない事で私の邪魔をするとはッ!
冷たい殺意を持って、メイド服を血祭りに上げようとしかけた寸前

「ルイズなら部屋に戻ってる」

本を読んでいる青髪眼鏡の女がそう告げる。
それが真実か考えるより先に、私は確かめるべく食堂を飛び出しマスターの部屋に飛んで行った。
何時の間にか直っているドアを足で開け、慌てて部屋に飛び込む。
居た!ベッドの上で横になっている。
「うーーーーん・・・・・・zzzz」
マスターの寝息が聞こえる、どうやら眠っているようだ。
私は安心してほっと一息つくと、部屋の外に出てドアの前に立つ。

「はぁはぁ・・・・・・ま、待ってくださいよ~ペットショップさん」

視線を向けると傍で息を切らせているメイド服が見える。
五月蝿い、マスターの睡眠を邪魔するな。やはり始末するべきか。
と、そこで疑問に思った。何故、あの女は私の名前を知っているのだ?

「私が教えた」

そのメイド服の横から、ひょっこり現れた青髪眼鏡が又してもそう告げ、何処かに歩いて行った。
・・・・・・あの青髪眼鏡は私の考えが読めるのだろうか。気味が悪い。
メイド服の手には盆があった、私に食事を運ぶためだけにここまで来たのか?・・・・・・ありえない
盆の上に乗ってる肉を胡散臭く感じる、毒でも入ってるんじゃないだろうな。
(奴隷はまだ来ないのか?)
左右を見回すが影も形も見えない、全くどこで道草を食ってるんだ。
しょうがない、覚悟を決めるか。
「キョキョ」
盆の上に飛び乗り、足元にある肉を少しだけ啄ばむ。
胃に納めて、10秒、20秒、30秒、40秒――――特に何とも無い
・・・・・・私の思い過ごしだったようだ。

しかし、一口食べてしまった事により、空腹感が刺激されてしまった。
そのまま勢い良く齧り付いて、全てを綺麗に平らげる。
「ペットショップさんのお口にあってよかったです」
私が完食した事に対してメイド服は嬉しそうに微笑んだ。何処か笑える所でもあったのか?
「お腹が空いたらまた厨房に来てくださいね」
分かったからとっとと帰れ。マスターの睡眠の邪魔だ。
メイド服が去って数時間後――――

「はははは。待たせてすまなかったねペットショップ」

脳天気に笑いながら下僕が現れた。遅いぞ。
・・・・・・お前の後ろに付いて来ているモグラは一体なんだ?
「僕の使い魔ヴェルダンデさ。どうだい、美しいだろう?ルイズ様の使い魔である君にも引けを取らないさ」
美しい・・・・・・美的感覚が狂っているのか?まあ良い。
自慢そうに眼鏡を揺らしながら答え――――眼鏡?何故眼鏡を掛けているんだ?
「君にやられた傷がまだ完全に癒えて無くてね、目がまだぼんやりするんだ。
 だから眼鏡を掛けているんだよ。」
なるほど良く分かった。それでだが・・・・・・お前に与えられた仕事は理解しているな?
「ルイズ様に害を成す敵の排除だね」
違う、それは私の仕事だ。
「ああ・・・外敵の攻撃からルイズ様を守る盾となる事だね?」
そうだ。その通りだ。

「はははは、青銅のギーシュの二つ名は伊達じゃないさ、君の期待にはきっちり応えて見せるよ・・・命に代えてもね」


等と言いながら、ルイズの部屋の前で立ち続ける、一人と一匹と一羽
どうでも良いがここは女子寮であるが、気にも留めてない所が素敵に無敵であった。


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